Run to the Another World第62話
栗山裕二は一般人には絶対出来ない様な特殊な環境で過ごして来た。
福岡県大牟田市で生まれた彼は4歳の時に岐阜県へ移住。
しかしその後、まだ子供だった彼を残して両親が睡眠薬で自殺。
原因は知人の連帯保証人になってしまい、その結果多額の借金を
背負い込む事になってしまってとても支払えないのでせめて自分達の
保険金で……と言う事だったらしい。
そしてその後にやって来た警察に保護され、両親に遺体の傍に置いてあった
孤児院のパンフレットからその孤児院に保護される事になった。
その孤児院で仲良くなったのが岩村僚一、そして鈴木流斗の2人だ。
この2人とは実の兄弟の様に育った経緯があり、一旦は就職先の事で
別れる事になってしまうが後に流斗から連絡が来て車の世界に
誘い込まれる事になるのである。
栗山がそうして車の世界に誘い込まれる前迄は、実は世界各地を転々として
傭兵として活躍していたと言う過去を持っているのだ。
高校を卒業し、もっと孤児院の中だけでは無く広い世界を見てみたいと思い
世界を回れる様な仕事が無いか探していた所に傭兵の求人を発見。
と言っても町の電柱に貼ってあったので、胡散臭いと思いつつも面接場所に
履歴書を持って行ってみた所、何と本物の傭兵の求人だった。
1989年に「傭兵の募集、使用、資金供与及び訓練を禁止する条約」が
国際連合総会で国際条約として採択されたが、そんな事等お構い無しで
栗山はまず1年間の傭兵になる為の特訓を受け、その後にまず中東へと
飛ばされた。その後はアフリカ、東南アジア、ヨーロッパ、南米等も転々として
世界各地を飛び回る傭兵として活躍し、銃器の扱いは勿論の事
数多くの言語や実戦的な格闘術を習得した。
そうしてクラヴ・マガ、太極拳、カンフー、柔道、エスクリマ、シラット、
ボクシング等の格闘術も習得し、1991年にその求人を見てから
傭兵として7年間活躍した後に日本へ帰国し、傭兵のコネで
警備会社へと就職し現在も同じ会社で勤務している。
そんな過去を持っている為に極度のミリタリーマニアで、ナイフやモデルガンを
集めるのが趣味。他にも動物好きという暖かい一面があったりもする。
その後に鈴木流斗と再会した栗山は帰国後すぐの1998年に車の
世界へと誘い込まれ、アリストを買った流斗の影響で彼もアルテッツァを
選択し、傭兵の蓄えを注ぎ込んで一気にフルチューン。
壮絶な過去と戦場を幾つも経験して来た事から、車のバトルでの
緊張感は彼にとっては微塵も感じない物なので、恐れを全く知らない
コーナーへの突っ込みであっと言う間に新環状線でミドルボスの座に
2000年に君臨する事が出来たのであった。ちなみにバトルで稼いだ金を
自分が育った孤児院に送ったりもしている面もあった。
だがその後、宝坂令次とバトルした時にそのアルテッツァで無理に攻めた結果大クラッシュしてしまい、
その後にパワーのある車を求めてJZX100チェイサーに乗り換え、その令次率いるサーティンデビルズの
一員として活動していた。そのまた1年後にサーティンデビルズが解散して彼は1人で首都高を走る
日々が続いていたが、2005年にサーティンデビルズが再結成されると言う事で今度はランエボ8に
乗り換えた彼もまた一員として復帰。現在はサーティンデビルズが再び解散した事で栗山も首都高を降り、
車も再びチェイサーに戻して走りの世界から離れた生活を送っている。