Run to the Another World第226話


ジェイノリーが傭兵団リーダーのリヴァラットを追い掛けて行った先には、物置として使われている様な倉庫があった。

ドラム缶があったり、石材が積まれていたりと工事現場の様な場所だったのである。

そこにリヴァラットを追い詰めたジェイノリーは、ここでバトルをして彼との決着をつける事にした。


ジェイノリーはリヴァラットに向かって先制攻撃を仕掛ける事にする。今回使うのは主にテコンドーで行く事にした。

「でゅわいっ!」

リヴァラットが距離を詰めて来ていたのをチャンスと見たジェイノリーは、彼に一気に駆け寄って右の踵を

振り上げてリヴァラットの右肩に直撃させる。そして彼が怯んだ所に、続けて左ミドルスピンキックを腹に突っ込む。

その余りの衝撃にリヴァラットは後ろへ盛大に倒れこんだ。

(な、何……だと……?)

技としては別に速い訳でも無かったが、いきなりそこに攻撃をして来るかと言った予想外の攻撃。

しかも、剣を抜く筈だったのに右肩に踵を落とされた事でリヴァラットは抜く事が出来ず、ガードも出来ずにまともに

腹にキックを喰らってしまった。だがリヴァラットは気を取り直して立ち上がる。


「はっ!」

今度は剣を腰から素早く抜いて、素早く振り回して来るリヴァラットに対してジェイノリーは防戦一方。

何とかギリギリで避けているが、優勢なのはリヴァラットの方だ。

「うっ、くっ!」

だがギリギリで避けつつも隙を見つけたジェイノリーは、左ミドルをリヴァラットの腹へ。そして彼の頭目掛けて

勢いをつけながら左ハイキック。

「ぐお!」

しかしリヴァラットもすぐに体勢を立て直し、剣先をジェイノリーに向ける。

「あんたは蹴り技の達人か」

「そうだ」

ジェイノリーがそう返すと、リヴァラットはまたもや剣を振りかざして来る。再びジェイノリーは防戦一方になり、

リヴァラットは畳み掛けるチャンスを窺う。が、ジェイノリーは彼の両手を自分の両手で掴んで押さえ付けた。

「ぐっ……ぐぅ!」

押さえ込んでいる両手の内、右手を離して左手だけで押さえ込んだまま右手でリヴァラットの胸に裏拳を入れ、

右腕を首の後ろに回してリヴァラットの身体を引き寄せて膝蹴り。しかしリヴァラットも負けじと前蹴りを繰り出し、

ジェイノリーと距離を置く。


「ふっ、はっ!」

上段からの振り下ろしを2回リヴァラットは行うが、モーションが大きいのでジェイノリーは避けてその勢いで

左上段回し蹴り。それはリヴァラットの頭にヒットするが、まだ彼はへこたれない。

「ぐおっ!」

これは短期決戦をしないとまずいかな、とジェイノリーは考える。

(一気に行く!)

少し下がるリヴァラットだが、ジェイノリーは距離を詰めてステップを刻みつつコンボ開始。リヴァラットが動き出す前に

彼の剣を持っている右手に右のミドルキック、続けて左回しミドルキック、リヴァラットの左足へ左ローキック、右脇目掛けて

左ミドルキック、そのまま連続で左ハイキックを頭に入れる。この間わずか2秒。そのままの勢いで軽く勢いをつけ、540度の

左スピンキックを逆側からジェイノリーはリヴァラットの頭に突っ込んだ。

「ぐぶぁっ!!」

リヴァラットは頭への大きなその衝撃に、成す術無く盛大に床を転がって倒れ込んで意識を飛ばしてしまったのだった。


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