Rescue request of a dragon 登場人物紹介&プロローグ
登場人物紹介
バーチャコップ
VSSE
対テロ特殊部隊『STF』(Special Tactical Force)
Tokyo Expressway Runners
偽名古屋人(名古屋ボス)
Kaido Trick Runners
寄せ集めサーティンデビルズ
Speed Produce
Master's
Racing Project
Destruction Performers
Be Legend
European Union Fighters
プロローグ
ヨーロッパにあるVSSEの本拠地。その一角でエージェント達を集めて合同訓練が開催されていた。
VSSEは毎年の恒例行事として年に数回こうして収集される。
ベテランから若手まで全員参加が基本だが、どうしても外せない用事がある者は仕方が無い。
しかしエージェントのほぼ全員が参加している事に変わりは無い訓練でもある。
内容は戦術の講座や体力トレーニング、それからパートナーをつけずに1人で行う模擬ミッション等が
存在しており、その中でほぼ毎回最高成績を残している常連が最強のエージェントと呼ばれている
リチャード・ミラーである。
全部で5日の日程で開催されているこの合同訓練も今日が最終日となり、夜になったら
一旦エージェント達には中庭に集まって貰って最高成績賞やベストパートナー賞等が決められる。
だがその中庭に集まって貰う前に、予想もしない物が中庭に眩い光と共に現れるのであった。
「な、何だあれは!?」
若手のホープとして期待されているルーク・オニールが窓の外を指差して声を上げる。
「え……?」
その相棒で何時も冷静沈着なマーク・ゴダートも驚きを流石に隠せない。
「うおっ、何だありゃあ!?」
「化け物……!?」
ハックリーとネイトのコンビは対照的なリアクションで驚きの表情を見せる。
「何だ、あれ……」
「夢か? いや、違うな……」
ジョルジョとエヴァンのラテンコンビも窓の外を呆然と見つめる。
「くそっ、何のジョークだ!?」
「生物兵器の類か!?」
アランとウェズリーはその物体を屋上で見下げつつも何も出来ない。
「嘘、だろ……」
「何で、また……」
その物体、いや生物に見覚えがあったキースとロバートは唖然とするしか無い。
「この世界に、あんな生物が……」
思わずそんな言葉がリチャードの口から漏れてしまう。伝説と呼ばれるだけあるVSSEの
トップエージェントですら、あんな生物に遭遇した事なんて無かった。
そしてその生物は1匹だけでは無く、全部で7匹存在していたのである……。
同じ頃、ロシアのウラジオストックの特設サーキットコースで出走準備をしていたのは、
日本からやって来たロシアドリフトシリーズのウラジオストックラウンドの出場者である
小実奈由紀、上原隆、木下卓真、葉山藤一、宮島浩介、中村直樹、星沢慎太郎、
西山貴之、谷本仁史の9人だった。9人は由紀、隆、木下、葉山、宮島の5人を除いて
日本のC1グランプリと言うサーキットレースのでの顔見知り。そしてバーチャシティの以前の
事件で、由紀と隆と木下の3人と中村と星沢と西山の3人が知り合いになった。
今日は葉山と宮島と仁史が、由紀と隆と木下に会うのが初めてなのである。
「お互いに噂だけは聞いていたけど、かなり戦い甲斐がありそうだ。手は抜かないからな」
「俺だってそうだ」
わざわざウラジオストックに車まで運んで来たのだし、今回はロシアドリフトシリーズに参加出来る事に
なったので9人はそれぞれ自分の車のメンテナンスと出走準備に気合いを入れない訳には
行いかなかった。イベント自体は朝から夜までなのだが、せっかくだから次の日も観光して行こうと
言う事で全員ホテルを取って1泊して観光も楽しむ事が決定している。また、そんな9人の
応援と旅行を兼ねてウラジオストックまでやって来た男が2人。その2人に仁史が声をかける。
「おーい、スティーブも真治もピザあるぞー!!」
「ああ、後で残ったら食うよ」
黒羽真治とスティーブ・ブライソン。この2人は首都高速ではそこそこ有名なのだが、真治の方は
C1グランプリのレースジャンルの1つである「SPバトル」において100勝以上の成績を収め、
更にC1グランプリを制覇しないとバトルしてくれないと言うレベルの腕を持っている。そしてそれと
同じくドリフトのポイントを競う「DPバトル」では、仁史がこちらも同じく100勝以上して更にC1
グランプリを制覇したドライバーとだけバトルしていたのである。真治と仁史はそのC1グランプリの縁で
知り合い、真治がスティーブを紹介する形で仁史と知り合いになった。ちなみに仁史はスティーブの
名前は知っていたが実際に出会った事はその時まで無かった。
そしてそのウラジオストックから海を挟んだ日本では、「あの」30人がうんざりしながらも
首都高の大黒パーキングエリアに集まって会議を開いていた。
「真面目にこれで最後にして欲しいですよ」
「本当。年末年始でバタバタしてるのに」
「てか、今度ってもっとややこしくなってねーか?」
「ああ……あいつ等7匹全部こっちに来たって」
「だからこうして部隊を分けたんだよな」
「そーそー。あー、ややこしいにも程があるぜ」
事の発端はこの30人にそれぞれ英語と日本語でハリドからメールが来た事、そしてその
翌日までの夢の中で30人に「また」あのイークヴェスの声が聞こえて来た事から始まった。
何でもイークヴェスの声曰く、あのヘルヴァナールの孤島で一緒に暮らしていたドラゴン7匹
全員が何の因果かこっちに来てしまったとの事であった。
向こうで灰龍のセルフォンと赤龍のエルヴェダーと白龍のタリヴァルが子供の卵を産んだのだが、
魔力の異常暴走が起こってしまってその時にこっちに卵が飛ばされてしまったそうなのだ。
そしてその後、卵の回収にこっちに来たのだが黒龍イークヴェスを持ってしても制御が上手く
行かなくて、結果的にとんでもない所へ出てとんでもない事になってしまったと言う。
様々な人物や出来事が複雑に絡み合い、このストーリーは幕を開けた。
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