Run to the Another World第200話


ちなみに今回城の中で戦った異世界人9人の内、リーダーの3人を除く6人は全員RPGに

詳しいと言う特徴を持っていた。様々な会社の色々なRPGをやって来ており、剣と魔法の王道

ファンタジーから始まってシミュレーションRPG、アクションRPG、更にはネットゲームのRPGにも

手を出す程のRPG好きの6人なのだ。それだけRPGが好きな6人だったが、実際にこうした

剣と魔法とドラゴンの世界にやって来て見るとやはり何もかも違う体験になった。

「まさか僕達があそこまで戦うとは思わなかったけど、もうこの旅も終わりか」

「そうだなー。凄く色の濃い旅だったぜ」

「これだけ衝撃的な体験をしても、向こうに戻ってこの話を信じてくれる奴は居ないだろうよ」

「頭の可笑しい奴と思われるのがオチだろうしな」

「でも、俺達は確かにこうした体験をした。それで良いじゃないか」

「ああ。RPGにもまたやりがいが出来たってもんだ」


だが新たな陸地に乗り込む前に、今日の戦いの疲れを癒すべくまずは王都で休息をとってから

翌日の朝に改めて出発する事になった。その間はまず異世界人達と人間の姿のドラゴン達が

エウリア城の中に存在している大会議室にそれぞれ1人ずつ呼び出されて各国の王と宰相と

騎士団長達が居る中で事細かにインタビューされたり、エウリア城の中を異世界人達と各国軍で

掃除したり、ドラゴン達がこれからの事について話し合ったり、戦争の後始末をしたりしてすぐに日も暮れた。

が、あの新しく出て来た陸地については全くの未踏の地なので用心しなければならないと言うのが一同の

総意になった事もあり、各々の武器のチェックにそれから体調管理もそうだし、未知の生物が居ないとも

限らないので慎重に行動する事をスローガンにしたのである。


そして翌朝、一同はそれぞれ準備を整えてから新たなる陸地へと進んで行く事にする。

取りあえずは異世界人達とドラゴン達が先頭で、その後ろに各国軍がついて行くと言う状況で合意された。

「それじゃあ行くとしよう」

『ああ。何が起きるか分からないがな』

ハリドとタリヴァルのその声で、一同は未踏の陸地へと歩き出して行く。陸地自体はゼッザオのエウリア城の

後ろに存在しており、地図で言う所のゼッザオの南に新しくプラスアルファの形で描き加えられる事になった。

陸地はゼッザオとそのまま繋がっているので移動には別に困らないのだが、他のヘルヴァナールの大陸と

繋がる事は無かったので、もし繋がっていれば移動も楽だったのにな……と言うのがグラルバルトの話だった。

「さぁ、まずはどんな建物が姿を現すんだ?」

「非常に興味深いな」

サエリクスとジェイノリーも物凄くワクワクしている。


その陸地にはビルや家等の建造物が多数建設されており、建造物の地帯の前に来ると

大きな広場があったのでそこで一旦作戦会議。理由はその広場にあった大きな看板だ。

どうもその看板によればこの陸地は大きく分けて3つの区画で構成されているらしく、

西の方には港湾区域、北の方に森林、東にはダウンタウン、そして南に向かえば

今来たルートでゼッザオに繋がっており、中心部にはあのタワーと広場がある様だ。

と言う訳で、まずはチームを分けてそれぞれ分担して探索する事にした。


分担する基準としては、それぞれのチームと関係している国のメンバーがつく事になる。

結果として、博人達と孝司達にはイディリークとラーフィティアで港湾方面を探索。

淳達とハール達にはアーエリヴァとヴィーンラディでダウンタウン方面を探索。

令次達と和美達のチームはヴィルトディンとエスヴェテレスがついて森林方面を探索。

ヨーロッパの5人と一緒にファルスとバーレンとシュアとドラゴンがついて市街地を探索。

最後のシンボルとなっているタワーには一旦探索を終えてから全員で乗り込む事になった。



Run to the Another World ゼッザオ王国編 完


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