バーチャコップ&タイムクライシス小説 登場人物紹介&プロローグ
登場人物紹介
バーチャコップ
VSSE
プロローグ
バーチャシティ。その一角で、シボレー・カマロのパトカーがサイレンを鳴らして爆走していた。
「…厄介だな…」
レイジがポツリと呟き、フロントウィンドウの景色を見つめる。そこには新たな事件への幕開けとなるデータが記載されていた。
事の起こりは30分前。フランク・カランザ主任から、こんな報告が入ってきた。
「郊外の大きなビルにて、パーティを装った麻薬、さらには細菌兵器の極秘取引が行われるとの情報が入ってきた。
ローカルポリスのバックアップについてだが、取引現場を押さえたら乗り込ませる。良いな」
「と言うことは、最初は俺らだけですか…」
「そういうことだ。くれぐれも用心してかかってくれたまえ。ジャネット君もオペレート、よろしく頼むぞ」
「はい」
レイジとスマーティはカマロを走らせ、郊外の30階建てのビルへと急いだ。
しかも隣の町との境目ギリギリのところにあり、閉店後は嘘のように人気も無い所になる場所だが、
出動要請があった以上管轄外でも行かなければならないのが、辛い所ではある。
同時刻。国際特殊諜報機関VSSEのメンバーの
キース、ロバート、アラン、ウェズリー、ジョルジョ、エヴァンもそのビルへと急いでいた。
かなり大規模な取引となることが予想されるので、普段の2人だけでは足りないという異例の事態となったのであった。
バーチャコップ一行は、ビルの制圧と主犯の確保が目的になる。
VSSEのメンバーは、細菌兵器データと武器のサンプルを回収し、VSSE本部へ送り届けることである。
そしてその2チームとは別に、そこでは別の奴らも来ていた。
小実奈 由紀、上原 隆、木下卓真の3人はD1グランプリという、ドリフトの大会が行われるのでやってきた。
でも、はるばるアメリカまで再び来たため、やっぱり観光もしたいのでこのビルへ赴いた。
車はすでに会場に預けてある。3人ともプライベートで参戦だ。
さらに。そのビルの中には日本車向けのパーツを開発、販売しているメーカーがあり、そのパーツを求めて
中村直樹、星沢慎太郎、西山貴之の「D3」の3人がやってきていた。
しかも、木下達と西山達は、それぞれが同じ場所にいることなど全く気がついていなかった。
偶然が重なり合って、この事件は幕を開ける。
「D1は今日の夜10時からだな」
「ええ。このビルは閉店時刻早いみたいだから、1時間くらい見回ったら、ここを出ましょ。そうすれば十分余裕で間に合うわね」
「そうだな。でもその前に、腹ごしらえでも済ませようぜ?」
木下達がやってきたのは4階にある寿司バー。アメリカはハンバーガーが一般的だが、やっぱり日本食が恋しくなる。
「おいしいわね」
「ああ。3人ともこのバーチャシティでひどい目にあったというのに、よく来れたよな」
「おいおい、隆。そんな事言うなよ」
そんなことを言っていると、何かまた嫌な事に巻き込まれるだろうから…。
「おーい、慎太郎、何か良い物見つかったか?」
「いいや、めぼしいモンはないな。直樹は?」
「俺も特にないなー。やっぱりインポートカー向けっつっても、こっちじゃあまり普及してないからな、マークKって」
苦笑いをしつつ、特に必要なパーツはなさそうだとあきらめる直樹。
せっかくD3の3人が集まって休暇でバーチャシティに来たというのに、退屈になりそうだ。
そこでD3のリーダーである西山が出したのは、こんな提案だった。
「だったら、この30階のビルを少し回ってみないか?都市部は昨日見回ったばかりだから、
せっかくこんなところまで来た訳だし」
「そうだな。じゃ、下から順番に見ていこうぜ」
その慎太郎の言葉で、D3の3人はエレベーターに乗り込んだ。