Run to the Another World第167話


そんな事件をメンバーが起こしてから半年後、2004年の初頭に浩夜の元に1通のメールが届く。

それは首都高サーキットでの浩夜の活躍を見ていたと言うレースチームからのドライバーへの誘いであった。

そのチームでレース活動に精を出していたものの、もう1人のドライバーとはそりが合わずに関係が

もつれてしまい一旦サーキットから去ってしまう。だがそんな彼に声をかけたのが別のワークスチームだった。

そこに所属する事になったのだが、そこでの仕事はドライバーと言ってもレーシングドライバーでは無く、

RX−8を使ったワークスメーカーでパーツテストをするテストドライバーだったのだ。

なので、翌年の2005年から活動を再開したワークステストドライバーの浩夜はそのまま同時期に

開催されたC1グランプリにも参戦し、そこで白石瑠璃とバトルしてあえなく敗北する結果に。

それと同時に資金難がそのチームを襲い、ワークスチームは解散してしまう事になった。


だけどそんな浩夜にまたもや転機が訪れる。かつての高校の時のロックバンドのメンバーだった1人に声を

掛けられた。彼はアニメやマンガを扱う出版社に就職しており、その縁で今度ロックバンドを題材にした

アニメをやるからそれにゲスト出演の声優として出てみないかと言う物だった。

車関係の人間関係に疲れ切っていた浩夜は気楽な気持ちで参加したのだったが、その脱力具合が

思わぬ上手さを呼び込んだ。その声のゲスト出演で監督の目に留まった浩夜は、声優の学校へと

通いながら橋役で声優としてアニメや映画、それからナレーターや子供向け番組等様々なテレビ番組への

出演を果たす人気声優への階段を駆け上がって行く。その声優としての仕事を今では生業にしており、

首都高のパーキングエリアで声をかけられる事も多い。


その声優としての仕事の中で、走り屋を題材にしたアニメの主人公を演じる事になったのが切っ掛けで

再び車への情熱が再燃し、走りにもう1度目覚める事になった。その時にはもうS15シルビアもヤレが

酷くなって処分していたので新たにZ32フェアレディZを購入し、そのアニメの原作者と一緒にフェアレディZを

仕上げていたエピソードがある。そのフェアレディZで首都高を走っていた時に淳に声をかけられ、今のチーム

Be Legendにスカウトされて今でも現役で走っている。そして車もフェアレディZをクラッシュさせてしまったのが

切っ掛けで今までとは違った車に乗りたいと思い、S15シルビアのエンジンを載せたS110シルビアに乗り換えた。


更に彼にはもう1つのエピソードがある。それは歳を重ねるに連れてリズム感が鈍って来た事を実感せずには

居られなかった。そんなある日、格闘技のテレビ番組を見て、その動きから「これだ!」とリズム感を養う為に

一発奮起した浩夜は体力維持にも役立つと考えて周二、陽介と共に総合格闘技を29歳の2002年から

始めた。だがその総合格闘技で戦法に行き詰まっていた時に、足技の強化と関節技の強化をする為に

すでに知り合いになっていた真由美と和美に相談した所、真由美からは破壊力の高い打撃が特徴の

ムエタイを、和美からはロシア軍が使う軍隊格闘術でもある関節技系のコマンドサンボを提案され、

今はその2人と共に時々特訓もしている。元々ロックバンドのギタリストとして活動していた

浩夜だからこそリズム感が抜群な為、相手の動きを読むのが大の得意と言う特徴がある。


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