Run to the Another World第179話
ブラインと呼ばれた紫頭の剣士に、マルニスと呼ばれた3人の中のリーダー格の様な剣士が
下がって様子を見物。ブラインは腰に下げているロングソードを抜いて斬りかかって来るが、そんな
ブラインの振り下ろしを連は両手でブラインの手を押さえてブロックしてから下段回し蹴りと腹への
前蹴りを使って怯ませる。
「ぐっ……」
それでもブラインは左手の素手も併用してまた斬りかかって来るので、長い空手生活と首都高サーキットの
レースで鍛えた反射神経と動体視力と身体能力をフル活用してブロックし、弾き、そして蹴り返す。
「ぐおあ!」
連のミドルキックを腹に食らって倒れ込んだブラインだったが、今度はそのブラインに気を取られていた
連に金髪の男が思いっ切り全力ダッシュからドロップキックを食らわせる。
「うごぉ!」
倒れ込んだ連を強引に髪の毛を掴んで起こし、懐から短剣を取り出して今度は金髪の男が連の相手になった。
短剣を振り回すのが結構上手い金髪の男に連は苦戦しつつも、ブラインの時とはまた違い最小限の動きで
短剣での攻撃をブロックし、かわす。だが連続してバトルするのは結構疲れるので、その疲れで一瞬連が
ぐらついた所で金髪の男は連の襟首を掴んで、そのまま壁に向かって連を投げ飛ばして背中からぶつける事に成功。
「ぐあっ!」
「ふっふん、どうだい?」
金髪の男はキザな口調でブラインとマルニスに問い掛ける。
「おー、なかなかやるなレディク」
「でもまだ終わってないみたいだよ」
ブラインにレディクと呼ばれた金髪の男にマルニスがそう言うと、レディクはまだ立ち上がって来る連に気がつき再び
自分の武器の短剣で斬りかかる。
「……そらっ!」
短剣を再び振り回して連に向かうレディクだが、壁にぶつかった事で連はどんな奴が相手なのかを今一度
判断する事が出来、レディクに冷静に立ち向かう。
短剣の攻撃をかわし、そこから短剣を持っている手を掴んで後ろに捻り上げてそのままレディクの背中に
膝蹴りを4発打ち付ける。
「うぐ、あが、ああ、おが!」
今度はレディクの身体の前側を自分の方へと向け、今の膝蹴りで怯んだそのレディクの腹に思いっ切り
正拳突きを入れてぶっ飛ばす。
「あがあ!」
「くっ……」
今度はマルニスがロングソードを抜いて斬りかかって来る。ブラインとはちょっとだけロングソードの扱い方が
違う様だが基本的には変わらない様なので、これも連はブロックしたりかわしたりして対処。
「このお!」
更にそこにレディクがまた斬りかかって来たが、短剣を持っている彼の右手を連は左手でブロックして、
代わりに正拳突きを3発レディクに叩き込んで怯ませて退場させ、再びマルニスとバトル。
マルニスの剣術に連は頑張って対抗していたが、余り時間を掛ける訳にはいかないのでハイキックでマルニスの
ロングソードを弾き、それによってマルニスがバランスを崩した所で連は跳び上がって宙返りをしつつ、右足の裏を
マルニスの側頭部にぶち当てる事に成功。これによってマルニスは地面へと倒れ込んだが、それはもう手加減無しの
バトルがスタートした事を意味する合図でもあった……。
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