Resistance to the False Accusation第13話


更に続きを読んで行くと、麻薬に関する新たな事実が。

「民にも……!?」

どうやら麻薬が流通していたのは騎士団員だけでは無かったらしい。

王国警備隊、更には何と王国の民にまでその麻薬は騎士団員と

ブローカーによって取り引きされていたらしい。

これも王都を避けて辺境の村や町に流通させていたと言う巧妙さだ。

「俺達王国警備隊にも……」

「駄目だ、完全に腐ってやがる」

クレガーもヴェンラトースも、余りの被害の大きさにがっくりとうな垂れる。


そして最後には、何故あの少ない不良品だけからこれだけの麻薬を流通

させられる様になったかと言う事であったが、どうやらここの麻薬工場が

本拠地である事には間違いが無いらしい。しかしあくまで氷山の一角である。

それと、ガラムの卸していた薬草は比較的簡単に栽培が可能な物である為に、

原材料となる薬草を栽培出来る場所が、ヴィーンラディの領地は自然が多いから

その自然を薬草畑にする事で栽培場所を確保し、その結果としてより多くの

麻薬を生み出す事が出来るのであった。プラス、各地にここと同じく麻薬の

精製工場を作ってそこで麻薬を生み出す事で、ガラムの卸す不良品から始まった

麻薬の精製がますますエスカレートして行ったのである。


「何て事だ……」

「これじゃあ、ここを潰してもいたちごっこじゃないか!!」

ガラムとシェオルはここだけを潰しても意味が無い事を嘆くが、まだ手紙には続きがある。

「ま、待て。まだそう決め付けるのは早いみたいだ」

クレガーがそう言って続きを読んで行くと、レラヴィンはもうすでに動き出しているらしい。

まずはこの麻薬事件に関わっている騎士団員と警備隊員の洗い出し。それから前述の

部隊長達から吐き出させた流通ルートの確認と摘発に、信頼出来る王都の騎士団員達から

調査部隊を大量に編成させて各地に送り込んでいる事。後は麻薬精製工場の破壊と

薬草畑の確認もして貰う上に、民にまで麻薬が流通しているとなればその民への影響を

今からでも最小限に食い止める為に徹底して各地の町や村……勿論どんな辺境の場所までも

しらみ潰しに隅々まで調べ上げるのを進めているとの事で手紙は終わっていた。

「流石宰相、手が早いですね」

「と言う事は、そちらの心配は余りしなくても良さそうだ。俺達はここを潰す事に専念するぞ」

今自分達がやる事は、この麻薬工場の本拠地を潰す事だと言う事を肝に銘じて

6人はここにやって来るであろう主犯の到着を待った。


そうして待つ事約2時間。

「来たね……」

ピエールがそう呟き、森の方からやって来る黒幕の奴等を見据えた。

「何だ、御前達は?」

6人組の先頭でやって来た金髪の男がクレガー達の存在に気が付き、

声を上げて問いかける。


それにクレガーは少し格好付けながら、こう男に向かって返した。

「俺達か? 御前等みたいな奴等を王国から排除する為に結成されたチームさ!!」

そのクレガーの言葉をきっかけに、ラストバトルが始まるのであった。

2人の男は逃げるのでそれぞれピエールとジェラルドが追いかけ、更に傍にある林に

逃げ込んだシェオルを1人の男が追う。

そしてガラムとヴェンラトースとクレガーの3人は、それぞれ距離を取って

巻き込まれない様にしながら残った3人とバトルを繰り広げるのであった。


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