Run to the Virtua City with VSSE Agents Story第２話

「……はは。きついお灸を饐えてくれ。脱退は…そうだな。ここにいるメンバーは、一応考えてはいる」

「後は黒髪の伝説のエージェントも居た筈だが・・・？　後はハックリーとネイトのコンビ、それから噂で聞いた限りの

男と女コンビのエージェントが今力をつけてきていると聞いた」

レイジが確かめる様にウェズリーに聞くが、当のウェズリーは更に苦笑いをした。

「ああ…リチャードは…そうだな。筆頭だろう。あの人は昔からいるし…今のVSSEに一番不満を持っているんじゃないか？」

「後半の二組は、俺たちもあんまり知らないんだよな。あまり関わったことがないし」

アランが割り込むように口を挟む。

「まあ、恐らく疑問を持ってくれているのだろうとは思う。　……さて、今回のミッションなんだが」

ウェズリーに話を変えられたレイジも話を変えて、ジャネットに頼んで特捜課の大きなモニターに情報を出して貰う。

「ああ、このバーチャシティでまたあの13 Devils with Speed Produceの奴と、

もう１人・・・チームZodiac with Be Legendのメンバーが巻き込まれているらしい。それだったらこちらも話は聞いている。

何でも、このバーチャシティの何処かにアメリカ中の都市を爆撃出来る位のミサイルを大量に製造している施設が出来て、

それを知ったあいつ等が今その情報を持って逃げているそうだ。かなりすばしっこい２人だと言うから、捕まえるのは容易では無さそうだ」

「ミサイル施設、か……というかトラブルメーカーかなにかか、あいつらは？」

こめかみを揉んでやれやれと首を振るウェズリーに、レイジも浮かない顔で話を続ける。

「２人は・・・確か沢田弘樹と橘陽介か。フォーミュラＤと言うドリフトのシリーズ戦で、バーチャシティでも

市街地をコースにして行われるんだが・・・それに出場するって挨拶に来たんだ。で、その途中で巻き込まれたのかも。

とにかく２人が行きそうな場所をピックアップしておいた。俺達にも捜査要請が出ているが、ＶＳＳＥもこの事件を

追っているんだったら協力してくれ」

今もやっぱり素早く見るなら紙の資料、と言う事で、ＶＳＳＥのエージェント達にレイジは資料を配った。

「レーサーの宿命なのか…」

先ほどに続いて眉間に皺を寄せて資料を見るウェズリーであった。

「あ、これって」

何かを思い至ったアランが口を開く。

「ちょうどと言うべきかどうなのか、俺たちも同じ事件を追っている。この主犯格をな」

ジョルジョが資料に写っている首領らしき男の写真を見ながら呟いた。

そんなＶＳＳＥエージェント達の反応を見て、レイジが１つの質問をＶＳＳＥのエージェント達にする。

「・・・レーサーでは無い様だが・・主犯格は色々な所で問題を起こしているテロリストか。厄介そうだな。

行きそうな場所は港、山の中のトンネル、それから人を隠すなら人の中で市街地ゾーンだ。

まずは何処に行く？　それから女のエージェントは１人だけか？」

「ああ、私は後方支援担当なのよ。ヘリから彼らをサポートするわ。キャサリン・リッチよ、よろしくね」

今まで後方にいて、資料を見ながらいろいろ考えていたためあまり口を挟まなかったキャサリンが挨拶をする。

「そうだな…ちょうどと言うべきかこちらもあと２チームいる。俺とアランは港…ジョルジョたちにはトンネル。

ルークたちには市街地へ行ってもらう」

ウェズリーが、資料を見ながら割り振りを考える。

「分かった。俺とスマーティは市街地から回る。ルークとマークだったな、確か若手のホープか。よろしくな」

若手エージェントコンビとキャサリンの方を向き、改めてレイジは挨拶をした。