Outsider fighting Quest第6話
遺跡の場所を教えて貰った大塚は、その通りに歩いて行く事で呆気無くたどり着く事が出来た。
空を見てみればもう日が暮れ始めている。遺跡の中に入るのは良いが、この先に何があるのかは分からない。
この世界には魔物が居ると言う事もフェレークから聞いていたが、遺跡の中において魔物の目撃情報は今の所無いらしい。
だったらさっさと探索してみようと思ったが、その遺跡の前に2つの人影がある事に気がつく。その2つの人影は・・・。
「・・・」
「よう・・・また会ったな、大塚よ?」
「言いふらしただろ?」
大塚はその2人・・・あの最初の街で別れた男2人に対して開口1番そう言った。
大塚のその質問に2人が出した答えとは・・。
「この世界の為にも、仕方なかったんだ、許してくれ」
「あぁ・・・それが厄介な異分子だとすれば、この世界は乱れてしまうからなぁ」
「それって・・・そっちが黙ってれば済む事だったんじゃないのか・・・・」
何でだよ・・・と思った大塚だったが、2人が何でこんな所に居るのかは大体検討がついた。
恐らく、自分が宿に泊まっている隙に先にこの2人は遺跡へと辿り着いたのだろう。
そしてこの遺跡に向かう事は「南に向かう」と言っていたこの2人だけにしか予想出来ない筈だ。
だとすれば、2人がこの遺跡に先回りした理由も見当がついた。
「・・・・・・もしかして、俺を騎士団に引き渡すつもりなのか」
大塚は暗い目をして2人に問いかける。
「もし俺が抵抗したら力づくでも連れて行くつもりか。素手のファルテレオ、剣士のフェレークと2人掛かりでか」
2人はそんな大塚の問い掛けに、ファルテレオは薄く笑いながら、フェレークは冷静に答えた。
「勿論、抗うつもりならそれなりの対応をさせてもらう」
「そっちが1人だろうと、俺達は容赦しない、全力でお前を連行させてもらうぜ!!」
そんな2人のセリフに、大塚は斜め下を向いていた顔をゆっくりと上げて頷いた。
「・・・・後、1つ聞きたいんだけど。俺が持っていた鍵を知らないか?」
その質問に、フェレークがポケットからごそごそと鍵を取り出した。
「・・・もしかして、これのことかな? 言うまでもないが、返すつもりはない」
「・・・何でだ?」
「この鍵が少々気になるものでね、お前を騎士団に渡し次第、この鍵も同時に騎士団に調べさせてもらうのさ。
それにこの鍵はあんたにとっては大事なものみたいだからな、敵対関係であるあんたに易々と渡すわけがないだろ?」
「絶対にそんな事はさせない。俺の命の次に大事な物の鍵なんだ。頼む、返してくれ。そして俺の事はもう忘れた方が良いだろう」
「申し訳ないな、結局、これも世界のためなんだ・・・、何としてでも、お前を倒し、連行させてもらう」
そのセリフに大塚は覚悟を決めた。
「そう来るなら、俺もやるしか無いだろ」
大塚はフェレークとファルテレオを見やり、とにかく鍵を奪い返す事、それから2人の後ろの遺跡に入る事が目的だと頭の中で整理。
何時でも来られても良い様に、油断無くキックボクシングの構えを取って2人の動きを見る。
そうして、痺れを切らしたのか先に動いたのはファルテレオだった。