Run to the Another World第105話


今現在の他の5人の内、サエリクス以外はサーキットのC1グランプリと呼ばれるレースで

一緒に「マスター」として活動していたグループだ。

確執のある流斗と、同じメンバーの恵と和人と3人合わせてランクCのマスターとして今でも知られており、

サーキットで走る時はマスター専門のレースチームが用意してくれるS15シルビアに乗り変えて走っている。

実際の所、パルサー以降はずっとFRにしか乗っていない和人ではあるものの普段の足代わりとして

パルサーに乗る事の方が多いので、FF車のブランクは無いと言って等しい。

こんな経歴を持っている和人は合気道以外にも総合格闘技の舞台にチャレンジしている。バイクから車に

移ったのと同じ様に、投げ技と関節技以外の新たなステージを求めて11年前の33歳の時からやっているのだ。


確かに合気道もこれだけ長く続けていれば身体の使い方は分かるし合気道のテクニックだって完璧に

覚えている。しかし、同じ合気道が相手ならそれは良いのだが異種格闘戦となるとそうは行かない。

他の5人を見てみても恵はキックボクシングだし流斗はカンフーだし、アレイレルはエスクリマと

エクストリームマーシャルアーツでハールはテコンドー。サエリクスに至っては現役の軍人であり

空手、ボクシング、八卦掌、シラットを習得しているのもプラスされるのでまさに戦う事に関しての

プロフェッショナルと言える。そんな連中を相手にしても引けは取らないと思っては居るのだが、異種格闘技戦となると

合気道だけだとちょっと厳しい面もあると以前誰かが言っていたので総合格闘技にチャレンジしているのだ。


実際の話、総合格闘技をやる事によって合気道だけをやっていた頃とはまた違ったテクニックを

習得する事が出来た。それに伴って打撃面での大幅なテクニックの向上が出来たと和人は実感している。

受け身に関しては倒す事や倒される事が多い合気道で十分に習得している為に、総合格闘技での

練習で倒されてもそれ程ダメージを食らう事無く戦線復帰出来る様に身体が動きを覚えているので

合気道をやってて良かった面も当然ある。

勿論これからも総合格闘技は続けて行くつもりではあるし、合気道だって辞める気はさらさら無い。

それに和人には絶対に、どうしても、何としてでも負けたくない相手が居る。


それは今同じチームメンバーとして活動している鈴木流斗だ。

アサドールの上でも先程揉めていた様に、和人と流斗の間には2005年位から続く

確執が存在している。それは何故かと言うと、まず彼等2人が乗っている車の事が揉める切っ掛けに

なっている。和人が3ドアのパルサーVZ−R、2ドアのS13シルビアにFD3SのRX−7、そして

シルエイティと2ドアと3ドアの車しか乗っていないのに対し、流斗はアリストとヴェロッサとランエボ7と言う

4ドアの車ばかりを乗り継いで来ているのでその車選びの方針の違いが理由だった。

4ドアの方がホイールベースが長いから安定感があると言う流斗に対し、4ドアセダンごときがスポーツ

走行に向いている訳が無いと言う和人で激しくぶつかり合っているのだ。


更にアサドールの背中でもチラッと触れていたが、合気道は余り力を使わないから楽そうだと言う流斗に

対して和人曰くカンフーはグニャグニャ手と足を動かすダンスみたいなもんだろう? と言う事でお互いの

武術を認めていないフシがあるからこちらもかなり厄介だ。とは言えども今だけに限ってはアサドールと

言うドラゴンの同じ波動で選ばれたメンバー同士なので、共同戦線を張ってこのヴィーンラディ王国で

きちんとアクセサリーを回収する役目を果たさなければいけないと言う事だから、和人と流斗も年齢が1歳

違いのもう良い歳と言う事もありその歳相応に分をわきまえようと言う心構えはきちんと持っているらしい。


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