Run to the Another World第206話


森林方面へと逃げつつ、他のメンバーも戦いを繰り広げているガケの広場の方に

やって来た陽介はフリーランニングの身軽な動きで敵兵士を翻弄しつつ、総合格闘技で培った

テクニックに加えてディールを師匠として精度を高めたパンチやキック、関節技も駆使して頑張る。

「ふっ!!」

きりもみ回転しながら膝蹴りをしたり、敵兵士の背中を飛び越えながら後ろに回り込んで首に

腕を回してへし折ったりと普通の戦い方では無い非常にトリッキーなバトルを繰り広げているのが特徴だ。

しかし、そんなトリッキーなバトルを繰り広げる陽介に衝撃的な光景がこの後目に飛び込んで来た!!

「うおぅ!?」

何と双剣のロングソードに炎を纏わせて突撃して来る剣士が1人。さっきの広場で出会った血濡れの

狂戦士の1人では無いか。どうやら陽介をターゲットにして来た様である。


(何だあいつ!?)

当然の疑問を頭に浮かべつつも、陽介も当然何もせずにやられる訳にはいかないので対抗せざるを得ない。

炎のロングソードの攻撃もそうだが、巧みにキック技も繰り出して来て陽介を翻弄する剣士。

左、右とキックを放って来るので陽介もそのキックに足を合わせて対抗。更に振り被って来たロングソードも

身軽な動きで避ける。が、避けた後の隙を突いて剣士は前蹴りを陽介の腹にヒットさせ、体重が軽い陽介は

その衝撃で後ろに転がる。

「ぐおうっ!」

更に倒れ込んで起き上がろうとした陽介の腹を剣士は思いっ切り蹴り上げる。

「がはっ!?」

物凄い衝撃が自分の腹を襲ったがまだ大丈夫である。


だが、何とか立ち上がった陽介に再び剣士が前蹴りを放って陽介は後ろのガケギリギリまで転がる。

(危ねぇ……!!)

安心している暇は無いのですぐに立ち上がると、剣士がまたもや前蹴りを放って来たので咄嗟に

その左足を陽介は両手でキャッチして捻る。

「ぐっ!?」

その足を放り投げて剣士のバランスを崩し、ガケ際での戦いに持ち込む。最初の時と同じ様に剣士のキックに

上手く足を合わせて対抗する陽介は、また前蹴りを食らわない様に先手必勝で剣士の胸に肘を入れ、そこから

お返しに自分も前蹴り。


「うお、おっ!?」

その前蹴りで剣士はガケから落ちそうになり、思わず今自分が蹴った剣士の胸を掴んで落下を阻止する。

「ふぅ……」

一息ついた陽介だったが、そんな陽介に恩を仇で返す様に陽介の胸に剣士は頭突き。

「ぐふぉっふ!?」

更に燃え盛るロングソードを振り被って来たので、陽介は素早く足のバネを使って男の胸にサマーソルトキックを

繰り出してガケの外へと蹴り飛ばす。

「うおわぁぁあーーーーっ!?」

当然剣士はガケの下へと落ちて行き絶命する事となり、バトルは陽介の勝利でこうして幕を閉じた。


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