Outsider fighting Quest第2部第3話


ラルクトンの町に辿り着いた大塚は、とにかく地球への手がかりを掴む為に情報収集を開始する。

しかし下手に聞きすぎて怪しまれてもまずいので、ここは鈍くなって来た頭を回転させてそれっぽい事を

聞き出せる質問を考えてみる。

(どうしたものか……)

うーんと頭を悩ませ、大塚は1つのアイディアを思いついた。

そしてそのアイディアを実行する為に、近くの店の人間に話しかけてみる。

人がまばらなこの世界ゆえに、限られている人間から情報を聞き出すのは並大抵の事では無い。

それでも聞き出さない事には手がかりも掴めない。

人生だって、自分から動かない奴にチャンスは巡って来ないと何時か誰かが言っていたのを大塚は思い出していた。


そんな思いで自分から動いた大塚が聞き込み調査を続けて行った所、1つの気になる情報を手に入れる事が出来た。

(クリスタルの欠片……?)

北の方角に30分ほど歩いていった場所に、太古から存在している遺跡があるらしいのだが、そこで緑っぽく輝く

クリスタルの欠片が発見されたらしいのだ。

とにかく気になる手がかりと言えばそれ位しか無いので、その遺跡に大塚は歩いていくことにする。

それに大塚には気になる事もあった。

(さっきのあの女、何かきな臭い感じがするしな……面倒な事になる前に、さっさと遺跡に向かおう)


その頃、その女と2人の仲間の男は出発準備を終えて大塚を追いかけようとしていた。

大塚が向かって行った方向を確かめ、自分の武器をチェックするフェレークとストレッチをするファルテレオ。

「準備は万全だ、後は油断しないように行こうぜ」「あぁ、あいつは複数戦でも十分高い実力の持ち主だからな」

そしてミャルマスは静かに取材への意欲を燃やす。

「・・・あの人を追い詰めてみせる、そのために、頑張って来たんだから」

そんなミャルマスに対して大塚が向かった場所を聞き出し、一行はその町を出て急ぎ足でラルクトンの町へと辿り着いた。

だが、タッチの差でどうやら大塚は遺跡へと向かったらしい。

当然3人もその遺跡へと向かう事にするが、大塚は大塚で大変な事になっていた。


「うわあああ!!」

大塚が向かったその遺跡には、何とスケルトンの大群が居たのである。

どうやら親玉らしいスケルトンが一回り大きく、その周りのスケルトンは大きなスケルトンから生み出されているのだろうと

分析しながら大塚は戦う。

でも、大塚は苦戦。

パンチ1発、キック1撃で倒す事は出来るものの後から後から湧き出て来るスケルトン軍団にキリが無いのだ。

(骨のある奴等だ!! いや、骨しか無いけど!!)

ジョークでも何でも無く、本音からそう思ったのだがいかんせんこの数の差はどうもしがたい。

だったらどうするか?

(逃げるのも立派な戦略の1つ!!)

S2000で走っていた事は、相手をブロックしまくるのが常用手段だった大塚。

大塚は一旦戦線離脱し、クリスタルの欠片が見つかったと言われている奥の方へと進んで行く。

角を曲がり、岩の欠片を投げつけ、そして破壊されてバラバラになったスケルトンの骨を別のスケルトンにぶつける。

更にはスケルトンの骨を武器にして戦う!!

そんな逃走劇を繰り返しながら、大塚は最深部の広場で何とかクリスタルの欠片をゲットする事に成功した。


そんな大変な目に大塚が遭っている頃、ようやく3人も遺跡の前へと辿り着いた。

その遺跡の入り口を見て、フェレークが緊張感たっぷりの残りの2人に警戒しろと忠告する。

「あいつは、確実にこの先にいる」

「あぁ、あいつに逃げ場はないようなものだ、其れに今度は三人・・・負ける気がしないぜ」

「窮鼠猫を噛むですよ、大塚さんがどれ程の実力者かはわかりませんが、絶対に油断しないようにしましょ」

そう言ってフェレークを先頭に遺跡へと踏み出す3人は、遺跡の中で戦闘の残骸を見る。

思わず息を呑む3人だが、逆にそれが大塚が来た証だと道しるべになってくれていた。


そしてその頃大塚は、何とか小さなスケルトン軍団を倒し終わって大きなスケルトンに対峙していた。

(大丈夫……ヘルヴァナールだって生き残れたんだ。それにこんな所で死ねない!)

スケルトンの残骸を拾い上げて大塚はボススケルトンに投げつけるが、ボススケルトンは持っている錆びたロングソードで振り払う。

しかもロングソードを振り回して衝撃波チックなものを出して来るので厄介である。

接近戦に持ち込むのはちょっと危険だと思うが、それでも今までの戦いの中で大塚は気がついた事がある。

(このスケルトン軍団……頭を潰せばもう動かなくなるんだな)

だったらこれも同じ筈だと読んで頭を狙いたい……所だが、正直狙いにくい。

(くそ、どうすれば良い……)


思わずぎゅっと革のジャンパーの腕の部分を掴んでしまうが、その瞬間とある事に気がついた。

(あっ、そうか)

何かを思いついた大塚はまずジャンパーを脱ぎ、それをスケルトンに向かって投げつける。

当然ボススケルトンはそれをロングソードで弾くが、大塚はそれを見越して走り出していた。

「ぬおおおおおっ!!」

キックボクシングやムエタイでおなじみの飛び膝蹴りを、そのフェイントでロングソードを振る事が出来ない状態を

作り出されたボススケルトンの頭にヒットさせる。

その後ろの岩壁に、大塚はボススケルトンを頭から叩きつけて絶命させたのだった。


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