Crisis Mission Team Battle第4話
その頃、陽介は森の中でこちらに来る3人に気がついていた。
(青い奴等だな。でも、身軽さなら俺が上。3人相手でも、この森の中であれば身軽に移動してやるぜ!!)
心の中でそう決心しつつ、陽介は3人の出方を窺う。陽介が今居るのは森の中は森の中でも木の間では無い。
その青い3人の内、マークが自分の下に来た時に陽介は木の上から飛び降りてマークを一気に身体全体で押し潰した。
「ぅ、ぐっ……!くそ、っ」
「今の音、どっちだ……!?」
「……マークのほうか!」
マークをしっかりと気絶させた陽介は近付いてくる足音に気がつき、足元の石を遠くへ放り投げる。
こうする事で相手の気をそらさせつつ、木々の間を走り抜ける。相手の位置も分からない今の状況で迂闊に動きたくは無い所だ。
(後2人・・・・)
ルーキーのマークは意外と簡単に倒せたが、残り2人は経験豊富なので油断が出来ない。
それでも相手役に選ばれたからには倒すしか無い。再び木の上へと枝を使って飛び乗り、辺りの気配を陽介が探っていると
今度はウェズリーが現れる。
(ウェズリーか・・・・)
他には相手の気配が無い事を探ると、同じ様にウェズリーが真下に来た所で仕留めようと動く。
が、その瞬間ウェズリーが踵を返して別の方向へ歩いて行く。
(ん? 何処へ行くんだ?)
唐突なウェズリーの行動をいぶかしむ陽介だったが、そんな陽介の足をいきなり引っ張って地面へと落としてくる人物が1人。
それは勿論・・・・・。
「うおあ!?」
木の上から引き摺り下ろして来た相手は、何時の間にか背後を取っていたエヴァンだった。
その引き摺り下ろされた時のダメージで陽介のダメージゲージが70パーセント程度まで上昇。
「くぅぅぅ・・・そ!!」
すぐさま引き摺り下ろされた体勢からエヴァンを振り払う様にしてアクロバティックな動きで立ち上がるが、
その陽介の背中に模擬弾が当たる感触がした。
「うぁ・・・!?」
ダメージゲージが100パーセントまで上昇。正確に背中側から陽介の心臓を撃ち抜く事が出来たのは1人しか居ない。
「ウェズリーか・・・・!! くそ、負けかよ!!」
まずはウェズリーが陽介の視界に姿を見せ、別の方向へと歩いていき陽介の気をそらせたところでエヴァンが
木の上から引き摺り下ろす作戦だったと聞かされる。どうやら、木の上に居た事はマークがやられた後にウェズリーが
見つけて知った様なので、それをエヴァンに伝えてこう言う作戦を練ったと言う事だった。
「よっし、ポイントゲットー!」
「気絶させられたのは痛いな……目が覚めるまで運ばなければならないから動きが制限される」
「まったく、手間のかかる後輩だよなー」
(お前にだけは言われたくないだろうな……)
「よ……っと、オッサンたちに取られないうちに、俺らも急ごうぜ」
「マークの白兵経験が足りないところを突かれたな……そこを重点的に訓練したほうがいいだろう」
「まだまだ成長の余地はあるからな。しかし、ウィークポイントではある」
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