Shutoukou Express and Kaido Runners vs Stomers 2nd Stage第1話


時は2016年の11月11日。

アメリカのキャロラインシティと呼ばれる比較的大きな地方都市。

このアメリカの街で暮らしているのがソールとゴードン、ホープにディアナ、

そしてハートマンとクララの3組のコンビである。

この3組は以前、日本人3人のトリオがこの町にやって来た時にカーチェイスを繰り広げたのは

まだ記憶に新しいのだが……どうやら今回もまた、このキャロラインシティにやって来た来訪者達との

揉め事に巻き込まれる事になるらしかったのである。

何故ならば、その来訪者達の中の1人にソールとゴードンが現在銃口を向けている状況だったのだ。


そもそも、こんな状況になってしまうまでには非常にややこしい問題が複雑に絡み合った結果だったからだ。

スパイクホーク・ストーマー事務所の一員として街を流していたホープとディアナは、

キャロラインシティ市内で探偵業を営んでいるプリヨシティ時代からの付き合いの

ハートマンとクララのコンビからとある情報を貰ってその現場に急行していた。

「何か、警察官にでもなった気分ね」

「本当。でも、これも私達ストーマーの仕事よ!」

とある情報と言うのは、キャロラインシティのワインディングセクションの頂上まで上って行くとそこに

この都市が出来るまで昔色々な功績を残したと言われている歴史上の重要人物の銅像が

建てられており、一種の観光スポットとなっている。

そこで最近奇妙な集団が集まる様子が何度か目撃されており、警察が向かって警戒されるよりは

探偵に調査を依頼した方が無難だと言う事で、この町の市警察にも顔が利く存在になっている

ハートマンとクララの元に市警察から頼まれた。

だが、あいにくその頼まれたコンビは別の事件の調査を引き受けてしまっていた為手が空かず、

ならばと言う事でホープとディアナに依頼が回って来たと言う訳だった。


ストーマーの仕事は車関係であれば大体の事を請け負う。

男女問わずストーマー達は車の整備に関しては出来ない事も無いのだが、高度なドライビングテクニックを

駆使して車を操り、そのドライヒングテクニックが必要とされる様な依頼があれば引き受け、成功したあかつきには

それ相応の高額な報酬を受け取る事で有名な、車を使ったバウンティハンターと言えるべき存在なのだ。

ホープもディアナもストーマーしてはかれこれ既に10年以上のキャリアを持っているので、今は新しい事務所を

このキャロラインシティに構えるまでに成長している。

とは言え、元々はプリヨシティで活動していた時に出会ったソールとゴードンの手伝いをしている立場でもあるので、

今回の様にそのソールとゴードンの事務所であるスパイクホーク・ストーマー事務所の一員として行動する事もあるのだ。


報酬が貰える車の仕事であるならば、警察から逃げる事だって日常茶飯事。

今回の事件の情報をくれたハートマンやクララは、元々プリヨシティの警察官だったのだ。

警察に協力する立場のこうした依頼も勿論あるので、戦場で依頼主を変えて渡り歩く傭兵と言っても差し支えない。

ストーマー達の戦場とも言える町の道路を走り回り、ホープとディアナは愛車のシトロエンC4で目的地へと急ぐ。

急ぐ為にはノーマルのままでは色々と不安がある為、各所のチューニングも当然施してある。

彼女達が乗っているC4は元々WRC等のラリーベースマシンと言う事で、駆動形式こそFFのままだがエンジンは

長いストーマー生活の中で出来た色々なツテを探し回ってWRCに参戦しているマシンと同じエンジンを

手に入れる事が出来たのだ。

非常にハイパワーなターボエンジンに対して足回りのトラクションがFFだけあって不足気味ではあるものの、

それを感じさせないドライヒングテクニックで多くの依頼を遂行するのに役立った。

以前の日本からやって来たと言うトリオの運転する車の1台を追いかける時も割と楽について行けたし、

その前に同じく日本からやって来た青のCRーXデルソルを追いかけた時も同じだった。

ハイスピードセクションのハイウェイ区間では苦戦を強いられるものの、タイトコーナーの連続する様な

ワインディングセクションならばハイパワーの大排気量マシンを追い回すのも造作も無い。


そして、今そのC4のドライバーとその相棒が向かっているのがワインディングセクションだった。

「良い、ホープ。先走り過ぎないでよ」

「分かってるわよ、大丈夫!!」

元々突っ走りやすい性格でもあるホープだが、年齢を重ねるごとに落ち着きが出て来たのか

ある程度は自制心を保つ事が出来る様になって来た。

冷静沈着な相棒ディアナのアドバイスもあって、ホープの操るC4は郊外への道を突っ走る。

急いで向かわなければその集団が何処かに行方をくらませてしまうかも知れないので、とにかく今は

彼女達も怪しい集団の密会の証拠を撮影する為にタブレット等の撮影機材を持って車を走らせた。

そしてこの密会場所が、彼女達を新たなる来訪者達に巡り合わせる場所になってしまうのであった。


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