Training along with the dragon第4話


「くっ……バーチャコップか!」

「そうだ。さぁ立て。そのまま大人しく俺達について来るんだな」

生物兵器を開発していると言う犯罪組織に目をつけていたバーチャシティポリスでは、

その犯罪組織と生物兵器のクライアントがこのスタジアムで行われると聞いて取り引き

現場を急襲。そして今、バーチャコップ達の手によってその幹部である大塚を無事に

捕らえる事が出来た。

そしてバーチャシティポリスで取り調べを受けてもらうべく大塚を連行しようとするバーチャコップ。

だがその瞬間だった。


ドンッ!!

「ぐふ……っ!」

「っ!?」

「何だ!?」

突然、何処からか1発の銃声が聞こえたかと思うとそのまま大塚のこめかみに風穴が開き、

血を撒き散らしながら観客席の椅子の上に盛大に大塚が崩れ落ちた。

バーチャコップの2人は即座に身を隠して銃弾が飛んで来た場所を探そうとしたが、どうやら

撃って来た奴は逃げてしまったらしい。


「くそ、何処に行った!?」

「ジャネット、怪しい熱源等は無かったか!?」

スマーティがオペレーターのジャネットに問い掛けるが、ジャネットのからの返事は芳しく無かった。

『捕捉出来なかったわ。でも、その幹部の手下からは手がかりが見つかったらしいわよ』

「本当か!?」

『ええ。だからその手がかりを元に次の場所の見当は大体つくと思うわね』

そのジャネットの言葉を信じ、レイジとスマーティはスタジアムの外へと向かった。


「どうでした、俺の演技は」

「まぁ、ラジー賞って所かな」

「それ映画全体の評価だろ、レイジ」

大塚の演技を映画の賞で例えたレイジにスマーティが突っ込みを入れ、大塚も結果を見届ける為に

バーチャコップの2人と一緒に次の訓練場所へと向かう事になった。

まずはこれでストーリー仕立てのステージ1をクリアしたのだが、まだまだ訓練は終わらないのである。


レイジとスマーティを筆頭としたバーチャシティポリスは、幹部の大塚の

部下が持っていた手がかり……取り引き相手との交渉に使われる

予定だったのであろう書類に記載されていたを頼りにして、スタジアムから

GT−Rパトカーを走らせてバーチャシティの市街地を抜けて走る。

大塚は大塚で、日本からわざわざ運んで来たあの令次のインプレッサを運転して

そのGT−Rパトカーの後ろからついて行く。

(次はえーと……何処だっけ?)


そんな大塚の疑問を解消するのはその次の訓練場所に辿り着いた時だった。

そこはバーチャシティの市街地の中にある建設中のビル。60階建ての高層ビルの

1つであり、あの書類によればどうやらここで次の取り引きが行われる手筈だった。

その前に幹部を捕まえてしまったので、捜査の手がかりとなる様な場所が実際は

ここしか無かったのであるが。ちなみにここは本当に建設中のビルを貸し切って、

完成する前に訓練の為に使わせて欲しいと業者と施工主に頼み込んで

バーチャシティポリスが許可を貰ったのであった。


そんな建設中のビルに調査に来たバーチャシティポリスは、ローカルポリスを

バックアップとしてバーチャコップの2人がビルの中へと踏み込んで行く。

「ジャネット、ここは無人の筈だが……人の踏み込んだ形跡が幾つもあるぞ」

そんなレイジの呟きを聞いたジャネットはこう返答する。

『1ヶ月前位からかしら。時折り、この建設中のビルに人が立ち入った様な形跡があると

警察に相談が何度かあったのよ。でもそこまでの重要性が無いって事で調査が後回しに

なっていたのは確かね。誰かが居るかも知れないから用心して進んで下さい』

「了解」


スマーティが返答して、バーチャシティポリスはなるべく音を立てない様にして先へと進んで行く。

順調に上へ上へと上がって行くバーチャシティポリスだったが、32階に設置されている

吹き抜けのホールまで来た時に事件は起きた。

「……レイジ」

「ああ、気配がするな」

スマーティのロックオンゴーグルには何の反応も無い。しかし、長年の経験と勘、

特にレイジの動物的な野生の勘でここはヤバイと確信する。

だが、そのヤバイと確信した次の瞬間にスマーティのゴーグルに何十個ものロックオンサイトが

浮かび上がった。

「……皆、退避だ!!」


そのスマーティの叫び声と共に、叫んだ本人も含めて一斉に安全な場所へと逃げ込むバーチャシティポリス。

でも吹き抜けのホールで建設中の場所ともあり、壁や柱もまだまだ肉付けが未完成だった為に

隠れる場所が見当たらなかったのが運の尽き。

バーチャコップの2人は何とか近くの柱の影へと転がり込んだが、その後ろに控えていたローカルポリスの

およそ90パーセントが吹き抜けの中の暗闇に潜んでいた敵役のチームの一斉射撃や一斉狙撃で

次々に倒されてしまった。

「くっそ、冗談じゃねえ!!」

レイジは悪態をつきながらも、柱の影から一斉射撃や狙撃をする敵に向かって特別装備として支給された

手榴弾を取り出す。模擬弾ではあるがこれも使って良いルールだからだ。

だがまともに正面からやり合うのは無理なので、近くに見つけた階段から後ろへとこっそり回りこんで

敵チームに手榴弾を投げ込み撃破。

「クリアだ!」

「行くぞ!」

レイジとスマーティは敵兵士の排除を確認し、残ったローカルポリス達と共に更に上へと進んで行く。


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