Outsider fighting Quest第1話
〜登場人物紹介〜
大塚 誠(おおつか まこと) (年齢は2007年8月のもの) (イラスト:アレルマント氏) 33歳。静岡県富士宮市出身。通り名は「ルシファー大塚」。職業バイク雑誌編集者。 十三鬼将の1人。元プロライダー。「彼とバトルした者は、二度と首都高には 戻って来れない」。噂が噂を呼び、対戦する相手がいなくなってしまった。 速い車に乗っている者としかバトルはしない。「ユウウツな天使」飯田 恵の元・恋人。 性格は堅物で真面目。バトルで相手をカンプ無きまでに討ち倒し、その心に深い傷を 植え付ける。戦う相手がいなくならないよう、最近は強い相手を選ぶようにしているとか。 恵とは別れた今でも良く会っており、29歳から兼山と共にキックボクシングを護身術に 教えて貰っている。32歳の時にキックボクシングのプロライセンスを取得した。 仲間内ランク付けバトルテスト、35人中第26位。 |
フェレーク・ジェレドア (イラスト:アレルマント氏) 「見せてやる、俺の剣技」 ◇性別:男性 ◇年齢:19歳 ◇身長:178cm ◇体重:78kg ◇身柄:冒険者 ◇趣味:運動 ◇好きなもの:絆 ◇好きな食べ物:コーンスープ ◇嫌いなもの:無駄な殺戮、争い ◇嫌いな食べ物:特になし ◇武器:剣 ◇魔力:なし ◇強さ:剣術の腕はかなり洗練されており、相手になると厄介 ◇弱点:剣が通用しない相手 ◇特殊能力:なし ◇耐久力:人間より少し高め 現役冒険者の青年剣士、代々受け継がれた剣術を秘めており、天賦の才として 世間に名を馳せてる。幼少期の頃にとある男に剣術を教えてもらったことも。 一見クールだが好奇心、冒険心旺盛のためよく口が開く。一人旅の経験が 長いが友情にも篤い男であり、仲間や絆という言葉を大切にしている。 |
ファルテレオ・アクアラノス (イラスト:アレルマント氏) 「正々堂々と、俺は戦いたいな」 ◇性別:男性 ◇年齢:21歳 ◇身長:187cm ◇体重:90kg ◇身柄:魔術師 ◇趣味:アクアリウム ◇好きなもの:憩いの一時 ◇好きな食べ物:魚料理 ◇嫌いなもの:卑怯 ◇嫌いな食べ物:特になし ◇武器:拳 ◇魔力:かなり高い ◇強さ:水を操る能力であらゆるものを沈める ◇弱点:攻撃は普通に当たる ◇特殊能力:周囲の水を自在に操る ◇耐久力:通常の人間よりも高い 土地よりも水の面積が多い国から遥々とやってきた男。魔術師であるが 肉弾戦も得意とし、魔法と格闘を組み合わせた戦闘スタイルで戦う。 卑劣な行為を嫌い、正々堂々とした戦いを好むフェアな精神を持つ。 |
(ああ・・疲れた・・)
バイク雑誌の編集者の仕事をしている大塚誠は、今年2016年の1月で42歳になった。
流石にこの年齢になると深夜の残業は身体に来る。
とりあえず、明日はこの仕事では数少ない繁忙期の中での休みになるのでその事実に安堵しながら、
長年の愛車であるホンダS2000のドライバーズシートに乗り込んだ。
(どーしよ・・・明日はキック行くかなー・・・?)
落ちて来た動体視力を養う為に何かしようと、29歳の時から現在でもキックボクシングを続けている。
バイク雑誌の編集者になる前は鈴鹿の8耐にも出場経験があるプロライダーだった過去を持ち、そのツテでバイク雑誌を作っている。
大塚自身は生真面目な性格なので、コツコツと努力して自分に厳しくキックボクシングのテクニックを磨いて来た。
そしてとうとう32歳の時にプロライセンスを取得したものの、仕事の都合上なかなか試合の為に休む事も出来ていない。
自分の車関係の知り合いにはかつて世界中を転々としていた元傭兵も居れば、自分のキックボクシングの師匠である
自分の元彼女も居るし、更には現役の軍人、それから武術歴30年以上の銀髪のアメリカ人も居るので
キックボクシング以外のテクニックもそれなりには知識もあるし、手合わせや手ほどきもして貰った事もある。
そんな人間達に囲まれて育った自分だったが、あくまでもベースはキックボクシングだ。
そのキックボクシングの練習に向かうかどうかは明日の自分との体調と相談して決めようと思い、
まずはS2000のエンジンをキーを捻ってかける。
だが、次の瞬間大塚の身に信じられない出来事が起こる。
「うあ!?」
キーを差し込んだシリンダーから突然眩い光が優しく大塚を包んでいく。
何でこんなに優しい光なのかは分からないが、大塚の心は優しい所か完全にパニック状態だった。
「え、いや、ちょ、お、いや・・あ・・!!」
そのまま成す術無く光に飲み込まれた大塚は光の眩しさに思わず目をつぶる。
そうして、大塚が目を開けたその先に広がっていた光景はと言うと・・・。
「ん・・・っ・・・ん!?」
おかしい。
明らかにこの状況はおかしい。
時間は真夜中だった筈で、S2000のシートに座っていて、これから帰ろうとS2000のキーを捻った。
たまにある真夜中までの残業と言う事を除けば、別に何時もの日常だった。
だけど、今はそうでも無いらしい。
何故なら大塚は柔らかい草地の上にしりもちをついた状態で、しかもS2000の姿は何処にも無く、
更に時間は太陽がさんさんと照りつける真昼間だったからである。
(あ、あれ、えーと・・・何だ、これは・・・・)
これは夢だ、間違い無い。
そう思って大塚は自分の頬をつねってみる。だが痛いだけだった。
今度は自分の頬を目掛けて1発キックボクシング仕込みのパンチ。だけどさっきよりも痛いだけだった。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・」
「・・」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
大塚は頭を抱えて、力の限りこの非日常な光景の中で絶叫するしか無かった。
頭から崩れ落ちて、頭を抱えたまま地面にうずくまる大塚。そんな大塚の下に誰かが走り寄って来る音が聞こえて来た。