Run to the Another World第64話


大塚誠は飯田恵の彼氏だ。数年前迄はその前に「元」とついていたのだが

今は復縁してカップルになっており、もうじき結婚も考えている。

そんな恵と知り合ったのは、東京に来て首都高でレースをしていた時だ。

大塚が生まれ育った静岡県では、身近に富士スピードウェイと言う大きな国際サーキットの存在があった。

また当時はバイクブームもあって、彼も高校で監視の目をかいくぐってバイクの免許を取得。

そしてお忍びで富士スピードウェイにバイクで通い詰め、アルバイト代は

全てバイクのチューニングとサーキットの走行費に消えて行った。

高校を卒業し、バイクショップで働きながら今から18年前の1996年、22歳の時に

彼は念願のプロライダーになった。16歳から着実にステップアップを重ね、プロライダーに

なってからも努力を重ね、30歳で引退する前には鈴鹿の8耐にも参戦した経験を持つ。

現在はプロライダーを引退してバイク雑誌の編集者として東京で働いている。


車に手を出したのはプロライダーになってから2年後の1999年からで、本格的にレースに

参戦する為に東京へと引っ越してきてからであった。車の免許も取っておいた方が良いだろうと

考えた彼は19歳の時に免許を取得し、それから車のレースにも興味を持ち始めて

貯めた金で1999年の4月に新車で出たばかりのS2000を購入した。

それまで乗って来たのがずっとホンダのバイクだった事もあり、買うなら絶対に

ホンダのスポーツカーが良いと決めていたと言う。


バイクに乗っていた事もあって安全性には人一倍気を使い、オプションパーツの

ハードトップをつけたS2000で首都高のレースにも参戦。

たまに首都高をバイクでも走り、コースを徹底的に頭に叩き込んで首都高を攻め続けた。

バイクからステップアップした事もあり、タイヤが滑っても怖く無いので上達するのは早かった。

首都高では幾つかのチームを纏めるボス的な存在に成長し、その一方で恵と知り合ったり

バイクレースを続けたりもした。結局はバイクの方が楽しかったので車の方ではプロになる事は

無かったが、今でもS2000とバイクには乗り続けている。


一方で首都高で知り合ったチームメンバーの兼山とはアレイレルの弟子同士でもあるが、

恵のキックボクシングの弟子同士でもある。落ちて来た動体視力を養う為に何かしようと

考えていた大塚は、彼女でもあった恵にキックボクシングを教えて欲しいと頼み込んだ。

反射神経と動体視力を何よりも必要とする打撃系の格闘技を習得し、今でも動体視力の

維持に成功している。大塚自身は生真面目な性格なので、コツコツと努力して自分に厳しく

キックボクシングを29歳の時から習得し現在でもキックボクシングを続けている。


今一緒に行動している寄せ集めサーティンデビルズのメンバー達も恵と同じく

首都高サーキットで知り合った仲間達であり、文字通り時期は違えど

サーティンデビルズと言う宝坂令次がリーダーの首都高サーキットでは知らない者が

居ないと言われていた伝説のチームのメンバー同士だった。

そしてこうして不思議な巡り合わせの元、何故かこの異世界でまたもや

サーティンデビルズのメンバーの一員として大塚は活動することになった。

勿論バーレン皇国で金色の鎧を来た集団に船の中で襲われると言う人生初の

経験をしていたのでこの異世界ヘルヴァナールが怖くないと言う事は無いが、それでも

元の世界に帰るまでは絶対に諦めたくないと言うのが彼の今の心境であるらしい。


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