Shutoukou Express and Kaido Runners vs Stomers第3話
「うお!?」
「何だぁ!?」
突然、坂の影から車体の下面が見えたと思ったらその車は
自分達の乗っているFR−Sの上を飛び越えて行った。
「何だよ一体!?」
「こりゃあ何かありそうだ。ゴードン、追うぞ!!」
「お……おいおい〜!!」
まったく、昔からこいつは何時もこうだと呆れながらもやっぱり何時もの事なので
ゴードンは相棒のソールに運転を任せる事にして自らは前の車の情報収集。
「赤の……ありゃあトヨタの古いFRかな。確かハチロク? だったか?」
「ああ、俺の車の祖先だ!! ……っと、ハチロクだけじゃ無いみたいだぜ!」
「……あれ、本当だ」
ソールのセリフにゴードンも頷く。良く良く見てみれば前を疾走する赤のハチロクレビンは
その更に前に居る青のトランザムを追い掛け回している様だ。
「ストリートレーサーか?」
「……では無いみたいだな」
雰囲気からすると、ストリートレースを楽しんでいる人間達には思えない。
その証拠に交差点を曲がる時にトランザムを良く見てみると何だかフロント周りがぐちゃぐちゃだからだ。
「ありゃあ事故ったか?」
「みたいだな。しかしそれならそれで、何故後ろのハチロクはトランザムを追いかけているんだ?」
「何かあるぜ、こりゃあ……」
ゴードンの疑問とソールの懐疑心が錯綜する中で、前の2台は市街地から外れて郊外へと走っていく。
しかし、ここでいきなりレビンが前を走るトランザムの右テールバンパーに思いっ切り接触。
しかもアクシデントでは無く、明らかに狙ってぶつけた感じだ。
「うお、やりやがった!!」
「奴を止めるぞ!!」
驚くゴードンと、何かを決意したソールはそのままトランザムにぶつけたレビンの前に出て
トランザムにこれ以上被害が出ない様にすると決めた。
「止まれ!!」
レビンの進路を的確に塞ごうとするが、相手もなかなかのテクニシャンの様で進路を塞ごうとする
ソールのFR−Sをかわして再びトランザムを追い掛けようとする。
「ゴードン、力ずくだ!」
「あいよ!」
ゴードンは素早くFR−Sから降りて、ソールが進路を塞いで停止寸前のスピードになっている
レビンに向かって走ったかと思えばそのまま運転席側のドアを開け、中のドライバーの胸倉を掴む。
「おい!! 何むちゃくちゃしてやがる!」
だが、レビンの茶髪のドライバーの反応はゴードンの予想を超えた物だった。
「な、何だ御前等!! 御前等はあのトランザムの奴の仲間か!?」
「はぁ? 何言ってんだ?」
「御前がトランザムを追い掛け回して、明らかにクラッシュさせようとしていただろ。何かあったんだろ?」
「い、今はそれ所じゃ無いんだよ!! あいつを……あ……」
すっかり姿形が見えなくなってしまったトランザムを追いかけていたレビンのドライバーは、頭に手を当てて
はーっと溜め息を吐いた。
「あーあ、余計な事に首突っ込むんじゃなかったぜ!!」
それだけ言い残し、レビンのドライバーは力任せに胸倉を掴むゴードンの手をバッと横に振り払うと
そのままレビンをスピンターンさせて急発進し、走り出しながらドアを閉めて走り去ってしまった。
「お、おい待て……っ!!」
ソールとゴードンも素早く追いかけようとしたが、レビンはフルスピードで加速して行った為に
追いかけるのをそこで止めた。
「何だったんだ、あいつは?」
「さぁな。だが、ただ事じゃなかったのは確かだ。これは一応ホープさんやハートマン達にも連絡を
取っておいた方が良いだろうよ」
「そうすっか」
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