Master'sの巻き込まれ事件編 第2話


イベント会場でヨーロッパに関しての展示物や資料を見回っていた5人は

そろそろ30分位経過したのでコンベンションセンターから出る事にした。

「あー楽しかった」

「なかなか味のある物ばっかりだったな」

5人とも古代の文化を垣間見る事が出来て満足。そしてコンベンションセンターを

出てからは、再び何処かで港の様子が見られないかと思っていた。


すると街頭にテレビが設置されていて、そこでニュースが流れている。

「何か銃撃戦終わったみたいだけど、未だに立ち入り禁止みたいだな」

和人がテレビの画面を見上げながらそう呟いた。

「うっそ、それじゃあアリストもS14も無理じゃねーかよ」

「弱ったな……大会エントリーキャンセルするしか無いのかな?」

「それしか無いだろうな……」

せっかく高い金を払って再びバーチャシティまでやって来たのに、こんな結果に

なるなんて……と落胆の色を5人は隠せない。


「せめて車だけでも持って帰る事って出来ないのかな?」

「警察に言えば何とかなるんじゃね?」

「あーそうだな。だったらここから1番近い警察署を聞いてみよう」

日本から持って来た車が銃弾で蜂の巣になっていない事を願いながら、近くの

通行人から聞いた第2分署へと向かう事に。警察に言えば車だけでも

返してくれるであろう、と言う考えからであった。


……が、そうそう上手くは行かない様だった。

「え? 無理?」

「実況見分とかがあるからか……」

それでもやっぱり諦め切れない5人は港へと向かおうとして第2分署の入り口へ。

するとそこで2人の男とすれ違った。

「……あれ、今のって……」

「まさか以前のあのドラゴンの時の刑事さん達じゃないか?」

「間違いないな。あの格好は確かにそうだぜ」


今すれ違った2人の男は、以前5人がドラゴンのあの事件で大きな世話になった

バーチャコップとか言う刑事2人組だった。

「まぁ良いや、それより港だぜ」

「そうだな」

とにもかくにもあの2台の車が無いと自分達はどうする事も出来ないので再度港へと

向かう事にしたのだが、そんな5人の後ろ姿をバーチャコップの2人がちらちらと見ながら

気にしていた事には5人は気がついていなかった。


そんなバーチャコップ達の視線など知る由も無い5人が再び港へと

やって来たのだが、相変わらず警察の多さには舌を巻いていた。

「やっぱだめだ、近づく事すら出来そうに無いぜ」

「そっか……」

仕方ないから諦めて帰ろうとしたのだが、船着場のそばを通って見てみると

1隻の船が停泊しており、その中に自分達のアリストとS14があるのが確認出来た!

「あれ、おい、あれって……」

「俺のアリスト!」

「私のシルビアもあるわ!」


何ともご都合主義な展開ではあるが、丁度ハッチも空いているのでどうやら荷物や

車を下ろそうとした所で事件に巻き込まれてしまったらしい。

こりゃ良いやと5人はその2台の車に近づいたが、この後にまさかの光景が

5人を襲う事になる!!

ふと耳を済ませてみると、アリストとS14の間から何やら声の様な音が聞こえて来る……。

「え?」

「な、何の音?」


良く見てみると、アリストにもたれ掛かる様にして1人の若い女が倒れこんでいる。

「えっ……!?」

「お、おいあんた大丈夫か!?」

そして血の臭いもする。これはひょっとすると……と5人が思ったが、ひとまず今は

この女を病院まで運ぶのが先の様だ。

なのでまずは5人で力を合わせて女の止血をする事にした!!


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