Run to the Virtua City with VSSE Agents Story第12話
「!!」
先頭を走るスマーティの目には、組織の頭目らしき男性が民間人にサブマシンガンを向けているのが見えた。
距離は少し遠いが撃てるだろうか。いや、撃ってみせる。
迷いを捨て、ガーディアンのスタン弾を男に撃ち込む。続けざまに2発。
銃声に気づいた後続のエージェントたちも銃を構え、まずは安全を優先させるべくサブマシンガンとサーベルに撃ち込んだ。
その隙に、ウェズリー、ジョルジョ、マークは弘樹たちの保護に向かう。
「大丈夫か?」
「こっちの男は顔を負傷してるが…生きてはいるな」
「この人も大丈夫…、だが。増援が来たようだ」
マークが周囲を見渡すと、兵士たちが数多く湧いて出た。
「お、御前等!?」
「すまない、助かった!!」
寸での所で助けられた2人はバーチャコップとVSSEに加勢する為にその体術を遺憾無く発揮する。
しかし、そんな2人の前に軍刀を拾い直したボスの男が立ちふさがった。
「逃がしませんよ。貴方達だけでも殺します」
「俺達をこんな事に巻き込みやがって!!」
「そうだよ。それに御前なんかへなちょこだぜ!!」
弘樹と陽介は、救出に飛び込んで来たバーチャコップとVSSEが男の部下たちと戦う一方で、離れた場所で
男を相手にしなければならなくなった。どうやらまだまだ増援が残っていた様で、助けは期待出来ない。
「っすりゃあ!!」
「ぐっう!!」
2vs1と言う人数差を利用して、弘樹が男を羽交い絞めにして陽介が男目掛けてドロップキック。
その次に振るわれる軍刀を陽介はアクロバティックに前方回転ジャンプで回避し、着地と同時に下段回し蹴りへと繋げる。
「くわっ!!」
軍刀をこちらはギリギリで避けた弘樹は、避け様に男に向かって回し蹴りを繰り出すが上手く回避されて軍刀を突き出される。
しかしそれは脳天から突き刺さるので受け身がとれず非常に危険なプロレス技である陽介のリバースフランケンシュタイナーによって
阻止され、男はもだえ苦しむ。
「ぐお・・・」
「らあああああああ!!」
弘樹はそんな男の両足を持ってジャイアントスイングをかまし、ブン投げた男に向かって陽介がダッシュして男が
起き上がる前に前方2回転ジャンプから盛大に膝を男に落とした。しかし男もなかなかしぶとい様だ。
「あーもうっ、きりがねえ!」
物陰に隠れつつ、手馴れたスピードリロードをしながらルークがぼやく。
「ぼやくのはいいが。目の前に集中しろよ」
相棒のマークもルークを補佐するため、ルークの背中側に位置している。
「へいへい、わかってますよーっと…向こう側はどんな様子かねえ」
身を乗り出して陽介たちの様子を伺い見ると、武器を持たないながらも上手く立ち回っているようだった。
「おーおー、派手にやってるねえ…いっちょルークさんが助けてやりますかっと」
傍の倒れた兵士が持っていたスナイパーライフルを引き寄せ、スコープを覗き込む。
ボスらしき男の足元に数発撃ち込む、と、それに驚いたのか、陽介たちの手が止まった。
「うおっと!?」
「うわ!?」
いきなり足元に突き刺さった銃弾。それを撃って来たのはどうやら敵では無くVSSEのルークの様だった。
それを見た弘樹はルークに怒鳴る。
「おいてめぇ何やってんだよ!! 今止めを刺そうとしてた所だったんだぞ!!」
その言葉を身体で表すかの様に、寸でで2人による拘束から逃れた男が陽介とバチバチ殴りあう。
陽介に加勢をしようとした弘樹だったが、何と男は陽介を持ち上げて弘樹にお返しのジャイアントスイング。
弘樹は陽介をぶつけられて一緒にぶっ飛んだ。
「ぐおあぁ!!」
その隙に男は部屋の奥へと走る。バーチャコップとVSSEも追いかけようとしたが、生き残りの部下に阻まれて無理そうだ。
だがこの直後、男が壁に設置されていたレバーを下ろした途端に違った意味での異変が起こる事になる。
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