Reconstruction of the kingdom第1話


かつて帝国の実権を握ろうとして失敗した男達が、その実権を

握ろうとした帝国の皇帝から追放されて流れ着いたのがこの国だった。

いや、国とは名ばかりでありもうそこは荒れに荒れた場所と化していた。

かつてそこには独裁政治で有名になっていた王国が存在していたのだが、

何時の間にかその王国は跡形も無く姿を消し、残っているのはこの王国を

根城にしている盗賊達や多数の魔物達しか居なかった。

そんな王国の跡地へと追放された彼等とその多数の部下は、命までは

奪われなかったのだから1からここでやり直そうと決めてまずは荒れ果てた

王都「だった場所」にある、これまた荒れ果てた王城「だった建物」から何とか

する事を決めたのであった……。


そうしてそんな決意をしてから半年。見事に王国は再出発を新たな男達の

手で切り始めたのである。荒れ放題だった王城から始まり、まずはその王城を

始めとした王都の復興からスタート。彼等は無駄に人員を多く携えていた事が

功を奏し、南の追放された帝国には頼れない為に西の大きな土地と資源を

持っている帝国に頼み込んで、ツケと言う名前の借金をして買い付けた資源を

存分に使いこなしてまずは王都を1ヶ月かけてハイスピードで復興を果たす事に成功。

そこから今度は王都だけでは無く、近くの町や辺境の村に至るまで多くの兵士達を

分散させて様子を見させて行った。


そうして様子を見させた後は何処を優先させて復興するかと言う事を決めて行き、

決まったら即座に復興を現地へ兵士達を向かわせて行わせた。

それから追放された南の帝国、そして資源をくれた西の帝国、更には東へと向かって

海を少し渡った所にある最近隣国との戦争に打ち勝ったと言う王国へとPR活動に

新たな王が自ら向かい、自分の王国に人を呼び寄せる計画を立てて行った。

元々荒れ果てた土地になってしまっていた場所を僅かな期間で建て直したと言う

その現実に3カ国の皇帝と王達は興味を示し、結果としてぽつぽつとではあるが

旅行者がやって来たり移住者がやって来たりと少しずつ王国が立て直されて行く。


勿論そのPR活動の傍らで、王国内を根城にしていた盗賊達を片っ端から

討伐していった他に魔物も討伐して行ったりと文字通り目の回る様な忙しさが

追放されて来た人間達にはあったのだが、それを乗り越えた今では国内の情勢も

安定して来たと言えるだろう。

そんなこんなで追放された人間達がこの土地にやって来てから半年。

元々土地と建物は残されていたので補修工事だけで済んだのが功を奏し、こうして

半年と言う期間で何とか新しい王国……新生ラーフィティア王国の歴史が始まって行くのであった。


今ではその新生ラーフィティア王国の中で色々なイベントが行われるまでになった他に、

交通網もどんどん発達しているし、ヘルヴァナールを結んでいる世界鉄道の路線も

ラーフィティア王国内に開通する予定になっている。

元々荒れ果てた土地になってしまったこの場所にもヘルヴァナール鉄道は

通っていたのだが、この王国が一旦滅んでしまった原因が大きな天変地異だったらしく、

線路が完全にやられてしまっている。今では最初にそのヘルヴァナール鉄道が開通した

シュア王国から、自分達が追放された南のイディリーク帝国、それからイディリーク帝国の

西の隣国であるヴィーンラディ王国内を通って、そこから線路が大きく2つに分かれて自分達

ラーフィティア王国の西の隣国である資源を融資して貰ったアーエリヴァ帝国の中を通っているのだ。


勿論PR活動の際にイディリーク帝国とアーエリヴァ帝国には線路をまた繋げて欲しいとの

要請を通して貰っているので、今現在兵士達の手によって線路の復旧が行われている。

大体全体の94パーセント位まで進んでいるので、余り時間が掛からない内にまた線路が

開通するだろうと言うのが宰相の見込みであった。

そしてこのラーフィティア王国を纏めている現国王。それがイディリーク帝国を追放される

原因になってしまった計画の首謀者である、カルヴァル・サルザード元イディリーク王宮騎士団長であった。


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