Outsider fighting Quest第3部第8話


フェレークとファルテレオは大塚に対して2人と言う人数差を活かし、ファルテレオが棚に大塚を

押さえつけて膝蹴りをかましフェレークが大塚の腹にパンチ。

大塚もファルテレオの顔面に裏拳を突っ込んで脱出するも、すぐさまフェレークが追撃をかまして来る。

それを接近戦の手技で回避しまた膝蹴りをかますが、立ち直ったファルテレオの連続キックが

大塚の顔面と腹にクリーンヒットして、彼の小柄な身体がゴロゴロと後ろに転がる。

「ぐほっ……あっ……ぐぐ……っ!」

顔よりも腹の痛みの方が大きい大塚が腹を押さえて立ち上がれば、その視線の先では

フェレークがファルテレオと共に再び大塚を両側から挟み込む。


(やっぱ強いな……)

2人の体術の違いを考えると、フェレークはロングソードのリーチを活かした手技と押さえ込み系で、

ファルテレオは体格の大きさと得意な体術を活かした足技中心の攻撃らしい。

若いけどなかなかやるなぁと感心しつつ、再び先に向かって来るファルテレオのハイキックを回避し

フェレークのロングソードも回避。

そのままフェレークを力任せに押し倒すが、ファルテレオのキックで押さえ込みが中断される。


「おらあ!」

更に向かって来たファルテレオのパンチを持つ手をキックで弾いて、さっきのお返しとばかりにキック。

しかしキックは隙も大きいので、その隙にフェレークがタックルをかまして大塚を地面に押さえ込む。

「まだ……まだぁ!!」

キックボクシング以外にも恵の師匠である真由美から関節技や投げ技も習ったので、大塚は

押さえ込みを逃れてフェレークの顔面にパンチ。

そこにファルテレオの飛び蹴りからの回し蹴りが来るものの、後ろに下がってから屈んできっちり回避し、

回し蹴りを繰り出す足を掴んで軸足の向こう脛を全力で蹴り付ける。

「ぐっ!」

かなりの痛みに動きが鈍るファルテレオを尻目に、フェレークがロングソードを振りかざして大塚に向かうも

大塚はそれを屈んでギリギリ回避し、カウンター気味に連続ストレートパンチからの膝蹴りでフェレークをぶっ飛ばす。


パンチやキックだけでは無く投げや関節技も取り入れ、向かって来たファルテレオの勢いを利用して投げ飛ばす。

「このっ……!!」

フェレークが連続膝蹴りを繰り出して来たが、それを大塚は耐え切ってカウンターの肘で回避。

次にファルテレオの連続キックを迎え撃ち、今度はラリアットをかまして地面に押し倒す。

その隙を突いてフェレークがロングソードを振り回すが、上体を反らして避けつつ前蹴り。

……が、咄嗟にフェレークも前蹴りをかまして大塚をぶっ飛ばし、2人が同時に宝物庫の床に倒れ込む形になった。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ふぅ……」

腹を押さえつつフェレークは何とか立ち上がる。

「お前……なかなかやるじゃないか、なら俺も本気を出すしかないな」

フェレークは背中の武器……もう1つのロングソードに手をかける。


息を切らせつつも立ち上がったファルテレオが先にパンチを振って向かうが、大塚も立ち上がると同時に前蹴りで近寄らせない。

フェレークも2本のロングソードで向かうも、大塚はギリギリでまた回避してカウンターでパンチ。

「貴様っ……!!」

「やろっ!」

こうなったら同時に……とフェレークとファルテレオはそれぞれロングソードとパンチを振るうが、大塚は片手ずつで

その手首をキャッチしてグルッと身体を捻り、自分の左からやって来たフェレークの腕の下を2つの手首を掴んだまま潜る。

そうすればフェレークとファルテレオの腕が絡み合う形になり、そこから引っ張ってやればフェレークとファルテレオの

2人の身体が前のめりに倒れる形になった。

「うぐぅ!?」

「うお!?」


その瞬間、フェレークの上着の内側からジャラリと音を立てて金属製の手錠が飛び出た。

それを見た瞬間、大塚は手錠を掴んで2人の右手首同士で錠を繋げる形で掛けてやる。

それもただ繋げるのでは無くフェレークの腕を背中に回し、フェレークの下でうめいているファルテレオの右腕も

背中に回す形……背面で右手同士で繋いでやればお互いに身動きが取れない。

(もしかして……)

ファルテレオのズボンのポケットを探ればやはりそこにも手錠。

それを使って今度は左手首同士を背面クロススタイルで繋ぎ合わせ、こちらでも身動きが取れない状態にした。

この瞬間、宝物庫の因縁のバトルは大塚の勝利で幕を下ろすのだった。


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