Crisis Mission Team Battle第3話
「・・・ふっ!!」
ジョルジョがハンドガンを向けて来る前にスライディングでジョルジョの足を払い、そこから
追撃をかけようとした渡辺だったが・・・。
「っ!!」
渡辺は突然の衝撃に襲われる。
見ると、別の場所から撃たれていた銃弾が自分の身体に当たっていたからであった。
それを撃って来た人間は・・・・。
(・・・・アラン!!)
「させないぜっ!」
「っと、やっぱりこっちにいたか!」
銃声を聞きつけたルークも、3人のもとに駆けてきた。 とりあえず3対1ではまず勝ち目が薄いので、
どうにかして1対1の連続に持ち込みたい所だった。 地の利はこちらには全く無い渡辺。
だからこそ囲まれる事だけは避けたい。
(くそ・・・ならば!)
コンテナの上に上ってしまえば狙撃される心配も余り無いし、真正面から来るのであれば場所が狭いので
必然的に 1対1に持ち込みやすくなる。
そう考えた渡辺は素早く駆け出してコンテナとコンテナの間を駆け回る。
当然赤い3人も追いかけて来る。 この区域はコンテナだけがある訳では無い。地面を見てみれば港を意識した
場所になっているのでドラム缶が 置かれていたり廃タイヤが転がっていたりしている。
それを転がしたり、追って来る3人に投げつけたりして進路を妨害しながら逃げる渡辺。
そのまま走りながらある程度引き離した所でコンテナの上に上り、まずは続けて追いかけてこようとしたルークを
思いっ切り蹴り落とす。
更にその間に上ってきたジョルジョを先制攻撃のスライディングで退け、上って来てハンドガンを向けて来た
アランをキーシファイティングメソッドの防御と攻撃を一緒に行う事が出来る動きで懐にもぐりこむ。
前回、エレベーターの時に戦った戦法が今回も通用しそうだ。
「ぐう!」
渡辺は腹に膝蹴りを入れられながらも、そのままアランを救い上げるようにして持ち上げて再び上ろうとして来た
ジョルジョ目掛けてアランを投げつける。
そして反対側から上って来たルークに足払いをかけて転ばせ、足を持ってジャイアントスイング。
だがジャイアントスイングでルークを投げ飛ばした所で、素早く体勢を立て直して来たジョルジョが
別のコンテナに上ってそこからハンドガンで渡辺を狙撃する事に成功。
「ぐあ!」
まさかの場所からの狙撃に一瞬渡辺の動きが止まり、そこを見逃さなかったアランが渡辺の視界の外・・・・後方から
コンテナに手をかけて上って来て渡辺をコンテナから文字通り引き摺り下ろす。
「うぐうあ!!」
胸を打ちつけつつ引き摺り下ろされながら立ち上がるももだえ苦しむ渡辺に、止めとばかりに立ち上がって来たルークの
ドロップキック。これでダメージゲージが大幅にたまり、最後にアランとジョルジョの模擬弾が渡辺の胸と頭に
ヒットしてダメージゲージが100パーセントになり、ここでバトルが終了した。
(俺の・・・負けだ・・・)
見事渡辺に打ち勝った赤チームの3人は、安堵の息をそれぞれ吐いた。
「はぁ……っ、リベンジ達成ってとこだな!」
「まあ、どうなるかと思ったけどな。割となんとかなったみたいだな!」
「喜ぶのは早いぞ。あいつらにポイントを取られる前に、早く次の場所に向かう」
「へいへいっとぉ。ま、あっちにゃ負けたくねえからな!」
「今回はジョルジョによるものが大きかった気がするけどな。あとはルークとアランの力技か」
「ルークはすぐ力技に持ち込もうとする傾向がある気がするが。まあ、今回はプラスになったか?」
そんな会話を赤い3人がしていたその頃、青の3人であるウェズリー、エヴァン、マークは陽介が待っているとされる
森の中へとやって来ていた。
陽介はフリーランニングを習得しているので、身軽に動き回れる相手であれば厄介だろうと容易に想像がつく。
「あーあ、今度は男3人で森林浴とはねぇ」
「それで、どうするんだ。ひたすら捜すのか?」
「ちょっと、無視されるのが一番キツいんだけど」
「まあ、エヴァンも機嫌を直して。ひとまず散開するように動いて、実際は一箇所に追い詰めていこう。 俺たちで退路を塞ぐように」
「ふうん。要はまず見つければいいんだろ?まあ行ってくるぜ!」
「あ、こらっ、もうちょっと作戦を詰め……、はぁ……」
「………俺たちも行くか……」
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