寄せ集めサーティンデビルズの冤罪編 第1話


アメリカ・バーチャシティ。


ここでは毎日犯罪も起きている。それを解決するため日々活動しているバーチャシティ警察。

その中でもバーチャシティ警察第2分署に課がある特別捜査課、略して特捜課。

ここは特に難しい事件や大きな事件が起きた時に活動、協力する普通の人なら2日で

音を上げてしまうような厳しい課だ。

そこに属しているのが、署内のトラブルメーカーと呼ばれているマイク・ハーディ、通称レイジと

その相棒でプレイボーイなジミー・クールス、通称スマーティ。

更に犯罪心理学を得意とする女刑事でオペレーターのジャネット・マーシャル、

その3人をまとめるフランク・カランザ特捜課主任の4人で構成されている。


そして、今日も事件は起きる。



2014年10月、このバーチャシティを1台の赤いJZZ30ソアラが走っていた。

ソアラに乗っているのは日本からやって来た兼山信也、大塚誠、神橋洋子の3人だ。

以前バーチャシティにドラゴンの件で来た時にとんでもない目にあって以降、絶対に

ここには来るまいと思っていたが、バーチャシティにおいてどうしても見逃す事の出来ない

ドリフトチャンピオンシップの1戦が開催されるとあってやって来た。

当然前回の教訓を生かすべく、1人1台ではなく30ソアラのみを持って来た。

公共交通機関を使っても良かったのだが、道に不慣れなので自分の車で好きに市内を

回ろうと言う考えが兼山にあったので、それに大塚と洋子が同意した形だ。


と言う訳でソアラで3人は市内のディスカウントストアや観光名所、郊外等を見て

回った後にメインイベントのナイトイベントのドリフトチャンピオンシップを観戦し、今は帰路に

ついていた。しかしながら、ドリフト大会なので街中では出来ずに郊外でやっていたので

帰り道は山の中を通る事になった。

だがホテルへの帰り道を忘れてしまいそうになったので、確認の為に山の中にあるモーテルへと

寄って情報収集をする。

「どうだった? 洋子」

「分かったわよ。ここは1本道で、山を下りてからそのまま市内の方向へ行けば私達の泊まる

ホテルの方角だって聞いて来たわ」

「そっか。ならこのまま下りれば安心だな」

情報収集も兼ねて夕飯もここで済ませた3人はホテルへと帰る為にソアラに乗り込む。

だがしかし、この後に思いも寄らない事態が3人の身に降りかかって来る事になるのであった!!


ソアラに乗った3人はそのまま山を下りて行く。ワインディングになっていてきついコーナーもあるので

時々ドリフトイベントを見た後の高揚感もあってソアラを滑らせてみる。

「奥がきつくなってるコーナーが多いな。手前から滑らせた方が良いかも」

「勾配もきついし、路面も荒れてるから注意ね」

「そうだな……ん?」

大塚が後ろから来る車のヘッドライトに気がついた。兼山は慣れない道を走っているので余りスピードを

出していないのだが、それでも普通のスピードよりも速い。

しかし後ろから追いかけて来る車はかなり速い。

「おい、後ろから1台速いのが来てる。抜かせようぜ?」

「あー、そうだな」


と言う訳で兼山がスピードを落として右側に寄って抜かせようとしたのだが、次の瞬間後ろからその車は

物凄い勢いで兼山のソアラのリヤに追突して来た!

「え!?」

「うお!?」

「はっ な、何だぁ!?」

いきなり後ろからぶつけられたので、兼山はスピードを上げて後ろの車を振り切る事に。

余り街灯が無い為に後ろの車がどんな車かは分からない。

それでもこんな真似をしてくるのであれば逃げ切った方が速いだろうと考え、ソアラのスピードを上げる兼山。


そして後ろの車のドライバーは、兼山のソアラがスピードを上げたのを見て邪悪そうな笑みを浮かべて呟く。

「よう、久しぶり」

ソアラのスピードアップに合わせて、シフトダウンして自分の車もスピードアップさせる。

兼山のソアラには、この車のドライバーとその相棒にとって物凄く重大な秘密が

隠されていたからであった……。

だから絶対に逃がすまい、と兼山のソアラを追いかけ始めたのである。


そんな後ろの車を振り切って逃げ切るべく、慣れないコースでありつつも兼山は

本気モードの走りに切り替える。

だがそんな3人に次の瞬間、更なる不利な条件が!!

「おい、雨が降って来たぞ!」

その雨はすぐに本降りになって来た。慣れないコースでヘビーウェットな路面。

アウェイな3人と重いソアラにとって過酷な条件ばかりだ。


「おい洋子、後ろに大塚と乗ってくれ!」

「トラクションね?」

「ああそうだ、狭いし飛ばすけど我慢してくれよ!」

「分かったわ!」

2人に後ろに乗って貰う事でトラクションを稼ぐ、即席のレインセッティングだ。

463馬力もあるFRマシンのソアラはパワーを出し切れない。

こうして、命がけのチェイスバトルが幕を上げる事になるのであった……。


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