Run to the Another World第2部プロローグ2
「もっと他にも色々聞きたい事がある。まず、俺達のこのチーム分け。
これって一体如何言うメンバーの振り分けって事なんだ? それに
まだそれぞれ違う国のメンバーはドラゴンに波動を調べて貰って無いぜ」
博人がそうドラゴン達に言うと、ドラゴン達は思い出したかの様に言った。
『そうだった、それぞれまだ我等が調べてない奴等が居るな』
『なら調べるとしよう。我輩達に波動をまだ確認されて無い奴だけ集まれ』
と言う事でそのメンバーをそれぞれ調べて貰うと……。
灰色のドラゴンが栗山、岩村、大塚、洋子、そして博人。
白いドラゴンが兼山、周二、橋本、グレイル、そして孝司。
青いドラゴンが明、岸、弘樹、真由美、そして令次。
赤いドラゴンが哲、藤尾、由佳、永治、そして和美。
黄色いドラゴンが陽介、浩夜、ディール、連、そして淳。
緑のドラゴンが和人、恵、流斗、アレイレル、そしてハールと言う結果に。
これでようやく6色のドラゴンに波動が見えるメンバーが揃った事になるが、
ドラゴン達曰くヨーロッパチームにはどうやら波動が見えないらしい。
「俺達はどうやらドラゴンに選ばれて無い様だな」
「仕方が無いだろう、ドラゴンが選んだんだから」
「それもそうか」
だが、何故ドラゴンはこう言うチームの振り分けをしたのだろうか?
「さっき博人も言ってたけど、何でこのメンバーの振り分けになったんだい?」
ハールがそう問いかけてみるが、白いドラゴンから返ってきた答えは予想外の物だった。
『何故って……それは我等よりも、御前達が1番知っている事じゃ無いのか?』
「へっ?」
自分達の方が良く知っているとは意味が分からないので、思わずハールは
きょとんとした顔になってしまう。
「僕達の方が良く知っている……?」
「それに俺達の中で1人ずつ波動が違う奴も居るんだよな?」
「ああ、そいつだけは特別な奴って事になるのかな」
「うーん……何でこの5人なのかしら」
「心当たりが有りそうで無さそうな……」
「わっかんねーなー……?」
ハール、淳、孝司、和美、令次、博人の6人を筆頭に頭を悩ませるメンバー達。
だが、その時明と藤尾がさっと手を上げる。
「あ、俺分かったかもしれない、この振り分けの仕方について」
「俺も、何と無くだけど予想がついた」
その2人の言葉に、他のメンバーの視線が一斉にその2人に集中する。
「如何言う事だ?」
「俺達にどんな繋がりがあるんだ!?」
岸と兼山も興味津々である。
そして明と藤尾はその場に居るヨーロッパチーム以外と、30人の中で一部を除いた
メンバーがハッとする答えを口に出した。
「ほら覚えてないか? C1グランプリ」
「赤と白と青と緑はその繋がりじゃないか!?」
その予測に、赤と白と青と緑の明と藤尾以外のメンバーも何かに気がついた様な顔をした。
「あ、ああ……」
「そう言えばあったな、C1GP……」
「そうか、きっとそれだ!!」
「そうなると全て辻褄が合うな!」
「SP、DP、RP、そしてマスター繋がりか!」
結論を言うと、2005年から「C1グランプリ」と言う車のレースの大会が開催されているのだが、
C1グランプリにおいては幾つかのジャンルによってレースが開催されているが、メンバー達がドラゴンに
選ばれたのはそれが大きく関係していたのである。
そのレースのジャンルの得意分野が違うメンバーで構成されたのが3チームだったのだ。
そのC1グランプリのメンバーで深く関わりを持っていたそれぞれのジャンルの
メンバー同士が、こうしてドラゴンのそれぞれの波動として現れたと言う事に
なるのであれば、それで辻褄が合うと言う事になるので35人も納得が出来るのであった。
1つ目がまず(Spirit Point)と言う人間の精神力に見立てたポイントを削り合うバトルで、
通称「SPバトル」と呼ばれているこれは、車内にそのゲージが表示されている機械を設置し
ライバルとのバトルの時だけ起動するハイテクシステムを使ってバトルする。
他の車や壁にぶつかったり、ライバルに引き離されるとどんどんSPゲージが減って行き
自分またはライバルのSPゲージが全て無くなると勝敗がつくので、いかにライバルより
前に居る時間が長いか、いかにライバルを引き離すかが勝負の鍵となる。
そのSPバトルにおいて最高ランクの成績を残していた5人が、青いドラゴンに選ばれた
令次、真由美、弘樹、岸、明のチームSPだ。
次に「DPバトル」と呼ばれるジャンルでトップクラスだった5人が、赤いドラゴンに
選ばれる事になった和美、永治、藤尾、由佳、哲のチームDP。
これは一定区間内でプレイヤーがドリフトをし、SPゲージと同じく車内に取り付けられた
ドリフトを計測する為の機械を使って特定のDPポイント(Drift Point)と呼ばれるポイントを
ライバルが稼ぎ出したポイント以上を稼ぐと勝利となる。途中でスピンをしてしまったり
止まってしまったり、コースアウトしたりすれば勿論ドリフトポイントはその時点でゼロになってしまう。
反対に連続でそれぞれの区間のドリフトを決めて行けば、区間内連続成功ボーナスコンボとして
ボーナスポイントが入ってどんどんポイントが貯まるシステムなのだ。
最後の3つ目が「RPバトル」と呼ばれる、5台のライバルカーと同時にスタートし、コースを
規定周回数を走るバトル。いわゆる普通のレースとなるのだが、このバトルシステムには
RPポイント(Racing Penalty Point)と呼ばれるポイントがあり、レース開始時にそれぞれ
100ポイント持っている状態でレースがスタートする。そのRPポイントは他の車にぶつかったり、
壁への衝突やコースアウト、コースの逆走によって減少するシステムだ。
RPポイントが50ポイントを下回るとピットストップさせられ、RPポイントが満タンの100に
戻る迄コースには復帰出来なくなる。また、RPポイントが0になると強制的にリタイアさせられてしまう。
このRPバトルのトップクラスに位置していたのが、白いドラゴンに選び出された
孝司、グレイル、橋本、周二、兼山5人で構成されたチームRPだった。
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