Run to the Another World第214話
真由美はダウンタウン方面に逃げ込み、家の壁やそこ等中に散乱している木箱やドラム缶等の
障害物を上手く武器にして兵士達を足技を使って上手く倒して行く。
だが、リーダーらしき水色の髪の毛で眼鏡をかけた双剣士の男はその足技にも上手く対処して
他の兵士達が倒されて行く中で生き残って来た。
「なかなかやるな、あんた」
「そりゃどうも。御前はあのラーフィティアの奴か?」
「ああ。第3パラディン部隊隊長のウォレードだ」
双剣を振り回して襲い掛かって来るウォレードに、真由美は自分の足技中心の武術とそこ等中に落ちている
色々な物を武器にして戦う。ドラム缶があればウォレードに蹴飛ばし、木箱があればウォレードに投げつけ、
物干し竿があれば棒術も駆使して戦う。実際の所、サーティンデビルズのナンバー2として活動していた
真由美はそのリーダーを務めていた令次や同じ場所を走っていた弘樹を激しくライバル視していたが、
武術の面ではゾディアックのナンバー2であった和美にライバル心を燃やしており武器術もレーサーとして
活動する傍らで習得している。
なので武器術も出来るのだが、本職の兵士達の方が流石に1枚上手の様なのでそこは地球の武術でカバーするだけだ。
変則的な足技であるカポエイラを中心にして、周りの物も上手く活用してウォレードに負けない様に戦う真由美。
だが双剣の方が手数が多いので徐々に真由美は追い詰められて行く。
(まずいな!)
体力も結構使って来ているので、出来る事ならばすぐに決着をつけたい所だ。
そこで真由美はカポエイラの側転しながらのキックでウォレードを翻弄させつつ一気に接近。
地面に手を着いて足をブレイクダンスの様にぶん回し、更に接近してから素早く立ち上がって今度はムエタイの首相撲に持ち込んだ。
「ぐっ!」
「らぁぁ!」
首相撲はムエタイ使いであれば確実に修得していなければならない技であるし、達人が首相撲を仕掛ければなかなか抜け出す事は
相手もムエタイの達人で無い限り簡単では無い。それはウォレードも同じで、がっちり真由美に首をロックされてしまった。
「うら、やぁ、どあ、らっ、だぁぁ、よっ、らっ、やっ、あっ、らああああ!!」
まず12発を最初に、そこからジャンプしつつ空中で3発、そしておまけにもう1発の合計で16発の膝蹴りをウォレードの腹に叩き込む。
「あが……」
意識が朦朧としているウォレード目掛けて真由美は双剣を持っている彼の両腕をそれぞれ片方の手で掴み、アゴ目掛けて頭を両膝で
勢い良く蹴り上げてウォレードの首の骨をへし折った。
「ひきゅっ……」
奇妙なうめき声を上げてウォレードは地面に背中から倒れ込み、息絶える。そんなウォレードを真由美は立ち上がりつつ見下ろし、
振り返って皆の元へと走り出すのであった。
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