Dragoon which came from the different world第2話
レイジとスマーティがサエリクスとジェイノリーを
追いかけている頃、Master'sの飯田恵と
Speed Produceの遠藤真由美の師弟コンビ、
それからRacing Projectの松原周二とMaster'sの
リーダーのハール・ドレンジーは、合流した橋本と
ジョルジョとエヴァンとで事情をそれぞれ話し合っていた。
「生物兵器のテロリストか……」
「それで俺等がいきなり撃たれた訳だな」
「もしかして俺達、VSSEと勘違いされたって事か?」
「どうもそうらしいわね」
要するに自分達は全くの無関係で巻き込まれてしまったと言うのに
気がついた4人に、ジョルジョがすまなそうに声をかけた。
「すまないな。だが、そっちの言う事は全く信用出来ない」
「ああ、ドラゴンなんて……あんた等はどっかのカルト宗教グループか?」
エヴァンにそう尋ねられてしまうのも無理は無い。
「まぁ確かに、俺達の話なんて頭が可笑しい奴等だとしか
見られないのも分かる、だが俺達の言っている事は事実なんでな」
橋本の目が真っ直ぐにジョルジョとエヴァンを射抜いた。
「嘘をついている目では無さそうだが、ならそのドラゴンとやらの
証拠はあるのか?」
ジョルジョにそう言われ、周二が懐からあのビンを取り出す。
「これだ」
「何だこれ?」
ビンを開け、手で仰いで臭いを嗅ぐエヴァン。
「何もにおいがしないな」
「ああ、別に人体に害は無いらしいけどな」
異世界ではこのビンの中身が大層役に立ったと周二が
説明していたが、その説明は同時に違う場所でも説明されていた。
「はっ、ますます胡散臭さ全開って奴だぜ」
その説明を永治、哲、それから新たに合流したSpeed Produceの
岸泰紀と寄せ集めサーティンデビルズの岩村遼一とRacing Projectの
兼山信也に受けたアランは鼻で笑ってそんなぼやきを漏らす。
「と言われても本当だしなぁ……」
「1度病院に行くか? 腕の良い脳外科を知っているが」
うんざりした様に呟く岸にロバートがそう提案する。
「ん〜、論より証拠って言ってもそれ位しか無いし」
兼山もどうして良いか分からない。
「とにかくだ、俺達はそうして声を聞いてここに来た。嘘はついていない」
「だからそれが胡散くせーっての」
アランも段々イライラし始めている。
「とにかくだ、ここで論議していても始まらない。まずは御前達の
仲間とやらを全員集めよう」
「それからじっくりと聞き出す事にさせて貰うぞ」
キースとロバートがそう纏め、まずはこのビルの中のテロリスト達を一掃
しなければならないと言う事で再び行動を開始した。
その一方でMaster'sの鈴木流斗と高崎和人の仲が悪いコンビは
同じく行動していたBe Legendの橘陽介と穂村浩夜と共に
何とか上のフロアへと進んで来ていた。
慣れない銃を何とか奪い取って反撃する4人だったが、
その中で浩夜はこんな事を考えていた。
(あれ、そう言えばまた俺達って下に戻らなければ
いけないのか……? うおおめんどくせえぞ!!)
そう、上に上がって来たは良いもののまた自分達は下に
戻らなければいけない。そんな思いなのは他の3人も一緒だった。
(全てはこいつ等とそのドラゴンが悪い!!)
そんな事を思いつつ、流斗はカンフーの要領で下のフロアに
弾丸をリロードする隙を突いて敵を突き落とす。
和人は小柄な身体を活かして物陰に隠れ、敵が近づいて来た所で
合気道の技で素早く仕留める戦法だ。
そして陽介はフリーランニングの驚異的な足のバネを生かして
フロアの手すりから手すりへと斜めにショートカットする形で
ジャンプして逃げる。
その過程で今度は自分と同じく身軽な動きが得意な
European Union Fightersのバラリー・ヴェンルティと、寄せ集め
サーティンデビルズの神橋洋子と栗山裕二、そして洋子の師匠である
Destruction Performersのリーダー百瀬和美、更には洋子と同じく
和美の弟子仲間である三浦由佳と合流する事に成功した。
「無事だったか!!」
「ええ何とか無事よ」
「あれ、浩夜とか流斗は如何したのかしら?」
「あいつ等なら上だ。こっちのフロアの敵は大丈夫か?」
「ああ、あらかた潰したぜ」
「それじゃあ他の奴等の援護に向かおう」
「まずはあの集団を倒さないといけないらしいわね」
話も纏まったので再び進もうとした時、そんな6人に
声が掛かるのであった。
「御前等、全員動くな!!」
「へ?」
「おい、あ、あれ……」
通路の先を見てみると、そこには物々しく武装した茶髪と金髪の男が。
「俺達はバーチャコップだ。その場でひざまずいて腕を後ろに組め!」
そして後ろからも新たな刺客が。
「おや? 誰かと思えば……バーチャコップの」
「え?」
「……まさかあんた、VSSEのウェズリーか?」
ひざまずいた自分達6人を挟んで会話が繰り広げられるが、
当の6人は全く事情が呑み込めていない。
「な、何、如何言う事?」
「御前達には関係無い。ウェズリー、まずはこの6人を拘束するのに協力してくれ」
「分かった」
スマーティがウェズリーにそう指示を出して、6人は拘束される事になった。
「御前達の仲間と思わしき2人も捕まえてあるぞ」
「だ、誰よ!?」
「後で存分に会わせてやる。さぁ立て!」