Reconstruction of the kingdom第11話


荒くれ者に成り下がってしまった自分を拾ってくれたカルヴァルには

絶対の忠誠を誓っている人間で、カルヴァルの為には命を投げ出す事も

いとわないと言う信念をジレフィンは持っている、

だからこそ、カルヴァルが皇帝の座を狙って反乱を起こすと宣言した時には

ローエンやルイスと同じく積極的に行動を起こしていた人物でもあるし、反乱

作戦が失敗して国外に追放されると決まった時にもカルヴァルには何処まででも

ついて行くと言う覚悟を持ってこうしてラーフィティアを一緒に立て直しているのだった。


元貴族らしく上品な一面があるのだが、どちらかと言えば熱くなり易い性格であり

弓使いの落ち着いているヘーザから行動について良く手綱を引かれている場面を

見る事が出来る。現在は29歳だが、30歳を過ぎてそろそろ丸くなれば良いのになぁと

周囲からのそんな評価がある。とは言えカルヴァルへの忠誠心はその通り物凄く、

現在でもカルヴァルの立て直したこの王国を、そしてこの城を絶対にこの謎の集団から

守り抜いてやるんだと言う強いその気持ちで戦っているのであった。



そんなジレフィンの手綱役となっているへーザ・セクサートは、割と無鉄砲に突っ走りがちな

ジレフィンを止めるその役目がどうにも性に合っているらしい。彼は元々イディリーク帝国の平民出身であり、

その点に関しては貴族出身のジレフィンとは対照的な存在だ。

父はイディリークに通っているヘルヴァナール鉄道の駅員として働き、母は下町の食堂で

働いている共働き家庭だったので、兄と妹と自分で3兄妹のヘーザは3人で良く遊んでいた。

兄とは6歳年齢が離れており、ヘーザは10歳の時に兄は帝国の兵士部隊に入団したのを

目にしてヘーザもまた兄の後を追いかけて兵士部隊に入団したいと思う様になっていた。


しかし、兄に剣術や体術等を教えて貰っていたがなかなか上達する事が出来ずに、何時も

叱られてばかりで落ち込む事も良くあった。それでもヘーザ自身にも取り得があったらしく、

弓の扱いに関しては兄を超えるセンスの持ち主であった事が発覚。

更に言えば体力自慢の兄とは違って戦術や知略と言った頭脳面でのセンスもある事が分かり、

そうした面で城の兵士部隊の試験を突破出来る様にと考えていた。その後、猛特訓の末に

何とか剣術や馬術、槍術等を見られるレベルにまで仕上げて行き兵士部隊の入隊試験に

今から9年前の18歳の時に合格した彼はやはりと言うか、主に後方支援の部隊に回される事になった。


そんな後方支援の部隊において事務作業等を中心に行っていたのだが、それでも腕が鈍っては

いけないと思い武器術や体術全般、特に弓の訓練に関してはなるべく休まずに行っていた。

それを今から7年前の20歳のある日、兵士部隊に書類を自ら届けに来た当時28歳の王宮騎士団長の

カルヴァルに見られた事が切っ掛けで目をつけられ、その弓の能力をもっと活かせる仕事があると私兵団に

誘われた事が彼の今の立場に繋がる第一歩となる運命の出会いだった。

そうした経緯でカルヴァルの私兵団の兵士へと遺跡を果たした彼だったが、私兵団の中において

相変わらず後方支援の任務に就かされる事になった。


これだと移籍した意味が無いんじゃないか? と考えていたヘーザではあったが、それでも自分の能力を

認めてくれたと言う事にしておいて私兵団での活動を続けていた。

弓の名手であり、更に魔導も使えると言う事で後方支援として今でも重宝される存在のヘーザであるが、

私兵団では兵士部隊と違い弓だけでは無く他の武器も携帯する事が義務付けられているので槍を持っている者も

居ればロングソードだって斧だって持っている者も居る。当然それ等の武器の鍛錬も積んでいるので抜かりは無い。

そもそもヘーザの場合は兵士部隊への入団試験で全ての武器を習得したかどうかの試験をクリアして

来ているのでその点に関しては全く心配する必要等無かったのである。


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