Run to the Another World第2部プロローグ3
更にその3チームと同じC1グランプリで「マスター」と言う役職に就いていたのが
ハール、アレイレル、流斗、恵、和人の緑のドラゴンに選ばれたチーム。
C1グランプリはランクA、ランクB、ランクCと分かれており、更にその上に
「C1GP(グランプリ)」と呼ばれるクラスがあり、令次、和美、孝司達3チームは
そのC1GPライセンスを持っている15人だ。
C1グランプリに参加する前にC→B→Aと3つの下位ランクがあり、そしてC1GPに
ステップアップして行くシステムだ。C1グランプリに参加する為には、それぞれのランクに居る
「マスター」と呼ばれる一番速い奴を倒す事が条件となる。そうする事でランクが上がり、
ライバルも速い者がどんどん出て来るのである。
コースはフィールド1から3迄分けられており、数字が大きければ大きい程難しくテクニカルなコースになって来る。
全てのコースでランクAからCまで開催されており、何処に行けば自分のランクで走れるかが一目でわかる様に
インターネットでもわかるようになっている仕組みだ。
フィールド1のランクCのマスターが恵で、フィールド2のランクCが流斗、フィールド3の
ランクCが和人となっており、その上のフィールド1のランクBがアレイレルがマスターを勤め、
フィールド2のランクAのマスターがハールとなっていたので、リーダーはハールと言う事になるのであろう。
黄色いドラゴンに選ばれた、現在も首都高サーキットで活動しているチームメンバー繋がりなのが
淳、連、ディール、浩夜、陽介の「Be Legend」。いずれもかつて名を馳せた実力のある
走り屋が揃っている。しかし年齢のピークを過ぎていたり、事情があって走りの世界から
離れていた等それぞれ問題を抱えていた。そんな走り屋達を集め、音速のナポレオンが
チームを結成した。お互いに刺激し合う事で往年の走りを取り戻す事を目的とした、
別名「走り屋再生工場」。元々マシンもテクニックも申し分の無いメンバーが集まっているので、
あっと言う間にトップクラスに躍り出た。
リーダーの淳を含めてメンバーは全部で9人。リーダーが「音速のナポレオン」こと坂本淳、メンバーが
「クイーンズナイト」ことグレイル・カルス、「ハードリフ」こと穂村浩夜 、「エキゾーストイヴ」こと百瀬和美、
「黄金の疾風」こと松原周二、「シタール兼山」こと兼山信也、「パープルメテオ」こと椎名連、
「ブループレッシャー」ことハクロ・ディール、「影の謀反者」こと橘陽介で9人である。
最後に余った奴等で、時期は違えどサーティンデビルズに所属していた
メンバーで構成されたのが博人、洋子、大塚、岩村、栗山のチームだった。
令次達の得意分野であるSPバトルは、首都高がサーキットに生まれ変わった
1999年からスタートしたので、もう今年で14年目になる。その中で
博人が元々「首都高の四天王」と呼ばれており、更にその1年後の2000年から
他の4人が首都高サーキットで有名になって行ったので、最も早く、そして最も古くから
首都高サーキットで有名になっていた博人が波動が違う者として選ばれたのでは無いかと
言うのがこの5人の結論であった。
「ともかく、これで日本に居る奴等のチームは結成されたな」
サエリクスが1つの問題が解決した事に安堵の表情を浮かべる。
更にアイトエルがこんな事を言い出した。
「それから波動が違う奴に関してなんだが……チーム名をつけた方がそれぞれ
分かりやすいだろう。ドラゴンに選ばれて結成されたチームだからな」
「そう、か……」
チーム名と言う単語に淳が納得し、6チームそれぞれの名前を話し合って決める。
まず博人のチームはその博人が先程出した「寄せ集めサーティンデビルズ」で
満場一致で決定。
淳のチーム名もまた「Be Legend」で文句無しで決定される。
「僕達のチーム名だけど、どうしよう?」
「えー? 俺達全員マスターだったから、マスターズとかで良いんじゃない?」
「ならそれで決まりね」
ハールのチーム名もこれまた流斗が出した案がすっぱりと採用され、
チーム名は「master's」となった。
残る3チームはSP、DP、RPだが……。
「俺思うんだが、なるべく分かり易い様に例えばSPだったら
スピードプロデュースとか、そう言うのが良いと思う」
「あ、俺はそれが良いと思う!」
「なら考えて……」
「いや、孝司のそのチーム名をそのまま貰うぞ!」
「へっ?」
孝司が出した「スピードプロデュース」と言う単語を真由美が
気に入ったので、令次達5人のチーム名は「Speed Produce」に決定した。
「私達は……そうねぇ、ドリフトパフォーマーズとかでも良いと思うけど、色々この世界で
物を壊して来ちゃったから、デストラクションパフォーマーズと言うのはどうかしら?」
そう和美が問いかけるが、他の4人の反応は何処か冷ややかだ。
「和美が良いなら良いんじゃないか?」
「ああ。俺達そんなにチーム名に拘っている訳でも無いし」
「それじゃそれで決まりで良いわよ」
「俺達全員文句無しだ」
その4人の言葉で、「Destruction Performers」にチーム名が決まった。
最後は孝司達のチームだが。
「安直なチーム名ならたった今俺が考え付いた」
「え、どんな?」
兼山が橋本にチーム名を聞き出す。
「レーシングプロジェクト。どうだ?」
「うーん……良いと思うよ」
兼山が少し悩むのを見て、橋本が微妙な表情になる。
「何か違う案あるか?」
「いや、俺はそれで良いよ。俺も別にチーム名に拘らないから」
「ああ、俺も良いぜ」
「元々レースのポイントで競ってたしな、俺等」
「ならそれで決まりって事で」
何だか微妙な空気になりつつも、孝司達は「Racing Project」と言うチーム名で決まる事が発表された。
「で、チーム名が決まったがリーダーはそれぞれどうするんだ?」
そのジェイノリーの言葉にこれまた悩む30人。
「うーん、Be Legendは淳がリーダーで良いと思うし、ハール達は
ハールがランクAのマスターだったからハールで良いと思うんだけど……」
和美が腕を組んで悩むが、そこに効果的なアドバイスを出したのがバラリーだった。
「波動が違う奴がリーダーで良いんじゃあ無いのか? 話を聞く限り淳もハールもそれぞれ波動が違っていたからな」
「成る程、その案乗ったわ!」
と言う事で寄せ集めサーティンデビルズが博人、Racing Projectが孝司、
Speed Produceが令次、Master'sがハール、Be Legendが淳、
Destruction Performersが和美と言うリーダー選出の結果になった。
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