Rescue request of a dragon第1話


「くっそぉ、何なんだよあいつはよぉ!!」

「落ち着けアラン! 挟み込むぞ!!」

突如としてVSSEの本部の敷地内に現れた7匹のドラゴン。

その内5匹が逃げてしまったばかりか、残った青いドラゴンと黄色のドラゴンが

VSSEのエージェント達を相手に暴れまわっている。

どうやら先に逃げたドラゴンの足止めをしている様だ。

「うおおっ!?」

「エヴァン、退け!!」

いきなり急降下して突進してきた青色のドラゴンをギリギリでかわしたエヴァンに叫んだ

ジョルジョはP90マシンガンを構えてぶっ放すが、そこに今度は突然何の前触れも無く砂嵐が襲い掛かって来る。

「うおっぷ!?」

「うっ!!」

ハックリーとネイトのコンビはその砂嵐に思わず目を覆い、視界が遮られてしまう。


そんな2人を今度は急降下してきたドラゴンが思いっきり着地した事による地面の揺れが襲って、

思わずバランスを崩して倒れこんでしまった。

「やべぇ!! キース、そっちは頼む!!」

「わかった!」

ロバートはキースに2人の介抱を任せ、グレネードランチャーを構えて青いドラゴンに 狙いを定めた・・・が!!

「駄目だ!!」

「なっ!?」

突然飛びかかってきたのは自分が指導しているマークだった。その理由は飛びかかられて一緒に横っ飛びの

体勢になった瞬間に思い知る。首だけをこちらに向けた青いドラゴンは、次の瞬間何と鉄砲水をロバートに

向けて口から吐き出して来た。何とか直撃だけは免れたが、もし当たっていたら押し流される所では済まなかっただろう。


「あんのやろぉ!!」

若さを活かした素早い動きでマークの相棒ルークが今度こそグレネードランチャーを放つ事に成功したが、

それを何と地面から突き出された岩の壁が相打ちになる形で防いでしまった。

「はぁっ!?」

驚くルークがあっけに取られている隙を見逃さず、後ろから素早く接近した黄色いドラゴンがルークのシャツを

前足の爪に上手く引っ掛けてぶら下げ、そのままアランとウェズリーの元へとブン投げる。

「うおっ!!」

何とか投げ飛ばされてきたルークを2人掛かりでキャッチ出来たアランとウェズリーだったが、そんな3人の目の前に

青いドラゴンが急降下して地面を再び揺らす。

「うあああ!!」

「うぐぉ!」

続けてまた何の前触れも無く砂嵐が起こり、視界が遮られたエージェント達はまともに狙いが定められない。


それでもVSSE最強のエージェントであるリチャードはヘリを動かして黄色いドラゴンに接近。

(食らえ!!)

後ろに回りこんだリチャードはドラゴンの後頭部目掛けてヘリからミサイルを撃つが、黄色いドラゴンに

青いドラゴンが体当たりしてミサイルの直撃から守ってしまった。

「ちっ!」

舌打ちするリチャードだったが、そんなリチャードの乗るヘリのフロントガラスに今度は大粒の雨が。しかも尋常じゃない。

これはただの雨ではない。スコールだ。

(な……何だ、今日の天気は!?)

めまぐるしく変わる天気。明らかに異常気象だ。


そしてこんなスコールの中ではヘリからの狙撃も上手く行かない・・・と思った次の瞬間だった!!

「ぬおっ!?」

ヘリが突然大きくバランスを崩す。

何とかギリギリで踏ん張ってバランスを保ったリチャードであったが 今度は下から突き上げられる。

「うおあ!?」

再度バランスを崩すヘリ。その原因はまず黄色いドラゴンが横から軽くサイドへのアタックを仕掛け、

更に下から青いドラゴンが鼻先でヘリを突き上げた。

視界がグルグル回り、神にもすがる思いで必死に舵を切るリチャード。それが功を奏し、奇跡の様な着陸を果たした。

だが視界が晴れた時には、あの2匹のドラゴンの姿は何処にも無かった。


そしてこんな声が何処からかリチャードの耳に聞こえた……様な気がした。

『君達、弱すぎ!!』

『人間なんて所詮この程度か』


一連の騒動に関わったVSSEのエージェントの内、リチャード、キース、ロバート、

アラン、ウェズリー、ジョルジョ、エヴァン、ハックリー、ネイト、ルーク、マークが施設内の大会議室に集合。

「何なんだよ、ありゃ!?」

エヴァンが驚きと悔しさが入り混じった声を上げるが、その疑問はここに居る誰もが持っていた。

「その気持ちは俺達も一緒だ。生物兵器と言う線がありそうだな」

何時も冷静沈着なキースは相変わらずの冷静な口調で腕を組んでそうこぼすが、そこに同じく冷静なジョルジョが一言。

「あれは……本当に生物兵器なのか? 俺は違うと思う」

「そりゃーどう言う事だよ、ジョルジョ?」

その発言を向かいの席で聞いていたハックリーが問い掛ける。

だがそれに答えたのはジョルジョではなかった。

「ジョルジョと同じ……俺も感じたんだがよ、なんつーか……妙にコンビネーションが良かったぜ? 見ている限りではだけどよ。

お互いの攻撃の隙をカバーしたりしてたしな」

血の気がこの歳になっても多く、熱くなり易い性格のロバートだがそう言う所はきちんと見ていたらしい。


「ああそうだな。それと……あのめまぐるしく変わる天気の変化、それからいきなり地面から突き出る岩、

それからロバートと俺に撃って来た鉄砲水……あんなの、ただの生物兵器に出来る芸当なのか?」

若手の成長株のマークが冷静な口調で疑問をこぼすと、それに相棒のルークが続く。

「そ、そうだぜ!! 俺のランチャーが突然岩とぶつかって……!! あんなの俺見た事ねぇ。

しかも俺を投げ飛ばした時……手加減されてる気がした」

「手加減だって?」

アランが問い掛けると、ルークはコクコクと首を縦に振る。

「ああ、俺を投げ飛ばすんだったら幾らでも投げ飛ばせるだろ。なのに……上手くアランとウェズリーの所に投げ飛ばされた気がするぜ」

「と言う事は、意思がある生物だと言うのか……?」

「しかし、そうだとしてもあんな生物は地球上で見た事が無い」

今まで黙っていた寡黙な性格のネイトが疑問を呈し、同じく寡黙な性格のウェズリーが不思議そうな口調でそう続いた。

だがここで幾ら考えても埒が明きそうになかった。


「でもドラゴンって奴を見るのは俺達も初めてじゃないからな」

その時、アランがそうポツリと漏らす。それに続いてある1つの予測をウェズリーが立てた。

「万に一つの可能性だが、あのバーチャシティの出来事とは関係あるのかな?」

しかしそれに答えたのはアランでは無く、何時も冷静沈着なキース・マーティンだ。

「どうだろう。しかしその線が濃厚なのはある」

「だったらあの時の奴等に誰でも良いから連絡を取ってみれば良いんじゃねぇか?

そしたら手っ取り早いし、全てが分かるだろうよ」

キースとは反対に、この年になっても何時もヒートアップしやすい性格のロバートはそんな提案をし出した。

「……事情が飲み込めないんだが」

「俺も。ってか、あの時の奴等って誰なんだよ?」

「俺にも説明してくれないか」

「俺達だって事情が飲み込めねぇよ」

「ドラゴンは未知の生物じゃないのか?」

そしてマーク、ルーク、ハックリー、ネイト、リチャードの5人は訳が分からないままであった。


実を言うとあのバーチャシティでのドラゴンの事は伏せられており、あの時関わった6人の

エージェントしか知らない事になっていた。

だが今の事情では仕方無いと思い、6人はその時の事を伝説のエージェントに話す。

「……信じがたい話だが、あれを見る限り嘘とも思えない」

全てを聞き終えたリチャードは、自分が先程体験した出来事を思い返して複雑な感情で感想を述べる。

「俺には到底信じられねぇ」

「だがこれは現実だ。そうだろう?」

ルークはまだ半信半疑だが、マークにそう問われて頷きを返すしか無かった。

「でも、少しだけワクワクしてくるぜ。生態系についても調べてみようぜ!」

「落ち着けよ」

年甲斐も無くワクワクするハックリーを見ながら、相棒のネイトは一言だけポツリと呟いた。


「それよりも、そのドラゴンの事を知っていそうなのは以前にも出会ったあの連中だな」

「ああそうだ。と言うか今の所の心当たりがそのバーチャシティの時のあいつ等だけだ」

ウェズリーとキースは互いに目配せをしてうなずく。

「VSSEのデータにあるんだったら、ここに呼びつけるか連絡とってみようぜ!!」

「そうそう、アランの言っているそれしか思いつく方法がねぇよ」

アランもエヴァンもこの状況をどうするかと言う事で頭が一杯だ。

「……分かった。ならそいつ等のデータを出すのを、前に関わった6人全員は手伝ってくれ」

「了解」

6人を代表してキースが承諾の意をリチャードに示した。

「とにかく、今回のVSSE本部襲撃事件の捜査メンバーは今ここに居る全員がメインで行う事にする。

まずはドラゴンの捜索だ。 それと被害状況の調査。そしてドラゴンを発見次第駆除する事。

各地のVSSEの支部にも連絡を取り、情報を共有して世界中に捜索網を広げろ。ドラゴンだから見つけやすいとは思うが、

あんな生物が7匹もこの世界の何処かに今見る限りで居るとなると、世界の滅亡にも繋がりかねない。

このミッションは今までの どんなミッションよりも大きい規模となりそうだ。 全員、総力を挙げてドラゴンを見つけ出せ!!」

リチャードの声が大会議室に響き渡り、VSSEのエージェント達がドラゴンを追いかける為に動き出すのであった。


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