Shutoukou Express and Kaido Runners vs Stomers第1話


時は2016年の9月17日。日本のカレンダーなら一般的な3連休の初日。

アメリカのキャロラインシティと呼ばれる比較的大きな地方都市。

港湾部に面している海沿いの都市であるが、ワインディングも郊外に行けばあるし

リゾート地としても隠れた人気の街として知られている。この日、そんなキャロラインシティに

3人の男が日本からはるばるやって来た事からこのストーリーが幕を開けるのであった……。

そして普通の旅行者と違うポイントと言えば、その3人の男達は船で事前に

自分の車をこのキャロラインシティに輸送していたのである。


「あ〜〜〜〜、やっとついたな、キャロラインシティ」

「海外って本当に慣れないな。来るのも久々だし」

「僕はアメリカには結構来ているけど、この街は初めてだ」

日本からキャロラインシティに降り立ったのは、3人とも日本の首都高サーキットで

実に15年以上走り続けている男達だった。

まず1人目が首都高サーキットだけでは無く、峠のサーキットも攻めている経験が

その走りに生きているプロレーサーの竹森拓也。

2人目も同じくプロレーサーで、首都高サーキットも峠のサーキットも走っている

似た経歴の持ち主の山本俊明。

最後にプロレーサーでは無いがなかなかのドライビングテクニックの持ち主で、

大きな会社の経営者であり首都高サーキットでもかなり名前が知られている走り屋の

荒巻隼人の3人であった。ちなみに峠の経験は無いとの事である。


この3人が何故こうして一緒にはるばるアメリカのキャロラインシティまでやって来たかと

言えば、3人はそれぞれ車のチューニングパーツ開発にも関わっており、同じメーカーの

新商品の開発テストの為にアメリカ法人に呼び出されたと言う事だった。

そして輸送費と交通費は出すから各自、自分の車を持って来て欲しいとの事でも

あったので事前に飛行機を使って空輸で急ピッチでアメリカまで車を運んだのである。

「飛行機で車運んでくれるなんて助かるな」

「ああ、船だと2ヶ月から3ヶ月はかかるって聞いた事あるし」

「僕も日本で乗っている車と長い間離れていると何だか落ち着かないから、非常に

役に立った。それじゃあ車を取りに行くとしようか」


と言う訳で隼人の提案により、3人は空港で荷物を受け取って車も受け取って

キャロラインシティの市街地へと向かう。事前に3人で集まって旅行も兼ねた計画を

立てていたので観光スポットを見て回る事にする。

せっかくアメリカまで来たのだから異文化に触れておかなければ損だ。

「アメリカの食べ物は本当にビッグサイズだよ」

「日本人には食いきれない量だったりするよな」

「味付けも……ふむ、こっちの人間向けだな」

アメリカの食べ物の代名詞であるハンバーガーとドーナツで腹ごしらえを済ませた3人は

その後もキャロラインシティの市街地を見て回る。


ちなみに今回それぞれが乗って来た車と言うのが、拓也は今自分のAE862ドアトレノを

車検に出しているので友人から借りているライトチューンの灰色のEP91スターレット。

山本は通算で4台目となる赤1色のAE86カローラレビンGTアペックス。

そして隼人がFD3S用の13Bの2ローターターボに載せ換えているシルバーのNCEC

ロードスターだった。

派手さで言えば間違い無くフルエアロを組んでいる隼人のロードスターだが、テクニックの面で

言えばプロレーサーの拓也と山本で1歩位先を行っている状況だ。

そんな3人の首都高ランナーが降り立ったキャロラインシティだったが、この街において

活動しているとあるポスターを山本が見つけた事から今回の事件の幕が上がる!!


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