Run to the Virtua City with VSSE Agents Story第3話
よろしく、とレイジたちと挨拶を交わす若手のエージェントたち。
「まだまだ荒削りだが、将来が楽しみな奴等だ。余裕があるならフォローしてやってくれ」
常なら自分たちがフォローできるが、このように別れて行動する場面も必ず出てくる。
その時に何もできないようなエージェントにはなってほしくない。だが、時には助けも必要になるだろう。
続けてレイジの長年の相棒のスマーティも、これからの世代を担う若手ににこやかでさわやかな笑みで挨拶。
「スマート」がベースのニックネーム通りの笑顔は今でも色気が衰えない。
「前にも会った事があるが・・改めて、レイジと同じく第2分署特捜課所蔵の刑事、スマーティことジミー・クールスだ。
期待してるよルーク、マーク」
「硬い挨拶はなしでいいよな?名前知ってるし…ぁいてっ」
面倒くさがりが発動し、挨拶を端折ろうとするルークの頭をマークがはたく。
「……改めて。国際特殊諜報機関VSSEのマーク・ゴダートだ。こっちはルーク・オニール」
ルークの咎めるような視線を何事もなかったように流し、スマーティの笑顔につられるように微笑を浮かべ、挨拶を交わす。
「な、なにも頭はたくこたぁねえだろうがよ…馬鹿になったらどうしてくれんだ」
「これ以上馬鹿にはならないと思うから安心しろ」
「へえ、つまり俺が馬鹿だって言いたいのかよ」
「なんでそうなる。 …まあ、そういうことだ。よろしく頼む」
喧嘩とも呼べないような応酬を一方的に切り上げ、レイジとスマーティに向き直る。
「ああ、頼むぞ。ちなみに言うと、弘樹がテコンドーの使い手で、陽介がフリーランニング(パルクール)の使い手で
近接格闘術も習得済みだ。まずは2人を何としてでも探し出す!! そしてアジトの場所を知っているなら聞き出すんだ。
若手2人とウェズリーとミス・キャサリン、それからアランにジョルジョ、エヴァン、すまないが今回も協力してくれるか?」
スマーティがさわやかな口調でVSSEメンバーに問い掛けた。
「言われなくても!」
アランが二つ返事で了承する。
「任務だからな…というのは、半分建前だ。なんだかんだで知り合いのようになってきているな、俺たちは」
ジョルジョも全員の顔を見合わせ、頷く。なんだかんだで、何回か共同作戦を展開してきているのだから。
そう答えたVSSEメンバーに、スマーティは笑みを更に深めた。
「こちらはジャネットにサポートしてもらう。それじゃあ探しに行こう。エヴァンもいいな!!」
「おうっ!捜すのは任せとけよ!」
人を見つけるのは、前職である海難救助隊で慣れている。そう自負しているエヴァンが自信満々に応える。
「ジャネット・マーシャルよ。貴方達のサポートは任せてね」
オペレーターのジャネットも最大限の協力を約束する。
こうしてまた、この街の刑事と国際特殊諜報機関VSSEのエージェントメンバーによる合同ミッションが
幕を開ける事になるのであった・・・・。
「あーあ、今度はオッサンと二人きりでピクニックかー。まったく、せめてもうちょっと華が欲しいぜ」
山道を歩きながら、エヴァンがぼやく。
以前のテラーバイト事件の時はラッシュ大尉も一緒だったが、今回はジョルジョしかいない。
「あら、私じゃ不満ってことかしら」
通信機を通した音声が、咎めるような声色を持ってエヴァンに聞こえる。
「ち、違うってば!どうせなら一緒に来てほしいとか、そういう意味だぜ?」
「機嫌を損ねないでくれキャサリン。お前のサポートがなければ、俺たちが立ち行かないからな…」
失言の激しいエヴァンをフォローするように、ジョルジョも口を挟む。
「まあ、そうよね。話を戻すわよ。そこのトンネルは長い間放置されていたから、電気が通っていないのよ。
フラッシュライトを使って進んで」
キャサリンがそう言うや否や、前方に放置された廃車の陰から兵士が銃を構えてきた。
的確に頭や腕を狙い、行動不能にさせていく。
兵士を片付けながら、エヴァンは口を開いた。
「……うっわ、カビくさ。このさぁ…放置されたコンクリート独特の…なんつうの?俺苦手」
ジョルジョも同じく、自分の前方に姿を現した兵士を撃ちながら、エヴァンの話に合わせる。
「…まあ、あまり気持ちがいいとは思えんな」
二人の任務中の雑談の応酬を諌めるようにキャサリンの注意が飛ぶが、その頃には第一陣の兵士は全て片付いていた。
「口より手を動かして! …って、もう動かしてるわね。先鋒を片付けたところで後続が来るわよ。
前方に7人、その後方に4人ね」
キャサリンの的確なナビゲーションにより、二人は着実に障害を排除し、奥へと進んでいった。
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