Reconstruction of the kingdom第4話


すでに武勲を幾つか上げていた彼が次期副騎士団長になるのでは

無いかと噂されていた25歳の時、東の隣国であるバーレン皇国との

国境付近で大規模な魔物の軍勢が姿を現したとの事であった。

勿論王宮騎士団とその配下である兵士部隊員達がそこへと

向かったのであったが、流石に大規模であると言う報告を受けていた

だけあって結構な苦戦を強いられていた。


その魔物達のリーダー格は何と大きな灰色のワイバーン。

この色のワイバーンの属性は風であり、通常のワイバーンと比べて

移動のスピードが速いばかりで無くその翼を使って起こされる突風も

他の色のワイバーンと違って強力な物とされていた。事実、重厚な

鎧に身を包んだ騎士団員や兵士達も突風によって吹き飛ばされるまでは

至らなかったが、それでもなかなか移動に制限がかかってしまうだけあって

その間に他の魔物が襲い掛かって来ると言う連係プレイで王宮騎士団員達と

兵士達を苦しめていた。


そんな中でカルヴァルも勿論苦戦していたのだが、何とか周囲の魔物を

ロングソードを使って切り殺して行く。当時からカルヴァルはロングソードだけでは

無く他の武器も得意としており、彼は背中に背負った弓を取り出してワイバーンの

猛攻が止んだ所でそのワイバーンの顔を狙って矢を放つ。

すると何と、本人が1番びっくりしていたのだがその矢は上手くワイバーンの片目に命中した。

凄まじい絶叫を上げてのた打ち回るワイバーンに猛攻撃が集中する。


当のカルヴァルは今度は弓をしまって、近くに居た兵士部隊員から借りた長斧を持って

ワイバーンへと向かって駆け出し、そのまま上手く狙いを定めて長斧を未だに痛みで

地面でのた打ち回るワイバーンの首から頭へと縦にジャンプして勢いをつけて振り下ろす。

その叩きつけられた斧はワイバーンの頭をざっくりと割り、鮮血が噴出してきたので素早く斧を

引き抜いて今度は首を勢い良く力一杯両断する事に成功。

この結果、カルヴァルがリーダー格のワイバーンを討伐するのに1番貢献したと言う事で

副騎士団長への昇進が決まった事件となった。


そうして今から10年前に25歳で副騎士団長へと昇進したカルヴァルは、今度は騎士団長を

目指し更に精進して行く。しかし騎士団長ともなれば副騎士団長よりも当然昇進は難しい。

しかし騎士団長になりたいカルヴァルはその後、また1つの武勲を立てる事に成功する。

副騎士団長になると指示を出す立場になる為に基本的に前線には出ないのがお約束

だったのだが、帝都の中で開かれる事になった式典があった。それが皇帝リュシュターの

即位式だった。イディリーク帝国の皇帝リュシュターは病死してしまった前皇帝から20歳の

時に皇帝の座を受け継ぐ事になり、当然新たな皇帝の誕生となる為に即位式が開かれる。


だが、元々孤児として育った彼が皇帝の座につくのを快く思わない者達も多く、その為に

新皇帝の暗殺計画が練られていた。

色々と策が練られていたのだが、その中でまずは城の警備を事前に強化しまくっていたので

その中で暗殺者達を次々といち早く気がついたカルヴァルが撃破して行った。

次に厨房でリュシュターに出される料理に毒を盛ろうとしていたコックや使用人達を事前の

張り込みをカルヴァルが計画していた事でこれも阻止する事に成功。

更には即位式の最中に謁見の間で直にリュシュターを殺そうと反旗を翻した騎士団員達を

これまた撃破して行ったのだが、その途中で何と当時の騎士団長がリュシュターをかばって

矢に当たり、刺さり所が悪くて死亡してしまうと言う事故が。


これ等のリュシュター殺害計画を何とか食い止めたカルヴァル達だったが、その時に騎士団長が

死亡してしまうと言う事になってしまったのでそのまま騎士団長にカルヴァルが昇進する事になった。

中にはカルヴァルが騎士団長になりたいが為にこの反乱を仕組んだのでは

無いかと言う声も聞かれたりしたが、カルヴァルにはそんな計画を立てる暇が

無い位忙しかった事、反乱を企てたならわざわざ仲間の筈の暗殺者や反旗を翻した

騎士団員達を殺したりしない事が理由となってその疑いも晴らす事に成功した。


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