Speed Produceのストリートレースから始まる陰謀編 第2話


「な、何だよお前ら!?」

「いきなり何するんだよ!!」

拉致された5人が連れて来られたのは同じ港の中にある廃墟となった

大きな倉庫の中だった。

そして自分達を拉致したリーダー格の女から、突拍子も無い話が

5人にもたらされる!!

「御前達の仲間が、うちのビジネスをめちゃくちゃにしてくれたんだよ」

「はっ?」


何の事だか話がまるで分からない。

「丁度半月前、武器の密輸グループが逮捕されてね。それでその

グループと言うのは私の関連組織だったんだがな。御前達の仲間である

奴等がグループを潰す切っ掛けになったと言う事で調べ上げたんだ。

そして今回、偶然にも御前達5人がこのバーチャシティへとやって来てくれた。

だから少し頼み事をさせて貰おうと思ってな」

「頼み事って何だよ?」


明がそう聞き返すと、女はパチンと指を鳴らして部下にある物を持って来させる。

それは何と爆弾の着いたベストであった。

「なっ!?」

「何だそれ!?」

「これを着て、私達の指示に従って貰うぞ」

そうしてベストを着させられたのは弘樹と令次の2人であった。

「くっそ、やめろよ!!」

「このぉぉぉ!!」


しかし数の暴力には敵わずに抵抗もむなしくジャケットを着させられ、目の前でパソコンを使って

爆弾のスイッチを入れられる。

「この爆弾は遠隔操作が可能だ。このバーチャシティ全体に電波が届く高性能な物でな。

それに車にGPSもつけてやるから御前達の行動は見張っているぞ。こちらからこの携帯電話で

指示を出すからそれに従って行動しろ。妙な真似をしたら御前達の身体が吹き飛ぶ。

それからこの3人は人質だ。これで逃げようと思う方がおかしいがな」

そんな訳で、令次と弘樹は爆弾を取り付けられただけで無くチームメンバーまで人質に取られてしまい

見張られて行動する事になってしまったのであった。


ベストを着た上から更に黒いジャケットを着させられ、指示用の携帯電話を支給された2人は

まず自分達の車にそれぞれ乗る様にその場で女から指示を受ける。

「よーし、まずは2台で街中へと向かえ。そこから次は指示を出す」

インプレッサとRX−7が指示に従って街中へと向かい、オフィス街へと差し掛かる。

この辺りは文字通り色々なビルが立ち並び、夜だと言うのに人の流れもまだまだ多い。

『次は二手に分かれろ。青い車はそのまま更に街の中心部へ向かえ。赤い車は銀行へと向かえ』

銀行と聴いて大体何をするのかが予想が着いた弘樹だったが、今は指示に従うしか無いので

黙ってRX−7を走らせる。


銀行の前に弘樹が行くと、そこにはアストロバンが1台停まっている。

『そこに居る私の部下の指示に従え』

RX−7を停めてアストロバンに近づき、中から降りて来た女の部下に指示を仰ぐ。

「俺等と一緒に銀行強盗を手伝え。御前の爆弾が立派な脅迫材料になる」

そう言われて、その部下達と一緒に銀行強盗を手伝う羽目になってしまった弘樹。

夜の銀行は客も居ないし、残っているのは雑務をしている行員だけなので制圧は楽勝だった。

武器をちらつかせ、爆弾を見せて金を奪う。そして警察が来る前にさっさとトンズラすると

言う算段だ。


勿論弘樹はやりたくないのだが、指示に従わなければ爆弾で自分の身体

全てが吹っ飛んでしまう。

半泣きになりながらも強盗の片棒を担いでしまった事で、自分はこの瞬間

犯罪者の仲間入りをしてしまったのだと心が荒れ始めていた。

どうにかしてこの危険な状況から脱出しなければいけないと言う作戦を練りたいのだが、

今の心境ではそれすらも頭が働かない状況だったのである。



一方の令次はバーチャシティの中心街の一角にインプレッサを停車させ、とある人物を待っていた。

その人物と言うのは……。

「このバーチャシティの市長!?」

『そうだ。市長には私の部下が上手く話をつけ、御前の車で目的地に行って貰う様に

指示を出している。お忍びの視察らしいからな。だからその市長をこの倉庫まで拉致して

来るのだ。断るなら分かるな?』

「い、幾らなんでもそれは無茶苦茶じゃないか!」

『断れないぞ。やるんだ』


それだけ言い残して電話が切れ、令次はやらざるを得なくなった。

15分位待っている間に何とか爆弾を解除出来ないかと考えたが、どうしても極限の

緊張感の中では良い考えが浮かばなかった。

そうして待つ事15分位して、市長とその部下が令次のインプレッサに近づいて来た。

「お乗りください」

市長がリアシートに乗り込んだのを確認し、令次はインプレッサを走らせ始める。

『恐らく警察はすぐに気がつく筈だ。そこで何としても御前のドライビングテクニックで振り切れ』

「え……」

『振り切ったらここまで来るんだ、お手並み拝見と行こう』


インプレッサを走らせ始めて5分後位に警察が確かにインプレッサを追いかけて来る。

当然令次はアクセルを踏み込んで逃げる。

中心部の交通量が多い道路を首都高の要領と峠の要領を組み合わせて

逃げている訳だが、地の利は当然バーチャシティ警察にあるのだ。

機動力としてはインプレッサの方が断然有利ではあるので、このまま港を目指す事に。

……が、その途中で令次の目の前に見た事のあるパトカーが1台飛び出て来た!

「うおっ!?」

咄嗟にフルブレーキからドリフトに持ち込んでギリギリでそのパトカーをかわしたが、

そのパトカーも勿論令次のインプレッサを追いかけて来た。


「ば、バーチャコップか!! 助けてくれぇ!!」

市長がそう叫ぶのを聞いて、令次の脳裏にあのドラゴンの事件がよみがえる。

(確かあれって、俺等の前を走っていたカマロのパトカー……? となれば乗っているのは!!)

ますますまずい展開になって来たと令次は舌打ちをし、兎も角どうにかしなければいけないと

何か出来ることは無いかと思考を巡らせ始めた。

(考えろ、考えるんだ……ここからの打開策を!)


Speed Produceのストリートレースから始まる陰謀編 第3話へ

セガ&ナムコサイドに戻る