Shutoukou Express and Kaido Runners vs Stomers 2nd Stage第3話


今しがた手に入れた映像の証拠もあるので、これをどうするかと言う相談を

ハンズフリー機能の電話でSkypeを起動させてお互いに会話する事に。

「警察に持って行って後は全部任せようぜ。全員別々に持ってるんだろう?」

渡辺の問い掛けに他の3人からはイエスの答えが返って来たので、

このワインディングセクションを下り切って警察署まで向かう事にした。

……が。

(……ん? 何か後ろから凄い勢いの車が来るぞ?)

最後尾を走るスカイラインクーペの真治がバックミラーでその車に気がつく。

そして何と、その車は白昼だと言うのにスカイラインクーペのリアバンパーをコツンとソフトタッチして来た!!


「ホープ、逃がさないでよ!」

「分かってるわよ!! でも4台も居るからどれを追いかけた方が良いかしら!?」

ホープはC4を飛ばして警察車両と合流し、そのままワインディングセクションの頂上までやって来た。

しかしその頂上にある駐車場から、明らかに大慌てで走り去る4台の車を見つけてしまったのだ。

更に頂上で明らかに怪しい取り引きの様な事をしていた黒いベンツやBMWの集団も一部が

逃げ出したり、何と銃で警察に応戦して来たのだ。

ホープとディアナはこう言う荒事にも慣れているつもりなのだが、銃火器を持ち出されてしまうと

非常に危険なので一旦退却してハートマンとクララを通して応援を要請する。

そして現場から逃げ去った怪しい4台の車の事を伝えると、ハートマン曰くその4台も怪しいとの事で

急いで追いかける様に指示が下されたのだ。


ソールとホープを始めとしたストーマーの存在はこのキャロラインシティでは有名な存在だ。

とは言っても、この街で活動しているストーマーがソールとゴードン、ホープとディアナのチームしか

居ないので必然的にこの2つのコンビに依頼が回って来る事になるのだが。

そして案の定、自分達の存在に気がついた前の4台はスピードアップして逃走を図る。

「市街地に逃げ込まれたら手分けして逃げられる可能性があるわ。その前に全員止めるのよ!」

「任せて!!」

ディアナの冷静な指示にホープは元気良く返答し、まだこの先1本道が続くワインディングセクションの

今度はダウンヒルを走り抜ける事になった。


中低速コーナーが入り混じったステージであるので、こう言ったセクションはC4の得意分野である。

……筈なのだが、前の4台の車はなかなか速い。

しかも良く見てみるとC4と同じくチューニングしているチューニングカーの様で、ディアナが横で連絡している

ハートマン曰く、カモフラージュの為にあの連中が雇った運び屋かも知れないと言う予想があった。

となれば、運び屋を捕まえる事が出来なければ証拠となる色々な物も持ち去られてしまうだろう。

「応援のパトカーはまだ!?」

「さっきの場所の対応で手一杯で、まだ時間が掛かるって。だから見失わないでね!」

「了解!」

ディアナの報告を受けて、ホープは引き離されない様にアクセルを踏み込む。


4台の内、最後尾を走っている真治は傭兵として戦場で鍛えた鋼の精神力で後ろのC4の存在を

まるで気にしない冷静なドライビングを見せる。

(後ろの車……地元の走り屋って所か? こんな時にバトルなんて馬鹿げてる)

そう思って道路の脇に寄って先に行かせようとしたのだが、何とそのC4は覆い被さる様にブロックして

強引に道を塞いで来たのだ。

「うお……!?」

余りにも危険なその行為。明らかに普通の走り屋と言う雰囲気では無い。

「如何した真治、遅れているぞ!」

スカイプを通して前を走るスティーブのSW20から声が響くが、真治はそれでもなるべく冷静に状況を伝える。


「危険な奴が絡んで来ている。どうして俺達とバトルしたいらしい走り屋か、もしくはさっきの奴等の仲間の

可能性もあるな」

「何? 車種は分かるか?」

「んん……ああ、シトロエンのC4クーペだ。エキゾーストノートからするとかなりのチューニングがされている

みたいだし、地元だからか普通に走るとなかなか振り切れそうに無い。御前達は先に行け。俺が足止めをしておく」

「……分かった、無理はするなよ」

少し戸惑った様な間を置いて、スティーブがOKを出した。

「じゃあ俺達はそれぞれ別の方角に逃げる。お互いに何処に居るかを逐一連絡するんだ、良いな!」

「分かった!! なら俺は海岸線方面へ行く!!」

渡辺の指示に仁史がそう答え、真治のスカイラインクーペにC4を任せて3人はペースアップした。


こんな危険な旅行はもうこりごりだが、ここまで首を突っ込んでしまって

しかも現在はあの連中の仲間の可能性がある謎のC4に追われてしまっている。

もしC4に捕まってしまえば命の危険だってあるだろう。

だったら今まで自分の培って来たドライビングテクニック、そして場合によっては傭兵として

戦場で活躍して来たその経験で力づくの実力行使も止むを得ないと判断しながら、

とにかく出来るだけ前の3台が遠くに逃げるまでC4を足止めするべく後ろの動きに

真治は集中し始めた。


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