Traitor and Escape第2話


「・・・・う・・・」

目を覚ました仁史は目に飛び込んで来たのが見知らぬ鉄製の天井だと言う事、自分のバッグが無くなっている事、

そして自分は身動きが取れない様に鎖で縛られてベッドに寝かされていた事が分かった。

(そうだ、俺、確かあの時・・・・)

尾行をして行ったまでは良かったのだが、うかつにも後ろから近づいて来ていたもう1つの気配に気がつく事が出来ずに

不意打ちで頭に1発貰って気絶してしまい、気が付けばこの有様だ。自分をここまで連れ去って来たのはあの人身売買組織に

間違い無さそうである。


(俺も売り飛ばされるのか・・・?)

ひとまずこの鎖をどうにかしたい所だったが、どうにもこうにも無理そうだ。

余計な事に首を突っ込むんじゃなかったと後悔していた仁史の居る部屋に、ドアを開けて1人の男が入って来た。

「はっ、探偵ごっこなんかするからこんな目に遭うんだ。日本人なら割と高く売れる。持ち物から調べさせてもらったよ。

わざわざ旅行に来て売られるはめになるとは、あんたもついてないね?」

飄々とした口調で語る、肩まで届きそうな茶髪の・・・見た感じは30代前半位のがたいの良い男が

仁史を見下ろしながらそう言った。


「・・・俺をどうするつもりだ」

VSSEのエージェントだろう、とは聞かない事にしておく。下手にVSSEとの繋がりを知られたら厄介だ。

だが、どうやらそれは無駄だった様だ。

「御前、谷本とか言う奴だろ。VSSEの本部にドラゴンが襲撃して来た時に情報がVSSE本部にもファイリングされているんだ。

悪いけどVSSEはもう終わってんだよ。そう言う訳で、少しばかりエサになって貰うとすっか」

男はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら声高に宣言した。


同時刻。何回か連絡をとっていた仁史からの返信が途絶えたため、発信源を追跡してみると彼が言っていた人身売買組織の

アジトの目星をつけた近くであった。

上層部からも正式に任務を受け、ジョルジョはエヴァン、ウェズリーはアランを伴ってアジトへと向かった。

途中の部屋に突入すると、仁史と見知らぬ男が揉めている現場だった。

「そこまでだ! ……んん?お前、確か……イグナシオ?」

「・・・ちっ!!」


不利を悟ったイグナシオはスモークグレネードを4人に投げつけ逃走。残された仁史はVSSEの4人に救出された。

「助かった。・・・・あいつ、俺の事を知っていたみたいだったけどやっぱりVSSEのエージェントの奴っぽいな」

あのドラゴンの時に知られていたのか・・・と仁史は個人情報の漏洩もはなはだしいと考えていた所でアランが回答する。

「う、わっ……! ……あー、悪い…」

やっと視界が晴れてきた部屋を見ると、もちろんイグナシオの姿は消えていた。

まずは仁史を解放したアランが口を開く。

「そういや。エヴァン、あいつは知り合いなのか?」

「あー、うん…確か俺と同期の奴だったはず。最近VSSE抜けるって話聞いて、それ以来連絡は取ってないけどな」

「それはそうとして、エヴァン。任務中に目の前に知り合いが現れても、手を止めるなよ。今回はそれで逃がしたんだ」

「わ、わかってるって……悪かったよ」

「あいつと御前等は味方同士か・・・・」

ジョルジョにたしなめられるエヴァンを見ながら、仁史はポツリと呟いた。


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