Rescue request of a dragon第11話


そのアドバイスは最初に自分の探偵事務所の電話に今回のVSSE襲撃事件の事を

電話して来たキースからの物であり、大勢相手に多勢に無勢なので何人かバックアップ要員を

用意しておいた方が良いと言われていた西山は事前に話を他の4人につけておいた。

それに加えて葉山と西山があの卵を見つけたのは本当に偶然だったのだが、それをキースと

ロバートに報告した所でこれもまた偶然の出来事で寄せ集めサーティンデビルズの5人が

あの倉庫に現れたのであった。


一旦あの場は撤収すると見せかけてスカイラインから西山だけが降り、その5人を尾行しながら

キースとロバートに連絡を取り続け、東京での待ち合わせに変更して貰ったのであった。

「車、あそこに置いておいて大丈夫かな?」

「大丈夫だろうよ」

倉庫の中にマークKとスカイラインを放置して来たのだが、この判断が逆にピンチを迎えてしまう事に。

そのまま品川埠頭の倉庫から海の上に差し掛かった瞬間、眠っていた筈の博人が

目を覚まして一気に両側に居る中村と宮島にエルボーをかます。


「ぐお!?」

「あが!」

次の瞬間、何と大塚も洋子も岩村も栗山も起き上がったかと思うとそれぞれが一斉に

襲い掛かって来た。5人は全員クロロホルムが効いて寝た振りをしていただけだったのだ。

洋子はまず中村の頭をガラスにガンガンと叩きつけてヘリのガラスを破壊してドアを開ける。

大塚と岩村はそれぞれ操縦しているキースとロバートに飛び掛かり、ヘリの挙動を乱す。


栗山は狭い機内のスペースを逆に利用して、まだ状況を飲み込めない葉山と西山を

2人相手にする。

最後に博人は星沢を蹴りつけて宮島に当て、そこから頭突きを宮島の胸に入れてぶっ飛ばす。

「行けるわ!!」

洋子が声を上げたと同時にまずは彼女がトップで飛び降り、次に大塚、それから岩村、栗山、

最後に博人が暗い冬の夜の海へと消えて行った。


「なっ……何て奴等だ……」

ヘリの体勢を立て直したロバートは唖然としながらも、ヘリのライトの輪で5人が飛び込んだ

辺りを照らす。しかし夜と言う事もありなかなか姿を捉える事が出来ない。

「お、おい……まさか……」

宮島が下を覗き込みながら嫌な予感を感じていた。

「くっ……仕方無い、このまま旋回していたら目立つ。一旦退くぞ」

キースの指示でそこは諦め、VSSEのヘリは夜空へ飛んで行った。


「ぶはぁ!!」

「うはっ!」

「あーあ、スマホがおじゃんだぜ」

「そんな事より、さみぃよ……さっさと着替えようぜ」

「そうだな……この時期にインフルエンザなんて貰いたくねー」

冬の海から埠頭へと上がった5人は、まずはあの自分達がさっきまで居た倉庫へと戻ってみる。

するとそこには予想通りR32スカイラインとJZX90マークKが放置されていた。

「良し、キーはついてる!」

博人と洋子と大塚でスカイラインに、栗山と岩村でマークKに乗ってまずはそれぞれが

着替えを取りに1番ここから近い洋子の店へと向かう事になった。


そうして洋子の店へと辿り着いた5人は、更衣室で予備の制服を借りる。

「1回袖通すだけだから洗濯とか別に良いわ。それよりも近くにコインランドリーがあるから、

そこでみんなの服を乾かして来るわ。シャワーならその裏にあるから順番に使ってね」

「俺も一緒に行くよ」

洋子と栗山が全員分の服を持ってコインランドリーへと向かい、服を乾かしている間に残りの3人で作戦会議。

「まずい事になったな。やっぱり日本はもうやばいぜ」

「ああ。他のメンバー達にもVSSEのエージェントが出会う可能性も否定できないな。だがそれより……

俺達は例の合流ポイントへと向かった方が良いんじゃないのか?」

「そうだな。その方が良いだろう。さっさとチケットを取って向かおうぜ」

残りの3人が先に、そして戻って来た洋子と大塚もシャワーを浴びて会議の内容を話し、5人は自分達の服に

着替えて再びマークKとスカイラインへと乗り込んで羽田空港へと向かった。


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