Rescue request of a dragon第29話


「俺等は特に何もしていない」

「そ、そーだよ。俺等は別に犯罪なんてした覚えは無いぜ?」

「確かにさぁ、不法入国はそっちがしちゃったけどその国で犯罪はしてないわよ」

「俺等だって急に駆り出されたんだから大変なんだぜ」

「そうそう、さっさとやるべき事を済ませて日本へ帰る」

「だから俺等をさっさとここから出してくれよ。俺等だって無駄な争いは御免だぜ」

「あんた等VSSEが何したいのかは知らないけど、俺等は俺等で使命がある」

「これで良いだろう。もう満足だろう? 俺達は帰らせて貰う」


「何だと? 俺等にとってはそうはさせてたまるかってんだ」

その8人のセリフにいち早く反応したのがアラン・ダナウェイだった。そこにアランと

同じく直情的な性格のエヴァン・ベルナールも続く。

「アランの言う通りだぜ。このままてめぇら全員をここから出す訳にはVSSEとしてはいかないんでね」

そのエヴァンのセリフに、同時に切れて立ち上がったのがそれぞれのチームリーダーの和美と孝司だった。

「へぇ〜、ああそう、は、はははっ、ああー、そうなんだぁ〜!! だったらこっちだって

言わせて貰うけど、さっき孝司も言ってたけど私達があなた達に対して何か危害を

加えたかしら? 私達はただドラゴンの命令に従って動いているだけよ。それにね、

私達だって揉め事をやっぱり起こしたく無いのよね!」


和美の長台詞に続いて孝司も身の丈をVSSEと首都高の走り屋達にぶつける。

「そうそう、和美の言う通りだぜ。さっきも聞いたし今和美も言ってたけど、俺達が

VSSEに対して何かしたのかよ? 確かにこのドラゴン達がVSSEと一悶着

起こした事は聞いてるけどさ、それだってあんた等があのヨーロッパの5人と

揉めたからだって聞いてるぜ? しかもだよ、揉め事を起こさないで出て行こうと

したのに結局こんな事になった発端はそっちだって聞いてるんだけど。んで、

単刀直入に聞くぜ。そっちの目的は一体何なんだ!」

孝司がそう熱く語り終えると、それを聞いていたジョルジョとウェズリーが答える。


「俺達も揉め事は起こしたく無いんだが。ただ単に俺達はそのドラゴンに興味が

あるから調べさせて欲しいと言っているだけなんだ」

「こんな未確認生物を目の前にして、このまま飛び去られたら何処かで問題を

起こさないとも言い切れないのもあるがな」

「だからだろ、だからそうして飛び立とうとするのを阻止した結果がこんな事に

なってんだろうがよ、おお!? 違うのかよ!?」

淡々と話す2人についに怒りのボルテージがマックスに達した孝司は物凄い切れ方である。

「はいはい、そこまでだ」

「おら、じっとしてろ」


宮島と星沢が孝司を地面へと引きずり倒して押さえつける。しかしそれでも孝司が力強く

抵抗するので、そこにスティーブと仁史が加わっても孝司を取り押さえるのに一苦労だ。

そんな光景を見ていた真治は彼に向けて、クロードから支給されたシグ・ザウエルのP226を

ジャケットの下につけていたショルダーホルスターから引き抜いて突きつける。

「……黙れよ」

蛇でさえも視線で殺せてしまいそうな程の真治の殺気と眼力に、孝司は思わず大人しくなった。


「これで良し」

真治はそう呟きつつハンドガンをホルスターにしまい、和美の方に向き直る。

「あんたはまだ何かあるか?」

真治に会話を振られた和美は、ため息を吐き出しながらVSSEの方では無くもう1つの

チームリーダーである孝司の方を再度向いた。

「私からはこの10人を代表して要求があるけど、先に孝司があなたに聞きたい事があるんですって」

「俺?」


和美の視線の先に居たのは、赤毛のドリフトマイスター谷本仁史だった。

「ええ。どうしてもあなたに聞きたい事があるんだって。孝司、聞いてみたら?」

「そうだな。だったら俺から……いや、俺達5人から1つあんたに聞きたい事があるんだよ。

あの時、あんたがインカムで連絡を取り合っていたヘリコプターの部隊は一体何なんだ?

どう見ても素人には思えない装備と統率の良さ。あれは何処かの特殊部隊だろ?

あいつ等は何なのか、そして何であんたがあの部隊を指揮していたのか。それだけを

どうしても俺等は知りたいんだよ!」

そう言われた仁史はリチャードの方に顔を向けるが、リチャードは首を縦に振るだけだった。


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