Outsider fighting Quest第2部第4話
「はーっ、はぁ、はーっ……骨のある奴は人間だけじゃないんだな……」
自分でも何を言っているのか良く分からなかったが、大塚はクリスタルとジャンパーを拾い上げてバトルが終わった事を実感。
そしてロングソードは使い物にならなさそうなので、代わりに太もも部分の大きな骨を2本拾い上げる。
(堅そう出し、武器にはなるだろ)
どうやら以前経験したあの変な現象も起こらない様なので、安心した大塚は目の前にあるもう一方の
出口に続く道に向かって歩き出す。
そしてその5分後、スケルトンの潰れた広場にあの3人組がやって来た。
「さて・・・再会の時はもうすぐだ」
「俺達はスケルトンの野郎共なんかより脆くないってことを知らしめてやるぜ」
しかし、その広場の惨状を見たミャルマスが思わず呟いた。
「わぁっ・・・スケルトン達が皆バラバラにされている・・・、これ全部大塚さんが一人で処理したのかな」
3人が広場の奥に目をやると、そこには別の出口に続く通路があった。
それを見て、3人は目を見合わせて頷いた。
「・・・よし、行くぞ」
「あぁ・・・!」
「はいっ・・・!」
3人が通路の入り口に向かって歩き出した頃、大塚は地上に出る。
(はぁ、ようやく日の目を浴びる事が出来た)
相変わらずの人気の無い世界だが、太陽の光があると言うだけで気分はやはり変わって来るものだ。
一旦あの町に戻ろうかと思ったのだが、近くにこんな立て札を発見。
(……ん? この近くにも町があるのか)
だったらそっちに行った方が早いなと言う事で、大塚はその町へと向かった。
遺跡から歩き続ける事、およそ15分。
その町に入った大塚は、遺跡の中で手に入れた小さいスケルトンの骨を金に換えて食べ物を買った。
食欲は人間の三大欲求の1つなので無視出来ない。
そんな大塚は食べ物を買った総菜屋の店主から、気になる話を聞く事が出来た。
「えっ? 西の方にある山の中で新たな遺跡が発見された?」
遺跡と聞くとまたさっきのスケルトンがどうのこうのと思ってしまうが、今はそんな事も言っていられない。
手がかりがそこにしか無いのであれば、そこに行ってみるだけであろう。
大塚はその山の場所を聞き出し、酒場で出されたお茶を飲み干して再び歩き出すのだった。
その頃、フェレークご一行もタッチの差でその町に辿り着いていた。
近くの町ならここだろう、大塚が行くのもここだろうと予想した3人は、ミャルマスを中心に情報収集を開始する。
なら、手分けして聞き出すしかないな」
「彼はさっきの遺跡から出て看板に従ってここに訪れた、そして此処で何かしらの情報を得て何処かへ行ったと思います」
「なら、ここにいる奴等の内一人は確実にあいつと話したわけだ」
そう決めた3人は手分けして町の中の数少ない人間達に話を聞きに回ってみる。
すると、まずはミャルマスが大塚の行き先を聞き出す事に成功した。
「彼は西の山に最近発見された遺跡に向かったようです、・・・やはりというべきか、今までの流れからして彼の目指す主な場所は、遺跡ですよね」
「なら、其処に向かうまでだな」
ファルテレオは大塚が酒場で食事を頼んでいたという情報を手に入れ、フェレークは大塚の持ち物に疑問を抱く。
「そういえば・・・あいつは、前の時にも何かしらの手段で金を得ていたな、今回は一体何を持っていたのだろう」
疑問を覚えたフェレークは換金所へ行ってみたのだが、大塚はどうやらスケルトンの骨を換金したとの情報だった。
しかし、その他に大きなスケルトンの骨を2本持っていた事を聞き出す事が出来、それにファルテレオが反応する。
「換金目的とは別に、その大きな骨は武器にするために持っていたのかもな・・・」
そんな予想を立てた後、ますますミャルマスは大塚に対する興味が沸いて来た。
何せ異世界人、と言うだけでも作家として格好のネタになるのだ。
それを考え、張り切った口調でフェレークとファルテレオをミャルマスは促す。
「さぁ、行きましょうっ! 大塚さんは、もうすぐ目の前ですよっ・・・!!」
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