Outsider fighting Quest第2部第1話


〜新登場人物紹介〜

ミャルマス・ウェンノヴェス

(イラスト:アレルマント氏)

「インスピレーションが湧きました! 新たな物語の始まりです!」

◇性別:女性

◇年齢:12歳

◇身長:146cm

◇体重:41kg

◇身柄:創作家

◇趣味:創作、散歩

◇好きなもの:創作のネタになるもの、ロマンチックなもの

◇好きな食べ物:フランスパン

◇嫌いなもの:無駄な殺戮、争い

◇嫌いな食べ物:辛いもの

◇武器:万年筆、本(本の角で相手を叩く)

◇魔力:なし

◇強さ:小さな女の子なので大した脅威ではない、だが追い詰められた時こそ未知の力を発揮するかもしれない・・・?

◇弱点:ただでさえ弱いので、弱点と呼べるものがない

◇特殊能力:なし

◇耐久力:人間の子供となんら変わらない

独創的でロマンチストな創作家、12歳にして完結させた創作の数は枚挙に暇がない。

一方で戦闘経験は皆無に等しく、万年筆をブンブン振ったり本の角で相手をポカポカ殴ったりのことしか出来ない。

そんな彼女が、戦いに身を置くフェレークとファルテレオとの関係を持つのは、彼女の最大の謎である。



(久しぶりに首都高走ったけど、ちょっと鈍ったかな)

東京都の都心を駆け巡り、神奈川県まで延びている首都高速道路。

そんな首都高を走り回る事を昔に良くやっていた大塚誠だが、今は余り走りに来られていない。

首都高が安全な本物のクローズドサーキットになって、違法走行と言う言葉は首都高では

聞かれなくなった2017年の2月3日。

勤務しているバイクの出版社は箱根へのツーリング取材をしたりする為、大塚は箱根の椿ラインから

そのまま都内へと戻って来て首都高に走りに来たのだ。


(何だか軽自動車とかエコカーが増えた様な気がするなー)

これも時代の流れなのだろうか? と思いつつ大塚は休憩の為に八重洲線のトンネルへと向かう。

そのトンネルの中には待避所が存在しており、そこで今の首都高事情をリサーチしてみようと思って1度停車。

今の時間帯は午前2時。なかなか車も通らない。

(ええと……首都高のBBSで……)

色々な首都高事情にリサーチをかけるべく、大塚はS2000のエンジンを切った。

そしてBBSにアクセスする為にタブレットの電源スイッチを押した……その瞬間。

「うぐっ……!?」

急激な目まいと頭痛が大塚を襲う。

余りの頭痛に大塚はシートベルトも外せず、そのまま意識がブラックアウトしていくのを感じていた。


そして10秒か、1分か、それとも1時間か。

どれ位の時間が経ったか分からない大塚の頭痛が治まった時に、彼が見た景色は物凄いデジャヴを感じる光景だった。

「……えっ……」

こんな展開、前にもあった気がする。

いや、あった気がする所か確かにあったと断言できる。

何故なら自分は冷たい地面に倒れていて、起き上がった目の前には悪夢のあの銅像があったからだった。

「……い、嫌あああああああああああああああああっ!!」

まるで女の悲鳴の様な(でも男のハスキーボイスで)叫び声を上げつつ、大塚は頭を抱えて四つんばいの姿勢で

その場所に突っ伏した。


この場所は2度目だ。

かつて自分があのフェレークとか言う剣士とラストバトルを繰り広げて、腹に大怪我を負った あの場所。

その場所に、大塚は再び戻って来てしまったのだった。

(な、何故だ、何故俺がこんな目に……また……)

しかし何時までも項垂れて居たってしょうが無いので、一先ずこの建物の中を歩き回ってみる事にする。

あの腹を斬られた時からどれ位の時間が経っているかわからないが、空を見上げる限りはさんさんと太陽の光が降り注いでいる。

(周りには人の気配は無いか……)

しかし油断は禁物だ。どんなトラップや仕掛けがあるか分からないし、まだあいつ等がここに居る可能性も大きい。

用心するに越した事は無いと思い、大塚は緊張感をマックスにしつつ立ち上がって歩き出した。


(……誰も居ないな)

遺跡の中は静かだ。

いや、静か過ぎると言った方が正しいだろうか。人の気配がまるで無い。

(こう言う展開って……ああ、何か嫌な予感がするな)

慎重に、慎重に。

大塚はじっくりと警戒心を強めたまま、2階から1階へと下りて行く。

……その時。

「……!」

誰かの足音が聞こえる。


その「誰か」はフェレークか、ファルテレオか、それともはたまた別の人物か。

そして段々近付いて来た足音に大塚の心拍数も上がっていく。

(……誰だ……?)

そして遠くの壁の向こうから姿を現わしたのは、1人の……女?

「・・・そこに、誰かいるのですか?」

(気付かれてる!?)

大塚はまさかの展開にびくりと身体を震わせるが、こうなってしまった以上出て行くしか無いと判断。

「……どちら様ですか?」

大塚は自分と対峙した女に対してそう問い掛けたが、女の方も警戒心が強い様である。


とりあえず、大塚は自分から自己紹介をする事にした。

「俺は大塚って言います。ええと、ここは一体何処なんですか? そして貴女は誰ですか?」

大塚の問い掛けに対して少し警戒心が緩んだのか、女もようやく口を開いた。

「大塚さん・・・というのですね、私はミャルマス・ウェンノヴェス。一応創作家をやっています。

そして此処は最近発見されたシェノトゥルアの古代遺跡の一つです」

「……うっ、うおああああああああああああああああ!!」

シェノトゥルア。

その単語を聞いた瞬間、うすうす気がついていたが突きつけられてしまったその現実に大塚は再び崩れ落ちる。

それを見て、ミャルマスと名乗った女はちょっとあたふたし始めた。

「っ!? だっ、だだ大丈夫ですかっ? 何かあったんですかっ?」

「何かあった所じゃねええええええええええええええええ!! 何故だああああああああああああ!!」

とにかく大塚がパニック状態になっているのを感じたミャルマスは、一先ず大塚を遺跡の外まで連れ出す事にした。


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