Soldiers Battle第9話


ラルソンとジアルの部隊は依然、中腹部でのバトルが続いていた。

その中でラルソンとジアルは、最初に襲撃して来た男達の服装に

見覚えがある事に気が付く。

(あれは確か、ジェバーと……)

そう、ジェバーと密会をしていた赤い上着の男の姿をしっかりと

目撃しているラルソンとジアル。


上着の色こそあの男とは違って様々だが、下は黒いズボンだと言う事は

あの赤い上着の男を倉庫から出て来た所で見かけたので、完全に一致する。

それにその時一緒に、襟の部分に白いラインが模様として入っているのも

見かける事が出来たのだが、この襲撃者達の上着の襟にも同じ形のラインが入っている。

だとしたら、この襲撃者達はあの男の仲間であると言う可能性が

100パーセントに近いと言う確信を持てる事になる。


また、自分達だけでは無くヴィンテスとパルスの情報も忘れてはならない事を思い出す。

彼等2人の情報によれば、城下の裏路地においてカルヴァル将軍が

この襲撃者達と同じ種類の上着を着た男と密会をしていたとの話だ。

そうなれば、カルヴァル将軍もジェバーもこの襲撃者達との繋がりがあると断言できる。

そうして何とか襲撃者達を全員殺し、一息つく事ができた所でラルソンがジアルに声をかける。

「ジアル……」

「ああ。はっきりと繋がったな。王宮騎士団とこの襲撃者達は俺達を間違いなく

結託して狙って来ていると見て良いだろう」

クールだが緊張感が存分に感じ取れるその発言に、ラルソンも同じく

緊張感が高まるのを肌で感じ取る事が出来た。


そして、それを裏付けるかの様に次の瞬間、カルヴァルとジェバーが

その姿を2人の前に現した。

「その通りだ」

今のジアルの推理を聞いていたのだろう。カルヴァルはもはや否定する事も

無くあっさりとその事実を認めた。

「やはり、貴方がこの襲撃を裏で指示していたんですね。将軍」


そのラルソンの発言に、カルヴァルはふっと鼻で笑う。

「当たりだ。俺もジェバーも絡んでいる。ここに呼び出したのも御前達を

一気に始末させて貰う為だ」

しかし、その言葉にラルソンは違和感を覚えた。

「何故俺達だけなんですか?」

「まずは邪魔者となる奴等を殺しておくのは基本中の基本だろう。

俺達が尾行に気が付いてないとでも思ったのか?」


そう、最初からこの2人はあの時の尾行に気が付いていたのだ。

「はははっ! 間抜けな人達ですね〜! 私達が尾行に気が付かない

振りをしているのに、その演技にすっかり騙されていたんですから。

それで兵士部隊の副隊長や隊長を名乗るとあれば、この国も簡単に落とせますねぇ〜!」

横に控えるジェバーも、高笑いをしながら2人を見据える。


更にジェバーは、この後に自分が集めた今迄の情報を分析して

推理した結果を逆にラルソンとジアルに話し始める。 

「それにですね〜っ、私達は貴方達が連日会議室や執務室に

行っている事にも気が付いていたんですよ? あれだけ連日

お偉いさん方の会議室が使用中になっているのを、王宮騎士団の

密偵が報告してくれましたのでねぇ?

そ・れ・も、普段立ち入り禁止になっていない筈の時間帯に連日連夜

立ち入り禁止の札がかけてある。

そうなれば、怪しまないと言う方が馬鹿なんですからねぇ〜!」


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