Compete in a Different World第12話


クーイトリック山脈ではバトルが始まり、ある程度のエスヴェテレスの戦力は

潰す事に成功したがまだまだ人数は多い。なので、それぞれがそれぞれの

武器を振るって立ち向かわなければ行けないのだ。

近衛騎士団副騎士団長のロイティンは、オレンジの髪の毛を

している傭兵のシュヴィスと勝負。

ロイティンがパワーとリーチを兼ね備えた両手斧である事に対し、

シュヴィスは魔術と短剣を武器としている。つまり、懐に飛び込まれて

短剣で連続突きでもされよう物なら追い込まれる事は必死だ。


山脈の中では他にも兵士達が戦っているので、広くスペースを

取れないのがロイティンにとっては辛い所であるが、それでも存分に

お互いの武器を受け流し、かわし、そして攻撃して行く。

戦場に立つ以上は全開勝負が鉄則だ。

「おらあっ!」

「ぐっ!」

突き出されたシュヴィスの短剣を斧の刃の部分で受け止め、

代わりにロイティンも両手斧を振るうが、これはシュヴィスにかわされる。

両手斧は重い分スピードを乗せ難い為に、スピードのある相手には

避けられやすいのが武器としての欠点だ。


カン、カンとその後も何回か受け止めた後、一旦距離を置いて

そこに向かって来た他のエスヴェテレスの兵士を突き刺し、薙ぎ倒す。

そのままの勢いでまたシュヴィスに向かって行くが、彼は先程と変わらず

短剣でロイティンの攻撃を受け止めて、更に流す。

一旦相手から離れる事によって相手のペースを崩し、そして自分の

ペースに持ち込もうとしたがそれは失敗に終わってしまった。

(……駄目か)


このままでは埒が明かないと判断したロイティンは、何とか

こいつの鉄壁の守りを崩さなければいけないと判断。

そこで守りを崩すにはどうすれば良いのかと戦いながら

考えた結果、1つの方法に辿り着いた。

(これしか無いか……!?)

周囲を戦いながらそれとなく見回し、ロイティンはそれを行動に

移す事にした。


ロイティンはシュヴィスの氷の針を飛ばして来る魔術のアイスニードルを

バックステップでかわし、それから横に回りこむ。それを見て今度は

短剣で攻撃するシュヴィスだが、これも後ろにジャンプして回避。

そしてクイクイッとロイティンは手招きをすると、心無しかシュヴィスの

眉間にしわが出来た様な気がした。

そんなシュヴィスはその手に招かれる様にロイティンに突っ込みつつ

短剣で連続突きを繰り出す。


が、それを瞬時に横に避けたロイティン。そのロイティンの後ろに

あった物は大きな木の幹。それに短剣の先端が突き刺さってしまい、

シュヴィスに大きな隙が生まれる。

(あっ……!?)

愕然とするシュヴィスのその隙を見逃さずに、ロイティンはシュヴィスの

身体に大斧を振り下ろす。

ザン、と肉が斬れる音がして、シュヴィスの身体から血しぶきが上がる。

「ぐおっ……」

その一撃でシュヴィスは死ぬ迄には至らなかったが戦闘続行不可能になり、

これでロイティンの勝利となった。


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