Run to the Another World第107話


S2000は昼間のレースで使っていたが、その頃の彼女は夜になるとまだ愛車として乗っていた

S15シルビアに乗り換えて、復活したサーティンデビルズのメンバーとして再び首都高サーキットと

時を同じくして進出を決めた街道サーキットへの遠征も行っていた。

シルビアのチューニングも進み、万全の体制で挑んだ筈だったのだが首都高サーキットでは

無口な走り屋の山中正樹に敗北してしまった。

しかも地元の大阪から程近い兵庫県の六甲山においては、そこに乗り込んで来たあの山下緒美の

先輩の走り屋である野上竜介にダウンヒルバトルで敗北。

2003年に大阪環状線で緒美とバトルした時から面識はあったものの、緒美の先輩の走り屋であり

プロラリードライバーと言うだけあって峠コースでは彼の方がテクニックは上だったらしく、早々に敗北

してしまったのは苦い思い出だ。


そんな彼女が乗っていたS15シルビアも激しい走りをしていたせいか、時を同じくして段々と色々な所に

トラブルが出たりして金がかかる事が増えていった。

だったらいっその事新しい車に買い換えようと思ってS15シルビアを売り、その代わりに購入したのが

まだその当時発売してそんなに年数が経っていなかったマツダのRX−8だった。

このRX−8に大幅なチューニングを施し、首都高速でその当時幅を利かせていた「ファントムナイン」と

言うチームが敗れたと言う話を聞いて万全の体制で首都高サーキットへと2006年にカムバック。


そのファントムナインを破った走り屋であり、緒美とバトルした2003年に首都高サーキットで走っていて

彼女とも面識があった早瀬瑞穂と言う現役のプロレーサーと再会を果たす。

瑞穂はFC3SのRX−7からFD3SのRX−7に乗り換えて来ていたので、ファントムナインを破った

走り屋と言う事もあり本気でバトルを申し込んだのだがその時の瑞穂にはかなわずに

結局同じロータリーマシン対決でも負けてしまった。

今は再び1番最初に乗っていたS14シルビアの前期型に「原点に返ってみよう」と言う気持ちで

RX−8から乗り換え、仕事の帰り道に首都高サーキットで爆走している。


またキックボクシングも引退したとは言え、ジムには体力維持の意味もあるので今は後輩の指導に当たっている。

ちなみに、大塚と兼山は彼女のキックボクシングの弟子に当たる。更に2000年にサーティンデビルズに入る前に

知り合った遠藤真由美とは足技使いの格闘家同士仲が良くなり、キックボクシング以外の格闘技も知っている

真由美に弟子入りして今でも格闘技のテクニックの幅を広げている。

そんな過去を持っている恵は、キックボクシングだけでは無く真由美から教わった様々な足技を使いこなす。

とは言えベースはやはりキックボクシングで有る為に、膝蹴りやローキック、ハイキック、前蹴り等が主な戦法だ。

真由美にはキックボクシングのスパーリング相手になって貰う事もあるが、それ以外にも

足技としてカポエイラのテクニックやテコンドーのアクロバティックな動きも教えて貰う事もあるし、

真由美が今も習っていると言うサバットのテクニックも最近やっている。


今異世界トリップして来たメンバー35人の中で、年齢的に言えば34歳の恵は若手だ。

サエリクスとも1歳違いだし、これから先の世代を担って行く若手のメンバーとして35人の中では

期待のホープ扱いもされる事がある。

ちなみに他に若いメンバーと言えば2歳年上のサーティンデビルズのリーダー宝坂令次36歳、

もう少しで39歳になる兼山信也38歳、同じく橋本信宏38歳、同じチームマスターズの

リーダーのハール38歳等が居る。


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