Outsider fighting Quest第9話


「はーっ、はーっ・・・・はぁーっ・・はぁ・・・っ!!」

187cmとでかい上に体重も90キロあるから手ごわい相手だったな・・・と大塚は息を吐き、

壁画を調べてみたが特に何も見つからなかった。

(ここには何も無さそうだ・・・と、なれば・・・・)

残りは屋上かな? と大塚は部屋の奥に鎮座する大きな扉を開ける。

するとそこには予想通り1つの階段が姿を現わしたので、大塚は意を決して上っていく。

その階段の先はそのまま屋上へと続く扉に繋がっており、屋上へと出た大塚はすでに暗くなった空から

降り注ぐ月明かり・・・と、1つの大きな銅像、そしてその銅像に腕を組んでもたれかかる1人の男の姿を発見した。


「・・・来たか、大塚よ」

「・・・その銅像には結構な秘密がありそうだな」

「それはどうかな、俺を倒してから調べるんだな!」

フェレークがまずは向かってきたので、それを大塚はキックの連打で応戦。

ロングソードが振るえない程に軽くて速いキックを繰り出し、とにかく右足と左足で蹴り続ける。

「はっ、よっ、とっやっ、ちゃっ、さっ、ほっ!!」

フェレークはロングソードを振るチャンスを与えられないまま大塚にキックの連打を許す。

「ちっ・・・少しは、大人しくしやがれってんだっ」

そう言いながら一瞬の隙を突いて上段からロングソードを振り被るフェレーク。

だが大塚はそのフェレークの手首を掴み、フェレークに背中を向ける形になる様に一気に身体の向きを変えて

逆上がりの体勢でジャンプし、フェレークの脳天に膝を落とした。

素早く起き上がるものの、頭へのその衝撃でふらつくフェレークに対して同じく素早く起き上がった大塚は、

更に前蹴りを食らわせてフェレークをぶっ飛ばす。


「おーりゃあああああああ!!」

追撃をかける為に右のハイキックを繰り出す大塚だったが、それを何とフェレークはロングソードの柄を

大塚の膝に打ち付けてガード。怯んだ大塚に、容赦無くロングソードのなぎ払いを繰り出すが上手い具合に入らない。

しかし効果はあった。

「うがっほ!!」

怯んだ大塚のその側頭部目掛けて、さっきのお返しとばかりに左のハイキックで追撃。しかもクリーンヒットだ。

「ぐが!」

切り裂かれた腹の痛み、そして今しがた蹴られた頭の痛みでうずくまる大塚は立ち上がろうとするが身体に力が入ってくれない。

「うぐぉ・・うぅ・・っ! が、がは・・っ・・・ぐぅ・・・あ・・!!」


それを見下ろして、フェレークは口にニヤッと歯を見せる笑みを浮かべた。

「さぁ、大人しく観念するんだな。これ以上抗っても無駄だ」

しかし大塚はまだ立ち上がろうとする。そんな大塚に対して溜め息を吐きながらフェレークはセリフを続ける。

「ちっ・・・往生際の悪い奴だな」

そう言いながらフェレークは止めとばかりにロングソードを振り上げる。

だが大塚は決死の覚悟でロングソードを振り上げたフェレークから、2回の後ろでんぐり返しで距離を取った。

そのすぐ前をロングソードが振られて行く音を大塚は聞きながら、何とか立ち上がって更にバックして間合いを取る。

この前まで一緒に旅をしていて、フェレークの口からそのまま聞いた事を大塚は思い出す。

(こいつは確か・・・あの時・・・)


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