Secret Data Battle第9話
何か使えそうな物は無いかと思っている渡辺だが、周りを見渡してもそうそう運良く鉄パイプや剣等が落ちている筈も無い。
しかし、港にはクレーンの土台になっている太い鉄柱や大きなコンテナがあるし、ロープ等の小物が落ちている。
それ等を上手く使えればと思うのだが、なかなか引っかかってくれそうに無い。
だったらこっちも攻めるしか無いとばかりに、まずはキースの隙を突いて接近。日本刀の攻撃をギリギリで回避し、一気に懐へと潜り込む。
「っ!!」
そのままキースの右腕を素早く取って捻り上げて一旦キースの手から日本刀を落とす事に成功した渡辺だったが、
その日本刀を落とした事による油断が生じて右腕のロックが緩んだ所で一気にキースは反撃に出る。
「ふっ!」
腕を振り払って素早く渡辺の懐へと飛び込むキース。50歳ももうすぐなのにまだまだ素早さは失われていない。
キースもキースで膝蹴りをかまして来るが渡辺はそれをしっかりブロックし、逆にキースの膝を抱えてそのまま持ち上げ、
背中から地面へ叩き付ける。 そして押さえ込もうと思ったがキースは上手く転がって押さえ込みから逃れる。
しかし渡辺は立ち上がって来たキースに対して上手く合わせてミドルキック。その次にダッシュからのジャンピングニーを
繰り出すものの回避される。だがこれは渡辺も読んでいた事で、
そのままの勢いで後ろにあったクレーンの鉄柱に向かってジャンプし、足で鉄柱を蹴って逆方向に方向転換。
上に飛んで回るのでは無く、そのまま蹴って戻って来る三角飛びだ。
「ぐあ!」
ミドルキックをかわした直後のキースはギリギリで避けられずに胸にキックがヒット。
すぐに渡辺はキーシファイティングメソッドのガードしながら突っ込むスタイルでキースの首に肘を入れ、頭を掴んで背負い投げ。
・・・・が、上手くキースは背負い投げから回転して立ち上がり、反対に渡辺を首から投げる。
「うぐ!」
背中から叩きつけられた渡辺はキースにヘッドロックをかまされるも、自由な両手でキースの両足を両手で抱え上げて
脳天から地面に叩き落とす。
「がっは!!」
頭から落ちたキースは悶絶するも渡辺には関係無いので、キースの背中の上に乗って脇腹の下から両方とも手を差し込み、
そのまま背中を反らせてロックしようとした。