Run to the Another World第116話
最初は御互いに様子を見て攻撃のタイミングをそろそろと計る。そして先に動いたのは黒髪の男だった。
どうやら格闘術にも自信があるらしい。小さくジャンプしながら左足を突き出して前へと進み、
ハールに左のパンチ。ハールは当然避けるのでそこに左のミドルキックを黒髪の男は腹に入れる。
それからもう1度左のパンチを繰り出し、更に近づきつつ自分から間合いを取る為に
離れようとしたハールに上手く左ハイキック。そのハイキックはハールの顔面を直撃。
「ぐっ……」
ガードしきれずにハールはややふらつくがまだまだ続行可能。
そんなハールに黒髪の男は左手でクイクイと来る様に挑発。
今度はハールが先に攻める。右のパンチ2発連続、右ハイキック、
右ミドルキックと続けて攻めるが大振りになった次の左パンチをかわし、
そこに上手く黒髪の男は右ボディブローを文字通りハールのボディに。
しかし真っ直ぐ当たった訳では無くややハールの身体がずれたので、
ハールは左足が黒髪の男の背中に届くのを確認し、その黒髪の男の背中に
左足で蹴りを入れた。
「つぅ……いやあぁ!」
黒髪の男が攻めモードに入る。左のハイキック2発、向かって来たハールの
左のパンチをかわしつつもう1発。カウンター気味にハールが左キックを繰り出して
来るので、それもかわして右のミドルキック。そこから左ハイキックを素早く繰り出し、
左パンチ2発からさっきと同じ様にやや離れたハールに今度は左ミドルキックでぶっ飛ばす。
「ぬはあ!」
足がもつれて後ろに転がったハールに、黒髪の男は小走りで近づいて行き容赦無く攻める。
起き上がったばかりのハールに左ハイキック、右から左への連続パンチ、それから左の回し蹴り、
更に左の2連続ハイキック、それを低い姿勢でガードしたハールの足に下段右回し蹴り。そのまま
バランスを崩したハールの背中に左のミドルキックを打ち込む。
「ぐあ!」
更に追い討ちをかけてこようとする黒髪の男にハールは付き合わず、後ろの落下防止用の
柵の上に上手く飛び乗って、そこから何とバック宙で黒髪の男の後ろに飛び降りつつ
黒髪の男の両肩を両手で掴み、着地と同時に後ろに倒れこみつつ投げ飛ばすハール。
「ぬごぉ!」
投げ飛ばされた黒髪の男は半回転しながら地面へと叩き付けられ、ハールはその黒髪の男の
肩を掴んで強引に立たせるが黒髪の男も復活。
ハールは黒髪の男に左の膝を入れようとするがそれを黒髪の男は手でガードし、更に自分の肩を
掴んでいるハールの両手を両腕で振り払い、ボディががら空きの所に右のボディブロー。
そして両手でハールの身体を突き飛ばし、左のミドルキックで吹っ飛ばす。
だが吹っ飛ばされたハールは背中から後ろのアサドールが生み出したあの大きな木にぶつかるも、
そのぶつかった反動を利用して勢いをつけて、近づいて来た黒髪の男に勢いをつけて右のパンチ。
「ぐべぇ!」
顔面にパンチを入れられた黒髪の男はまだまだとばかりに立ち上がり2連続の左ハイキック。
そこから左の裏拳を入れるがハールもガードし、黒髪の男は更に右の回し蹴りをハールの背中へ。
黒髪の男とハールはまだ打ち合いを続ける。今度はパンチとパンチの応酬だが、
パワー的に若干黒髪の男が有利。そして右のボディブローで後ろに吹っ飛ばされ、
また大きな木に背中からヒットした所で左ハイキックがハールにやって来る。
「ぐふぁ!」
「よっ、ほっ!」
ハールがよろけても間髪入れずにそこに左ハイキックを2発、それから右のパンチを
繰り出す黒髪の男だがそれをハールにキャッチされ首を羽交い絞めにされる。
「ぐ、ぐぐ……」
しかし自由な両手を使い、ハールの頭を後ろで掴みそのまま思いっ切り前へと
投げ飛ばす。そして倒れ込んだハールの背中に踵を落とし、続けてハールの胸
目掛けてサッカーボールキック。
「ぐあ! あが!」
そんなハールを強引に両手で立たせた黒髪の男は思いっきりボディブローを入れようとするが、
力を振り絞ってハールは黒髪の男の最も男の大事な部分を足で蹴り付ける。
「おごぁああ!?」
悶絶する黒髪の男のボディにハールは思いっきり両足で飛び蹴り。
パワーで勝る黒髪の男もバランスを崩して後ろに盛大に倒れ込む。
「ふっ、ふっ、ふーっ!」
息を吐きながらハールは早足で黒髪の男に近づき、先程自分がやられた様に強引に
黒髪の男を両手で立たせて、そのボディに7発右のボディブローを入れる。
そして左のパンチを黒髪の男の顔面に叩き込み、最後に右の大振りパンチを
黒髪の男の顔面に全力で叩き込んだ。
「いやーぁ!」
「ぶぐっ……」
黒髪の男は空中で横に1回転し、腹から地面へ叩きつけられる。
「ぬああああっ……ぐっ……」
黒髪の男は起き上がろうとしたものの起き上がれずに続行不能で、ハールの勝ちとなった。
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