Reconstruction of the kingdom第10話


カルヴァルがそんな状況になっている頃、レガリア城の外でも中でも

所構わずとんでもない状況になっていた。

突然何処からとも無く、それこそ音も無く現れた大量の武装した男女が一気に

王城に突入して来て、警護任務が終了していた騎士団員達に

襲い掛かって来たのだ。

「うわああ、何だこいつ等!!」

「うろたえるな!! 総員、迎撃体制だ!!」

「い、いえっさー!!」

「死にたい奴からかかって来いよ!!」

ローエン配下の中で、元々カルヴァルの私兵団員だったメンバーがそれぞれ武器を手に取って戦っていた。

この4人はイディリーク帝国での反乱事件の時に何かと目立つ活躍をしていた男達で、

各々違う武器で戦う幹部クラス達のメンバーと言っても過言では無かった。

その中のまずは黄緑のショートカット頭で斧を手にして戦っているのが若き幹部の

1人であるジレフィン・キースフォードだ。


元々は荒くれ者として活動していたジレフィンは実は貴族の出身であり、西の隣国

ヴィーンラディで生まれ育った人間である。しかし17歳の時に貴族同士の争いに

巻き込まれ、何とかジレフィン本人は満身創痍でイディリークまで逃げ延びる事に成功した。

しかしその貴族同士の争いに巻き込まれたせいで生家は没落してしまい、帰る場所が無くなってしまった

彼は荒くれ者と言う身分に身を落とすしか無くなってしまった。

貴族のたしなみとして剣を始めとした武器術や馬術等は学んでいたおかげもあり、最初は魔物等を倒して

ギルドで部位を換金し生き延びていた彼だったが、ある日荒くれ者達の罠にかかってしまい殺されそうに

なった所を反撃していた所でその時の頭領に腕前を気に入られ、殺した者達の代わりに活躍すると言う条件で

荒くれ者達の仲間に加わったのであった。


カルヴァルと同じく大斧を使うジレフィンだが、その狙いはカルヴァルよりも大雑把。豪快に大斧を両手で振り回す

その戦闘スタイルは圧巻で典型的なパワータイプの戦い方として知られ、彼の周りにおいては敵兵が吹っ飛んで

行くのを目撃する事も珍しくは無いと言う。勿論大斧を振り回すだけあって普段からしっかりと身体を鍛えているし、

着痩せして見えるだけで服の下の筋肉は他人から見れば嫌味な程ついている。

それだけ彼が日々の鍛錬で努力を怠っていないと言う証拠でもあるし、そうでなければ荒くれ者として活動等出来ない。

そう言った経緯で彼は荒くれ者の中でも段々と実力をつけて来ていたが、ある時に他のメンバーが

ヘマをしてしまってイディリーク帝国騎士団に荒くれ者達のアジトがばれ、一気に総力を上げて

アジトが潰されてしまった。今から8年前のこの時で彼は21歳。その時すでに騎士団長になっていたカルヴァルが

彼ともう1人のシャプティに目をつけ、自分の私兵団員にならないかと勧誘したのが切っ掛けで彼も1年後の

22歳の時に私兵団へと入団する事になったのであった。


そこからは私兵団内でカルヴァルから直接武術や馬術と言う物に磨きをかけていったりした他、

今一緒に戦っている他の3人の幹部のヘーザ、レーヴァと知り合う。そして荒くれ者時代から

一緒だったシャプティとは同じ組織でまた活動出来る様になった事が嬉しかったらしい。

カルヴァルの私兵団の人数に関しては多くても大体1000人。確かに騎士団から見れば全然

少ないが、普通の組織として見れば結構大人数である。私兵団の任務は帝都でカルヴァルの

護衛をしたり、イディリークの各地方に散らばって騎士団のサポートをしたりと言う様々な役目を

こなしていた。元々この組織は私兵団の名前の通り騎士団や皇帝よりもカルヴァルに忠誠を

誓った者しか集まって来ていない組織であるので、その点に関してはジレフィンも同じであった。


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