Secret Data Battle第1話
主人公と協力者
(年齢は2007年8月のもの) 3010歳。ヘルヴァナールの伝説のドラゴン7匹の更に上の存在である、8匹目の幻のドラゴン。 大昔に地中で冬眠に入っていた。金色のドラゴンで、人間の姿は女。素手の格闘戦を習得しているが 心優しい性格であり、基本的に争い事は好まない。已む無く戦う時は他の7匹のドラゴン全ての 属性を持つ魔導の力で戦う。口調も柔らかそうな敬語で喋る。 |
VSSE
2016年3月のその日、VSSEの関係者だけが入る事の出来るチャットルームに、渡辺はあのバーチャシティで
知り合いになったVSSEエージェントを呼び出していた。
それは渡辺にとってとても大事な話だったので、こうして呼び出す事にしたのであったが。
そして、チャットルームで発言者の名前付きのセリフが展開されて行く。
渡辺「これは何なんだ。VSSEはハレンチの集まりなのか。協力してもらったのは嬉しいが、複雑な感情だよ」
そう言いながら、渡辺は数日前にメールでいきなり送信されて来た動画とメールの本文をキャプチャしてファイル送信する。
それには、多くの男女のエッチシーンの動画と画像が収められているファイルの画面が映し出されていた。
そう、そのメールの内容はそれぞれのVSSEエージェントに向けて丁寧にファイル分けされて送られた
大量の18禁の男女の営みに関する動画や画像ファイルだった。
アラン「ちょっ、こ、これ、どっから」
渡辺「・・・これが本当かどうか、それを答えたら教える」
ウェズリー「…………本当だ。否定はしない」
アラン「ウェズリーっ!?」
渡辺「・・・・・・つまり、御前達はその・・・・こう言うのが好みなのか?」
ウェズリー「ここで嘘を言ってごまかしてもな…」
そのウェズリーの発言を見た渡辺は、ディスプレイの前で溜め息を吐きつつチャットを続ける。
渡辺「一緒だと思うが・・・それで、これが何処から俺の手に渡ったのか聞きたいか?」
ジョルジョ「そうだな…一応、情報漏洩になるだろうからな」
渡辺「・・・・御前達と別れた後に日本に帰ってから数日後、俺のパソコンに奇妙なメールが届いていた。
本文は英語で「これを見ろ」とだけ書かれていて、メールを開けばそのまま再生される仕組みだった。
消去する前に開いたらこの動画の数々だ。差出人は確か「Mr.K」だったな。それ以外の事は何も本当に知らないぞ。
それに・・・・1番多い動画がルークの奴なんだが?」
ルーク「ちっ、ちげえからな!」
目を泳がせながらよそよそしく文章だけで事実だけを述べた渡辺だったが、ここでウェズリーから気になる名前が。
ウェズリー「Mr.Kって…まさかキース…?」
渡辺「キース? その名前ならミスターKで合ってると思うが、俺は知らない。しっかし、まさかこんなメールが
VSSEの中でやり取りされているとは・・・・VSSEの未来も知れたもんだ」
溜め息を吐きながら更にチャットを続ける 渡辺だったが、ここでマークとジョルジョが文章で噛み付いて来た。
マーク「…聞き捨てならないな。それは馬鹿にしていると捉えていいんだろう」
ルーク「ちょちょちょ、待てって馬鹿!」
ジョルジョ「悪いが、それ以上こっちを侮辱するようなら、黙って聞いて流すわけにはいかなくなるが。
こちらの不始末はこちらでつけるしお前にこれ以上不用意に踏み込んで欲しくない」
だけどそんなマークとジョルジョのチャットの文字にも、冷静な文体で渡辺は引き下がらない。
渡辺「その前に、この動画を部外者の俺に送り付けてきた疑いのあるそのキースとやらをどうにかしてくれ。
そいつもVSSEの奴なのか? だったらこんなものを送りつけてくるVSSEの方がどうかしてる。
侮辱されるような事をしているんだから当たり前だろう。それとマーク、ジョルジョ。やるのならやるぞ。
俺はあの時には捕まってしまったが、それなりの武術の心得があるからな」
エヴァン「いや、送ってきたのはキースが勝手にやったことだから俺たちの総意じゃないし…つか、俺たちも迷惑被ってんだからな!?」
ウェズリー「そうだな、こちらでなんとかする。そのデータは今、この目の前で消去してみせてくれ。消したという確たる証拠が欲しい」
これ以上不毛なやり取りをしていても意味が無いと悟った渡辺は、ここらで会話を終わらせる事に。
その前に動画と画像フォルダとメールそのものを消去したキャプチャ画像を、このチャットでVSSEのメンバーに送ってみせる。
渡辺「・・これで良いんだろう。後そのキースって奴に言っておいてくれ。「死ね、クソ野郎!!」ってな」
ジョルジョ「ああ…ようく言っておく」
アラン「つうか、俺たちも正直」
ルーク「思ってるし、なあ」
ウェズリー「今回はすまなかったな」
そしてVSSEのエージェント達がチャットルームを去った後に、渡辺は一言だけ呟いてから自分も退室した。
渡辺「こんな動画送りつけて来る奴等のサーバールームだけはぶち壊すからな」
そんなチャットを終えた渡辺は、1週間経っても何もVSSEから音沙汰が無いので本気でVSSEの本部に乗り込む為に
以前和美や永治から聞いていた伝説のドラゴン達を呼び寄せて貰ったのだが・・・・7匹のドラゴンが横浜の本牧埠頭に
真夜中に集結した時にそれは起こった。
いきなり空が眩く光ったかと思うと、その中から金色に輝くドラゴンが姿を現わした。
そのドラゴンはリーダーのイークヴェス曰く、7匹のドラゴンより更に上の存在として知られている幻のヘルヴァナールの
8匹目のドラゴン・・・ドラゴン達の神様的存在の「龍皇」ことファーレアルと言うドラゴンとの事だった。
「・・最初に和美や永治から聞いた時は信じられ無かったが・・・・まさか異世界が存在していたなんて。
でも、このドラゴン達がこうして居るなら納得か」
案外状況の飲み込みが早く、腕を組んで見つめる渡辺の目には金色のメスドラゴンの姿が映し出される。
『余も、このドラゴンに出会えるとは思わなかった。龍皇の名前を冠するドラゴンに・・・・』
異世界のドラゴン達のリーダーであるイークヴェスも、信じられないと言う表情をしている。
何故メスドラゴンと言うのが分かったのかと言うと、声その物が明らかに女の声だったからである。
それにファーレアルは、自分の年齢は3018歳だと自分から教えてくれた。
7匹のドラゴンの魔力に反応して、ヘルヴァナールの地中で眠っていたファーレアルが呼び起こされて
この地球にトリップして来てしまったそうである。そして渡辺の申し出に、意外にも快くファーレアルは応じてくれた。
『それでは、このVSSEと言う組織の本部に行けば良いのですね?』
「ああ、頼んだよ」
心優しい性格の龍皇ファーレアルと、1990年の23歳から49歳になる今年まで知り合いのスペイン人プロドライバーに
26年間習って来たキーシファイティングメソッドを信じて渡辺は日本から飛び立った。