Secret Data Battle第3話
「はいはい、ストップ」
「半ば不本意だが、お前を進ませるわけにはいかない。犯罪者にしたくはないんでな」
愛用の銃を構えつつ、エヴァンとジョルジョがゆっくりと渡辺に近づいてくる。
「サーバールームにはVSSEのデータが山ほど入ってる。それを壊されたら立ち行かなくなるし、俺たちはお前をずっと
追わなければいけなくなる。それがわかっていて尚この先に向かうほど、お前は馬鹿ではないと思っているが?」
「そうそう。ていうか、あそこ以外でやりあってくれんなら俺らも止めないし、むしろあんたに加勢するんだけどなー?」
「御前等は待ち伏せだったか・・・」
予想は何処と無く出来ていたが、いざ銃口を向けられるとなるとまずい。しかしここで立ち止まる事は出来ない。
「すまないがな、こっちもサーバールームが第一でキースが第二の目標。俺はサーバールームだけでも良いんだ。
邪魔しないでくれます?」
最後だけ丁寧に頼んでみたがどいてくれる気は無さそうだ。それにプラスして言いたい事をここで言ってみる。
「落とし前は自分でつけるっていっておいて、あれから1週間位経って何も音沙汰無し。だったら自分でやるまでだ。
それだけの話だ。それに、俺だってキースって奴の顔を見ておきたい。御前達に追われる羽目になったって、
俺は逃げも隠れもしないからな。侮辱するような事をしたそっちが悪い。だから俺はここで引き下がらないからな」
その渡辺のセリフに、エヴァンはしどろもどろになりながらも反論。
「だからっ、それは俺たちのせいじゃないし、一週間もぼけーっとしてたわけじゃ…!」
「いい、エヴァン。…お前の覚悟はわかった。だが、このまま通しても一応俺たちの面子に関わるんでな」
そんなエヴァンをジョルジョは止めたのだが、渡辺のセリフはまだ続く。
「と言うか組織の内部が腐敗しているらしいから、一旦潰れた方が良いだろ、こんな所。こっちを侮辱するなら〜とか
言ってたけど、侮辱される様な組織に成り下がってるんだから言われたってしょうがないと思うけどな、俺は」
そのセリフにエヴァンは怒りを露わにし、ジョルジョは首を横に振る。
「てめぇ、言わせておけば!」
「言い返す言葉もない」
言い返す言葉は無い様だが、どいてくれる気もやっぱり無さそうなので渡辺は首を小さく振った。
「・・・・すまない、頼むぞ龍皇。びびらせてくれるだけで良い」
『分かりました』
ボソッと龍皇に小声で指示を出した次の瞬間、渡辺の背後の窓の外にある中庭に金色のドラゴンがドスンと着地した。
その光景に気を取られたジョルジョとエヴァンに一気に近付いた渡辺は、まずジョルジョの足を取ってジャイアントスイング。
そのジョルジョをエヴァンにぶち当て、エヴァンが怯む一方でジョルジョを投げ飛ばす。
次に怯んだエヴァンに対してジョルジョの手から落ちたハンドガンを撃つ・・・のでは無く投げつけ、更に怯ませた所で
全身全霊のダッシュからの飛び膝蹴りでノックアウト。
一方で立ち上がって来たジョルジョはなかなか手ごわい。格闘戦に関しては明らかにルークとマークとエヴァンより上だ。
だったら・・と渡辺はジョルジョの髪の毛を掴んで思いっ切り頭を下に押しつつ飛び膝蹴りをジョルジョの顔面にぶち当てる。
こうなれば何でもありだ。
その膝蹴りで頭部にダメージを負ったジョルジョを下から掬い上げて背中から地面に叩きつけ、起き上がる前にジョルジョの
手を掴んで手首の関節を外し、最後に顔面を思いっ切り踏みつけて気絶させ、ステージ2のボスも撃破した渡辺は
サーバールームに向かう為にエレベーターへと龍皇のナビゲート通りに向かった。